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パラノーマル・アクティビティ方式
#2:どうにかなるんじゃね?知らんけど
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「神社でも行ってお祓いしてもらえば?オカルト作家ってだけで、私零感だし」
「ちょっと、貴重な読者でしょうが!もう少し親身に対応しなさいな!」
私の身も蓋もない対応に袴田さんがツッコミを入れる。
「でも私が零感なのは事実だし、書いてる作品だってほとんどが創作だよ?」
袴田さんに向けていた視線をRIKUTOさんに向け直し、改めて私は彼を絶望にたたき落とすことを伝える。
「オカルト作家してると、たまに読者が相談に乗ってくれとか霊媒師紹介してくれとか手紙送ってくることとかあるけど、そういうのは創作のアテにするか、お祓い行けとしか言いようが無いの、あとがき読んだならわかると思うけど、改めて言わせてもらう。私は霊の類いは一切見えないの、そう言う話を聞いても、どうすることも出来ないの。だから各自でなんとかしてもらう以外方法はない!以上!」
「助けてあげればいいのに……」
袴田さんが呆れ果てた声で言ったけど、私も譲る訳にはいかない。
龍太郎が前に言ってた、幽霊に軽い気持ちで関わってはいけない、こちらは軽い気持ちだとしても、向こうも同じとは限らないと。
龍太郎曰く、私は積極的に霊と関わっていないために見逃してもらえているらしい。
『だからって、高を括ってはダメよ。向こうは機会を伺ってる状態だと思いなさい。隙を見せた途端にズドンよ』
こういう時は、霊感の全くない私には出来ることなど何も無い。だからこそ、プロに任せるべきなのだ。
「わかってます。お祓いした方が早いって……でも僕、こんな仕事してるじゃないですか……?なにかあればすぐに週刊誌であることないこと書かれて、メンバーにも迷惑かけるし……もう僕には先生に縋るしかないんです……先生に霊感がないのは承知の上です。それでもお願いします。どうにかしてください!もうどうすればいいのか分からないんです……」
土下座せんばかりに私に頭を下げるRIKUTOさん。
これだからオカルト作家ってのは、と頭を抱えたくなる。
作家というのは、往々にしてそう言う誤解をされる仕事だとは知っていたけれども、さすがにこれは酷いものだ。
恋愛作家は恋愛のプロ、ミステリー作家は人殺しのプロ、オカルト作家は幽霊のプロと思う人間は未だに一定数居る。
知り合いの恋愛作家さんの話では、ファンレターに紛れてセフレになって欲しいというようなアホみたいな手紙が未だに届くことがあるそうだ。
そういう人もいるだろうが、─ミステリー作家のくだりは知らないが─作家という仕事は想像がものを言うのだということを世の中の殆どが忘れている様だ。
「悪いけど、私はオカルト作家だからって霊媒師を紹介できる訳じゃないの。作品に登場する知識の殆どがネットの受け売りだし。私が出来るのは守秘義務がしっかりしてる神社を紹介することだけ。その先は自己責任。例え、週刊誌にリークされたとしても、それは君の危機管理が足りなかったとしか言えない」
「……わかりました、神社を紹介してもらう前に、これを見てほしいんです……」
RIKUTOさんは、ブランドバッグの中からAgerのグッズと思しきUSBを取り出して、テーブルに置いた。
「これは?」
「先生は、パラノーマル・アクティビティって映画をご存知ですよね?」
「もちろんだよ、DVDレンタルして全部見たぐらい。面白い映画だったよね」
「私知らない」
袴田さんと同じように、知らないもしくは、名前だけ聞いたことがあるという人に軽く解説しておこう。
2007年アメリカの映画祭でとある映画が公開された。
その映画はわずか1万5千ドルという超低予算で制作された、モキュメンタリー方式※の映画だった。
※モキュメンタリー方式=擬似の意味を持つ「モック」とドキュメンタリーを掛け合わせた造語。実際には無い事件をドキュメンタリー方式で撮る映画の撮影方式のこと
撮影場所は、監督の自宅。撮影期間もわずか7日間という乱暴な映画だったものの、興行収入は4万9379ドル。現在の日本円に直すと7百22万0444円
