追放された俺は逆行転生した〜TS吸血姫は文化を牛耳る〜

石化

文字の大きさ
22 / 49
第1章至る平安

すろーらいふ!

しおりを挟む
麻の種籾をもらって、蒔いてみた。

大麻の成長はゆっくりだった。2年でだいたい1mくらいだろうか。一回目は実験と思って特に世話をしなかったからかもしれない。
刈り取って、紙工房に持っていくと大層喜ばれた。
なんでも、布に需要が集中して、紙に回って来る麻が減ったらしい。
いいことをしたな。
この調子でもっとたくさん麻を作っていくぞ。

この前は、きっちり一個ずつ植えて行ったけど、前回の様子を見ている限り、そんなに気を使わなくても大丈夫そうだ。丈夫な植物のはず。

あとやるべきは生産量をアップする試みだな。

なんだろう。肥料を与えれば問題ないと思うんだけど、どういう肥料がいいかな。まずは草木灰でも試してみるか。

収穫した大麻は、成長期間2年で大きさは2mだった。
うーん。成長は早くなったけど、できればもっと早くなっても良いんだよな。

なんだろう。あとは、肥溜めを用いるくらいしか思いつかない。
⋯⋯あれはできればやりたくない。流石にそこまで女を捨て去るわけには⋯⋯。

しかし、麻の安定供給が紙の安定供給、ひいては小説の普及に繋がるんだ。甘えたことは言ってられない。やれることはなんでもやらないと。

堆肥を混ぜてみた大麻の結果は2年で1、5mだった。
前のよりも悪くなってるんだが。なんでだよ。

ひょっとしてあれか?
連作障害ってやつ。
同じ場所で同じものを作り続けることで、育ちが悪くなるらしい。

土地を休ませる時期が必要という話だった。

なるほど⋯⋯。仕方ないな。

とりあえず農家は一旦休業しよう。



都の大路を歩きながら俺は考え事をしていた。

随分人が集まって活気が出てきている。ゆくゆくは本屋も簡単に開いているような世界にしていきたい。そのためにも大麻を大量生産しないといけない。

どうしていくのが正解だろうか。

ふと、気がつくと、街の一画に人が集まっていた。

興奮した声が漏れていて、活気がある。

何をやっているのだろうか。

「そこだ!やれ!東王(あずまおう)!」

「躱せぇ!都将(みやこのしょう)!」

二羽の鶏が互いに戦い合っていた。

闘鶏ってやつか。

自分以外が戦うなんてと思っていたが、なかなかどうして悪くない。

雄鶏たちは、飛んでお互いの爪を交錯させ、つつき合い、闘志を燃やしていた。
「東国から来たという東王は体が大きい。闘鶏においては体重が絶対の意味を持つ。この勝負、価値は揺るがないだろう。」
「いやいやいや。都将だって、こっちで一番の雄鶏の子供を代々継承してきた一羽だぞ。この血統の強さは折り紙つきだ。」

解説おじさんたちが訳知り顔で語っている。

なるほどなあ。面白い。闘鶏の世界にも色々なドラマがあるようだ。

と、決着がつきそうだ。

両方ともに疲れが見て取れる。次の一撃が最後だろう。

東王が突進を敢行した。思い切りの良い動きだ。

それに逆らわず、都将は、体を引いた。
それは、東王の動きを完璧に見切ったかのようなタイミングだった。
わざと置かれていたとしか思えない都将の足が、東王のバランスを崩し、東の王は無様に転がった。

「うおおおおー!」
「都将の勝利だ!!!」

⋯⋯。何あの鶏。そんじょそこらの人間よりも戦いの技術に長けているぞ。

「やはり都将か、強いものをより強く改良して行けば結果は違ってくるのだな。」

「東王も強かったが、所詮は一代限りよ。」

解説おじさんたちはしきりに頷いている。

暇なのかな⋯⋯。
他の人々はしきりに嘆いたり、賭け金の交換に勤しんでいるというのに。
いやこっちはこっちでロクでもなかったわ。

でも、闘鶏は面白かった。またやってたら見たいな。
今度は金を持ってくるか。

金は基本的にはいらないので放置している。
そんなものなくても俺は生きていけるし。

ただ、天皇家が謎の献金を毎年くれるので、腐る程金はある。
大丈夫?不透明支出に当たらない?

というわけで金の心配はいらないのだ。

それはそうと、大麻の大量生産の答えが見つかったかもしれない。

そう。それはつまり、品種改良だ。

2年でやっと育つ。なら、それを一年で育つようにする。連作障害が起こる。
なら、連作障害を起こしにくいタネを増やす。これらを目標に品種改良をしてみれば、俺の考える最強の大麻ができるに違いない。

幸い、俺の持つ時間は無限だ。品種改良に充てる時間は長いほうがいいに決まっているから、有利すぎる。

大麻農家として頑張るぞー!

⋯⋯なんか、間違ってる気がする。

気のせいだな。おそらく。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...