どうにかなるんじゃね?知らんけど

いもけんぴ星人

文字の大きさ
4 / 5
パラノーマル・アクティビティ方式

4:どうにかなるんじゃね?知らんけど

しおりを挟む
「よし、やっぱり来させて正解だったわね」
「ありゃりゃ、憑いてきてた?どんな子?そもそも女の子?」
「幽霊までナンパしようとしなくていい、人間だけにしときなさい」
 人間もあんまりナンパしないのになぁ。

「ヤダ、いさちゃんてば幽霊も守備範囲なのぉ?」
「そうなのぉ~、かわいい幽霊ちゃんなら取り憑かれてもいいのにルキアママが許してくれないのぉ」
「許されると思ってんの?飼うなら猫にしときなさい。うちは幽霊は飼えません。はい、チェイサー」
「幽霊をペットみたいに言うなよ。しかもなんで猫限定なの?猫好きだからいいけど別に……」
 ルキアママは私のペースに合わせてチェイサーを出してくれる。
 いっつもタイミング完璧だ。

「ママったらそんなにいさちゃんが心配なら正直に言えばいいのに」
「ブリ子は余計なこと言ってないで、滝谷さんの飲みもん作んなさい。さっきから待ってるわよ」
「これは放置プレイってヤツ」
「アタシの店でそんな事する度胸があったなんてねぇ?」
 ゴキゴキと音を立てる、龍太郎の拳。
 不味い、このままだとブリちゃんの頭蓋骨が……。

「ブリちゃん、さっさと仕事した方がいいよ?ルキアの拳骨は頭蓋骨陥没骨折するぐらいの威力あるから」
「ママの拳骨は最終兵器リーサルウェポンか何かなの?」
「そんな訳ないでしょ、ちょっとヒビが入る程度よ」
「ヒビは入るのね……」

 なんだかんだ言いながらも、ブリちゃんはお客さんに飲み物のおかわりを作りに行っちゃった。
 ブリちゃんは私と龍太郎が一緒に住むことになった時、一緒に部屋を探してくれたり、龍太郎が忙しくて家具を見に行けない時に、一緒に来てくれたりしたぐらい龍太郎の次に仲がいいおネエさん。

 龍太郎が前のお店から独立する時も、なんだかんだ言いながら着いてきてくれたらしく、龍太郎もブリちゃんのことを信頼しているようだ。

「で?どうすんの?」
「何が?」
「あのUSB、解析してもらった後どうするのか聞いてなかったから」
「返すよ?本人に。彼も返して欲しそうだったから、事務所に送ってくれって言ってたし」
「そう……なら返す前におまじないでも掛けとくわ」
「ルキアのおまじないは効くからねぇ……」

 私はいつの間にか空のグラスと交換されてたカンパリジンジャーエールをグイッと1口飲む。
 カンパリの特徴的な苦味が口の中に広がって行く感覚に頭は自然と思考モードへ切り替わっていく、それにしてもなぜ私にあんな動画を渡してきたんだろうか、二作品程前のあとがきで動画解析のプロと知り合ったことは書いている。経緯を省いただけで。

 私の黒歴史である携帯小説時代からの読者であれば、そのあとがきを読んだと思う。
 なんせ、前作の"呪われてる?~その少女には、幽霊が取り憑いています~"のあとがきをソラでスラスラと言えるほど、あとがきまでしっかりと読み込む程の変態的な読者なのだから、二作品前のあとがきも当然読んだだろうし。

「考えても意味は無いか。所詮人の心なんてものは分からない方が身のためだし」
「なぁに?どうかしたの?」
「なんでもないよ、ブリちゃん。やっぱり考え事にはカンパリは最適だなって」
「文豪でも気取ってんの?書いてる作品がオカルトなんかじゃ、文豪には毛程も近づけないわよ」

 相も変わらず、私に手厳しいルキアの言葉を華麗にスルーしながら、パラノーマル・アクティビティの本編を思い出そうとした。
 けども、観たのが大分前だったからなのか、断片的にしか思い出せない。