無名の俳優を使ったのにも関わらず、凄まじい大ヒットを飛ばした。
その映画こそ、パラノーマル・アクティビティだ。
「そのパラノーマル・アクティビティみたいに自宅の様子を撮ったとか言わないよね?」
「だって先生、"呪われてる?~その少女には、幽霊が取り憑いています~"のあとがきで言ってたじゃないですか。『この世はどんなに不思議な現象に遭ったとしても、そこに証拠がなければ今作の少女の様に酷い妄想をしていると片付けられてしまう。場合によっては措置入院かもしれないが。読者諸君、この世は証拠が全てだ。例え何人もの人間が目撃していたとしても、証拠がなければそれはただの集団ヒステリーとして片付けられる。私に信用して欲しかったら証拠を持ってくるがいい。その証拠を見て私は初めて、君の話を聞くことが出来る』って」
だから、撮って来ましたと、とてもキラキラした純粋な瞳で私を見て来た読者に思わずドン引きしてしまう。
「あとがきの一節だとしても、ソラで言える人は君が初めてだよ……」
「ガチ勢って奴ね、でもよかったじゃない。次回作のネタが転がってきたわよ」
「お願いします。これだけでも見てください。あっUSBは事務所に郵送してくれたらいいんで、それじゃあ僕これからラジオの仕事あるんで!」
とんでもない読者は、いそいそと店を出ていってしまった。
証拠が入っているであろう、USBを置いて……
迷ったけども、とりあえず家で見てみようと言う話になり、袴田さんと帰宅した。
「ちょっと待っててもらっていいですか?処分予定のノーパソ持ってきます」
「いつものパソコンで見たらいいじゃないの」
「いつものパソコンは買ったばっかだし、色々プロットが詰まってるし、壊れたら泣くに泣けないんで、壊れても構わないやつにしようと思って」
「読者に対する信頼度低すぎない?」
「万が一ってことがあるでしょ、それに読者だからってそういうことをしないとも限らないの!」
さすがに読者に限って無いとは思いたいけども、ウイルスなんか仕込まれてたら嫌だし、古いノーパソを取りに行く。
「んじゃ、再生するよ?」
袴田さんは今更怖くなったのか、私の服の袖を握りしめた。
服伸びるんだけどと言いたかったけども、野暮かと思ってやめた。
「本当にパラノーマル・アクティビティみたいだな……」
「私観てないからわかんないんだけど、こんな感じの映画なの?」
「色味がね、映画の半分ぐらい暗闇での撮影だったからなのかこんな感じの色味だったよ。気になるんならレンタルすれば?面白い映画だったよ」
「てかなんで暗闇で撮影すんのよ……心霊スポット行く人の動画でも殆どが夜に行ってるし」
「夜は幽霊が活動しやすい時間だからね。生きてる人は殆ど寝てる時間帯ってのもあるだろうけどさ。あと、なんで暗闇で撮影するかって言ったら、撮影者が寝てる時に撮影するからだと思う。人は寝てる時無意識下に置かれるから、霊的に無防備になるの。心霊動画でも、別の撮影してたらたまたま映った、てのが多いでしょ?つまり相手に隙を見せてることになる訳」
「撮影しようと思って行っても、何も映らないのは……」
「人が意識すればするほど、隙が無くなる。ガードが固くなるんだよ。人は思い込みだけでなんでもできるからね。そこには幽霊が入る隙はないんだよ─」
─だから心霊現象が起きづらいと言いかけたその時、画面に映し出されたそれに、私も袴田さんも固まった。
「……」
「……」
パソコンを閉じてからしばらくしても尚、私たちは何も言えなかった。
「どうするの?」
重い沈黙を破ったのは袴田さんだった。
「どうするも何も、アレがなんなのか分からない私らにはどうしようもないじゃん」
画面に確かに映し出されたアレ、その正体が明らかに生物では無いことはわかる。
だけど、死霊なのか、生き霊なのか、はたまた別のものなのか、霊感が無い私には判別が付かない。
ましてや、危害を加えてくる存在なのかどうかすら判断できないのだから、ただ私が言えることは、見なければよかった……それだけだ……それだけしか言えない自分が心底嫌だ。
「暗っ!ちょっと、帰ってんなら電気ぐらい付けなさいよ。アンタいつから吸血鬼になったのよ、アタシの血吸わないでよ?」
「龍太郎、今日は店に直行って言ってなかった?」
