君(ヒロイン)を後目に幸せに!?-めんどくさい事を回避するために貴族令嬢辞めます-

いもけんぴ星人

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面倒事はごめんだけど、辺境でゆったり過ごすチャンスなら別に苦じゃない

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 それから、2年間私とテオは徹底的にサラのそばに居るようにした。
 学園ではテオが、王宮や休日には私がそばに居るようにして、サラのアリバイを証明できるようになるべく記録を残した。

 "さよならのかわりに"では、主人公が学園に入学してから2年後、建国600年の記念パーティーにて聖女の存在と、サラと第一皇太子の婚約破棄が発表され、 さらにサラは辺境追放、もしくは王宮地下に監禁の処分を下される。

 私の狙いとしては、その建国600年記念パーティーで徹底的にサラの味方をし、第一皇太子のお怒りを買い、第十七魔導騎士隊隊長職(17の時に任命されたクソデカ面倒事その1)を辞任すると共に、サラと辺境でゆったりのんびり過ごすことにある。

「なるほど、つまり姉さんはクソデカ面倒事その1とその2(ラウラ)、その3(王宮内のゴタゴタ)から一気に逃げてしまおうと言う算段なんだね!」

「とてつもない説明口調だけども、確認してくれてありがとう、そうだよ……だってラウラを取り巻くアレコレやら、王宮内のアレコレやら、魔導騎士隊のアレコレやらで全くもってゆったりできてないんだよ?!少しぐらい取れてなかった有休貰ったってバチは当たらないでしょ!?」

 むしろ当たったら、全力で神にデスソース食わしたあとでジャーマンスープレックスかけてやる。

 なんなら、サルミアッキ(世界一不味いと有名な飴)を食わした後、マーマイト(イギリスの世界一不味いと有名なジャム)たっぷり食わして、さらにその後スターゲイジーパイ(こちらもイギリス発祥のとんでもないパイ)口いっぱいに詰め込んでやる。

「姉さん……俺もついて行っていいかな?」
「え?」
「俺も色々と面倒事に巻き込まれてて、ワンチャン俺が居なくなれば丸く収まるんじゃないかと思ってさ」

「あぁ……第一王女様の件ね……」
 実はテオ、顔が良いとの理由から第一王女様から"貴方をわたくしの婚約者にしてあげるわ!"と言われ(しかもそれを公の場で高らかに宣言しやがったから貴族間で噂に尾ひれが着きまくった)、6歳の時に決められた第一王女様の婚約者から浮気相手として慰謝料請求をされている真っ最中。

「それと、同僚の婚約者とのゴタゴタもだよ……」
 第一王女様の件だけでも大変そうなのに、同僚(第五魔導騎士隊の隊員)の婚約者からも逆プロポーズを受け、断ったがそれを逆恨みされ、その婚約者の女から襲われたと事実無根の言いがかりを付けられ、なんとか身の潔白を証明しようと奔走中というとんでもないゴタゴタにも巻き込まれているところなのだ。

「色々と大変だな、お前も……」
 かく言う私はと言えば、第二王子の剣術指南役に抜擢されたものの、第二王子に初対面で舐められまくり、イラついてしまいボッコボコに打ち負かした所。

 第二王子の母である王妃様にバチボコに怒られるわ、第二王子に謎に懐かれるわ、第二王子の婚約者の令嬢から謎に嫌がらせされるわ。
 さらに婚約者(元を早くつけたいけど向こうが駄々こねててなかなか難しい)に浮気されるわ、第一皇太子が王に相応しくないという一派に第二王子を立太子させるように王や王妃に進言しろとか言われるわでなかなかにハードなゴタゴタに巻き込まれていて姉弟して、疲弊しまくっている状況。

「テオ、そんな状況下のお前を置いて私が親友と共に辺境へ逃げると思うか?」

「姉さんならやりそう」
「なんだとコラ」
 
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