鏡の記憶牢

滋賀列島(シガレット)

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第1話「祖父母の屋敷」

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「懐かしいな……こんなに静かだったっけ?」

 ミラは、かつて祖父母が住んでいた古い屋敷の玄関前に立ち、微笑みを浮かべた。祖父母は長い間、人の多い賑やかな町で暮らしていたが、静かで穏やかな環境を求めて田舎の村へ引っ越していった。それ以来、この屋敷は貸し屋敷として使われていたが、住む人々が次々と不幸に見舞われたため、今はすっかり無人となってしまっている。

「解体する前に片付けを頼まれたけど……この場所に来るの、久しぶりだな。」

 ミラは屋敷の古びた扉を開け、ゆっくりと中へと足を踏み入れた。祖父母が住んでいた頃、この屋敷は温かくて賑やかな場所だった。ミラにとっては、楽しい思い出が詰まった場所で、祖父母と一緒に遊んだ記憶がよみがえる。

 しかし、今はひんやりとした空気が漂い、人気のない寂しい空間に変わり果てていた。ミラは杖を取り出し、その先端に軽く息を吹きかけるように囁いた。




 杖の先から淡い光が灯り、周囲を柔らかく照らし出す。ミラはその光を頼りに、埃っぽい廊下を歩き始めた。屋根裏部屋に向かうため、軋む階段を一段一段上がっていく。

「祖父母がいたころは、もっと明るくて温かい場所だったのに……」

 ミラは心の中でそう呟きながら、屋根裏部屋の扉を開けた。薄暗い屋根裏部屋には、古びた家具や箱が雑然と置かれており、埃と蜘蛛の巣が覆い尽くしている。ミラは「微光の灯(ルクス・ルミナ)」の光で周囲を照らしながら、慎重に足を進めていった。

 ふと、部屋の片隅で何かが光を反射しているのが目に入った。

「何だろう、あれ……?」

 ミラはその光に引き寄せられるように近づいてみると、それは大きな鏡だった。鏡は古びているが、美しい彫刻が施されており、どこか異様な存在感を放っている。ミラはその鏡を見ていると、まるで何かに吸い寄せられるような感覚に陥った。

「この鏡……前に見たことがあったかしら?」


 ミラは首をかしげながら、鏡に手を伸ばした。その瞬間、鏡の表面が波打ち始め、まるで液体のように揺れ動いた。驚いて手を引こうとしたが、時すでに遅く、強い吸引力がミラを引き寄せる。

「きゃっ……!」

 ミラは叫び声を上げる間もなく、鏡の中に引き込まれていった。視界が一瞬にして真っ暗になり、ミラの意識は途切れた。

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