「珍しいわね、アンタがツッコまないなんて……忘れ物取りに来たの、店は掃除だけだから店子に任してきた。てか電気!」
「そうだ!ルキアさんに見てもらいましょうよ!ルキアさんならアレがなんなのか分かるはずです!」
「ちょっと、貴重な読者でしょうが!もう少し親身に対応しなさいな!」
私の身も蓋もない対応に袴田さんがツッコミを入れる。
「でも私が零感なのは事実だし、書いてる作品だってほとんどが創作だよ?」
袴田さんに向けていた視線をRIKUTOさんに向け直し、改めて私は彼を絶望にたたき落とすことを伝える。
「オカルト作家してると、たまに読者が相談に乗ってくれとか霊媒師紹介してくれとか手紙送ってくることとかあるけど、そういうのは創作のアテにするか、お祓い行けとしか言いようが無いの、あとがき読んだならわかると思うけど、改めて言わせてもらう。私は霊の類いは一切見えないの、そう言う話を聞いても、どうすることも出来ないの。だから各自でなんとかしてもらう以外方法はない!以上!」
「助けてあげればいいのに……」
袴田さんが呆れ果てた声で言ったけど、私も譲る訳にはいかない。
龍太郎が前に言ってた、幽霊に軽い気持ちで関わってはいけない、こちらは軽い気持ちだとしても、向こうも同じとは限らないと。
龍太郎曰く、私は積極的に霊と関わっていないために見逃してもらえているらしい。
『だからって、高を括ってはダメよ。向こうは機会を伺ってる状態だと思いなさい。隙を見せた途端にズドンよ』
こういう時は、霊感の全くない私には出来ることなど何も無い。だからこそ、プロに任せるべきなのだ。
「わかってます。お祓いした方が早いって……でも僕、こんな仕事してるじゃないですか……?なにかあればすぐに週刊誌であることないこと書かれて、メンバーにも迷惑かけるし……もう僕には先生に縋るしかないんです……先生に霊感がないのは承知の上です。それでもお願いします。どうにかしてください!もうどうすればいいのか分からないんです……」
土下座せんばかりに私に頭を下げるRIKUTOさん。
これだからオカルト作家ってのは、と頭を抱えたくなる。
作家というのは、往々にしてそう言う誤解をされる仕事だとは知っていたけれども、さすがにこれは酷いものだ。
恋愛作家は恋愛のプロ、ミステリー作家は人殺しのプロ、オカルト作家は幽霊のプロと思う人間は未だに一定数居る。
知り合いの恋愛作家さんの話では、ファンレターに紛れてセフレになって欲しいというようなアホみたいな手紙が未だに届くことがあるそうだ。
そういう人もいるだろうが、─ミステリー作家のくだりは知らないが─作家という仕事は想像がものを言うのだということを世の中の殆どが忘れている様だ。
「悪いけど、私はオカルト作家だからって霊媒師を紹介できる訳じゃないの。作品に登場する知識の殆どがネットの受け売りだし。私が出来るのは守秘義務がしっかりしてる神社を紹介することだけ。その先は自己責任。例え、週刊誌にリークされたとしても、それは君の危機管理が足りなかったとしか言えない」
「……わかりました、神社を紹介してもらう前に、これを見てほしいんです……」
RIKUTOさんは、ブランドバッグの中からAgerのグッズと思しきUSBを取り出して、テーブルに置いた。
「これは?」
「先生は、パラノーマル・アクティビティって映画をご存知ですよね?」
「もちろんだよ、DVDレンタルして全部見たぐらい。面白い映画だったよね」
「私知らない」
袴田さんと同じように、知らないもしくは、名前だけ聞いたことがあるという人に軽く解説しておこう。
2007年アメリカの映画祭でとある映画が公開された。
その映画はわずか1万5千ドルという超低予算で制作された、モキュメンタリー方式※の映画だった。
※モキュメンタリー方式=擬似の意味を持つ「モック」とドキュメンタリーを掛け合わせた造語。実際には無い事件をドキュメンタリー方式で撮る映画の撮影方式のこと
撮影場所は、監督の自宅。撮影期間もわずか7日間という乱暴な映画だったものの、興行収入は4万9379ドル。現在の日本円に直すと7百22万0444円
無名の俳優を使ったのにも関わらず、凄まじい大ヒットを飛ばした。
その映画こそ、パラノーマル・アクティビティだ。
「そのパラノーマル・アクティビティみたいに自宅の様子を撮ったとか言わないよね?」