「ルキア~、明日映画見ようよ~」
「あら、いいじゃないの映画。何観るの?」

「パラノーマル・アクティビティ」
「却下」
「即答やめい」
「とにかく嫌」

「えぇー?面白い映画なんだよ? シリーズ進む事にオカルト色強くなるけど、最初の方はルキアも楽しめるって」
「嫌よ、アンタ変なツッコミ入れるから集中できないの」

「我慢する」
「息はしてね」
「先回りしただと!?」
「ヤッダ、おっもしろいwww最高よ、いさちゃんwww」

「ありがとう、ブリちゃん♡」
「このお店の看板レアメニュー、ママといさちゃんの漫才よ!みんな覚えて帰ってね!」
「こんなメニュー置いた覚えは無いわよ」

 なんだかんだ言いながら、お酒を飲んだり、ルキアとブリちゃんの漫才を見たり、ブリちゃんのカラオケを聞いたりしてたらあっという間に閉店時間。

「楽しい時間程、あっという間に過ぎてっちゃうよね……寂しいけど、この楽しかった時間の後の静寂も悪くないよねぇ……」
 チェイサーを兼ねたシンデレラを飲みつつ、お店の片付けをするブリちゃんや他の店子さんたちと、レジ締めをするルキアを眺める。
 あくせく働くみんなを眺めながら飲むシンデレラ程、美味しいものは無いなぁ。

「おばあちゃんみたいな事言ってんじゃないわよ、大体アンタまだそんなに生きてないでしょ。今年いくつか言ってご覧なさいよ」
「私?今年25ってか早生まれだから、もう25で来年26」
「「はァ!?アタシたちよりも年下!?」」
「えっ、まって?ブリちゃんまで?言ってなかったっけ?」
「聞いてなかったから驚いてんでしょ!」

「てかさ、そう言う2人はいくつよ?私ばっかりズルくない?」
「34」
 と龍太郎が言い
「41」
 とブリちゃん言った途端に2人は顔を見合わせ同時にこうお互いに対してこう言い放った。

「「はァ!?ババアじゃない!!/ガキじゃない!!」」
「「なんですって?!」」
「どっちもどっちだし、私からしたらどっちもババアなんだけど?」
 と私が言い

「俺からしてもそうですよ、勇魚さん。てかブリ子さんも、ママも閉店作業中なんですけど?仕事してください」
 と店子のリョウちゃん(ママに次ぐ毒舌キャラ)も賛同

「ママぁ?風車(ルキアの店のお向かいさん)のとこのママさんが来てるんだけど」
 そこにムギちゃん(仔犬系)がルキアに来客を知らせるけど如何せん間が悪かった。

「「黙らっしゃい、ガキ共はすっこんでなさい!!」」
「息ピッタリぃ……」
「仕事してよ……」
「え?僕ただ風車のママさんが来てるの言いに来ただけなんだけど……なんで僕怒られたの?」
 ムギちゃん、ドンマイ。

 年と言うのは本当に怖いなぁ……次回作のあとがきのネタができたな。
 儲け儲け。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

意味がわかると怖い話

邪神 白猫
ホラー
【意味がわかると怖い話】解説付き 基本的には読めば誰でも分かるお話になっていますが、たまに激ムズが混ざっています。 ※完結としますが、追加次第随時更新※ YouTubeにて、朗読始めました(*'ω'*) お休み前や何かの作業のお供に、耳から読書はいかがですか?📕 https://youtube.com/@yuachanRio

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】

絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。 下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。 ※全話オリジナル作品です。

【1分読書】意味が分かると怖いおとぎばなし

響ぴあの
ホラー
【1分読書】 意味が分かるとこわいおとぎ話。 意外な事実や知らなかった裏話。 浦島太郎は神になった。桃太郎の闇。本当に怖いかちかち山。かぐや姫は宇宙人。白雪姫の王子の誤算。舌切りすずめは三角関係の話。早く人間になりたい人魚姫。本当は怖い眠り姫、シンデレラ、さるかに合戦、はなさかじいさん、犬の呪いなどなど面白い雑学と創作短編をお楽しみください。 どこから読んでも大丈夫です。1話完結ショートショート。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

意味が分かると怖い話【短編集】

本田 壱好
ホラー
意味が分かると怖い話。 つまり、意味がわからなければ怖くない。 解釈は読者に委ねられる。 あなたはこの短編集をどのように読みますか?

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

処理中です...