「だって先生、"呪われてる?~その少女には、幽霊が取り憑いています~"のあとがきで言ってたじゃないですか。『この世はどんなに不思議な現象に遭ったとしても、そこに証拠がなければ今作の少女の様に酷い妄想をしていると片付けられてしまう。場合によっては措置入院かもしれないが。読者諸君、この世は証拠が全てだ。例え何人もの人間が目撃していたとしても、証拠がなければそれはただの集団ヒステリーとして片付けられる。私に信用して欲しかったら証拠を持ってくるがいい。その証拠を見て私は初めて、君の話を聞くことが出来る』って」
だから、撮って来ましたと、とてもキラキラした純粋な瞳で私を見て来た読者に思わずドン引きしてしまう。
「あとがきの一節だとしても、ソラで言える人は君が初めてだよ……」
「ガチ勢って奴ね、でもよかったじゃない。次回作のネタが転がってきたわよ」
「お願いします。これだけでも見てください。あっUSBは事務所に郵送してくれたらいいんで、それじゃあ僕これからラジオの仕事あるんで!」
とんでもない読者は、いそいそと店を出ていってしまった。
証拠が入っているであろう、USBを置いて……
迷ったけども、とりあえず家で見てみようと言う話になり、袴田さんと帰宅した。
「ちょっと待っててもらっていいですか?処分予定のノーパソ持ってきます」
「いつものパソコンで見たらいいじゃないの」
「いつものパソコンは買ったばっかだし、色々プロットが詰まってるし、壊れたら泣くに泣けないんで、壊れても構わないやつにしようと思って」
「読者に対する信頼度低すぎない?」
「万が一ってことがあるでしょ、それに読者だからってそういうことをしないとも限らないの!」
さすがに読者に限って無いとは思いたいけども、ウイルスなんか仕込まれてたら嫌だし、古いノーパソを取りに行く。
「んじゃ、再生するよ?」
袴田さんは今更怖くなったのか、私の服の袖を握りしめた。
服伸びるんだけどと言いたかったけども、野暮かと思ってやめた。
「本当にパラノーマル・アクティビティみたいだな……」
「私観てないからわかんないんだけど、こんな感じの映画なの?」
「色味がね、映画の半分ぐらい暗闇での撮影だったからなのかこんな感じの色味だったよ。気になるんならレンタルすれば?面白い映画だったよ」
「てかなんで暗闇で撮影すんのよ……心霊スポット行く人の動画でも殆どが夜に行ってるし」
「夜は幽霊が活動しやすい時間だからね。生きてる人は殆ど寝てる時間帯ってのもあるだろうけどさ。あと、なんで暗闇で撮影するかって言ったら、撮影者が寝てる時に撮影するからだと思う。人は寝てる時無意識下に置かれるから、霊的に無防備になるの。心霊動画でも、別の撮影してたらたまたま映った、てのが多いでしょ?つまり相手に隙を見せてることになる訳」
「撮影しようと思って行っても、何も映らないのは……」
「人が意識すればするほど、隙が無くなる。ガードが固くなるんだよ。人は思い込みだけでなんでもできるからね。そこには幽霊が入る隙はないんだよ─」
─だから心霊現象が起きづらいと言いかけたその時、画面に映し出されたそれに、私も袴田さんも固まった。
「……」
「……」
パソコンを閉じてからしばらくしても尚、私たちは何も言えなかった。
「どうするの?」
重い沈黙を破ったのは袴田さんだった。
「どうするも何も、アレがなんなのか分からない私らにはどうしようもないじゃん」
画面に確かに映し出されたアレ、その正体が明らかに生物では無いことはわかる。
だけど、死霊なのか、生き霊なのか、はたまた別のものなのか、霊感が無い私には判別が付かない。
ましてや、危害を加えてくる存在なのかどうかすら判断できないのだから、ただ私が言えることは、見なければよかった……それだけだ……それだけしか言えない自分が心底嫌だ。
「暗っ!ちょっと、帰ってんなら電気ぐらい付けなさいよ。アンタいつから吸血鬼になったのよ、アタシの血吸わないでよ?」
「龍太郎、今日は店に直行って言ってなかった?」
「珍しいわね、アンタがツッコまないなんて……忘れ物取りに来たの、店は掃除だけだから店子に任してきた。てか電気!」
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