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第1章 雲上へ
プロローグ
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俺の名前は赤坂 正司。地方から上京してきた都会人だ。
元々は親と喧嘩して上京してきたのだが、そこには華々しい生活があると信じていたのも事実。そんな俺を待っていたのは……。
サービス残業ドンと来い、休日返上喜んで。有給休暇はありません。労働基準法真っ黒のブラック企業勤めだった。
何回転職しても、ブラック企業にしか当たらない。はぁぁ、と溜息とストレスだけが溜まっていく。
今日は本当に稀なる休日だ。先日遂に労働基準監督署が入って急遽休みになったのだ。ゴロゴロしようと思って朝から寝ていたが昼頃になり、お腹がぐぅ、となる。
冷蔵庫に何かあるだろうか、そんな事を思いながら開くと、そこには色とりどりのエナジードリンクがあった。
「……昼飯、買いに行くか……」
目の前の現実から目を背けながら俺は着替えを始める。
世の中クソだ。そう思わずには居られない。財布を持って外に出る。
長時間働いて身体を壊すのも当たり前、終わらない仕事を家に持ち帰って徹夜するのも当然の如く。そうして俺の安いアパートの一室はカラフルなエナジードリンクで覆われている。
良い会社にも当たらず、転職しても掲載内容が全く合っていないブラック企業ばかり。
はァァ、と溜息を再度付くとどこからか声が聞こえる。
「そこのおにーさん!」
若い女の子のようだ。客引きだろうか、こんな時間から。悪いが無視だ。
「ちょちょ、おにーさん、待ってくださいよおにーさんっ!」
待てと言われて待つ人がいるか。何やら着いてきているようだ。
そもそも俺はお兄さんなんて呼ばれる年齢ではない。精々オジサンが良いところの二十五歳だ。
……そう思うと十分にお兄さんな気がして、顔が老けているのだけだった。悲しくなって早足になる。
「ま、待ってください~!そ、そうだ!お昼!お昼ご飯奢りますからっ!」
いい加減ウンザリしてきた。振り向きながら返答する。
「そんな昼飯奢るとか奢らないとか、宗教勧誘に入るほどこちとら暇じゃ……な……い……」
そこに居たのは、絶世の美少女という言葉で表しきれない女の子だった。
ツヤツヤなロングの青色の髪の毛に、クリっとした瞳。身長と年齢的に言えば十五が良いところの女の子だ。
「あ!やっと向いてくれましたね、お兄さん!お昼!と、とりあえずお昼ご飯でも食べながら話聞いてくれませんか!宗教勧誘じゃなくて、転職の……大事な、大事なお話なんです!」
「……」
正直、またブラック企業に勤めさせられるのかと思う。
けれど、今の会社であろうがこの子に騙されようがブラック企業なのには違いない。
ならば女の子に縁がなかった俺。こんな美少女と一度ご飯を食べるぐらいなら良いだろう。
「分かった。ただし俺の分は俺で払うし、そっちも食い逃げは無しだからな」
それを聞いて謎の美少女は顔を輝かせる。
「はい!はい!勿論です!どこにしますか!私、これでもお金はあるのでどこでも大丈夫ですよ!」
余計に怪しい。なんでこんな子がお金はある、なんて言えるのか。とりあえず近くのファミレスを選択した。
「……うまいな」
注文して出てきたパスタとドリアを食べると、思わず涙ぐみそうになるぐらい美味しい。普段の死んだようなエナドリ生活がどれだけ味がしないかがよく分かる。
「はむっ!はむはむ……!んー、美味しい~!」
一方対面の美少女さんといえば、同じメニューを頼んでそれはそれは美味しそうに食べている。その姿にボーッと見惚れてしまう。
こんな美少女が、本当に純粋無垢な笑顔でご飯を食べている。久々に見た、嘘のない笑顔だ。彼女は本心から美味しいと思っている。
「……?私の顔に何か着いていますか?」
「いや……美味そうに食うな、と思ってな」
素直な感想を伝えると、満面の笑みで答えられる。
「だって!美味しいじゃないですか!美味しいものを美味しく食べずにどうしろって言うんですか!」
「……そう、だな」
美味しいものという概念から離れていた俺には染みる言葉だな、と思いながら残りのパスタを腹に収めた。
二人してドリンクを頼んだ後、話を切り出す。
「それで?転職っていうのはどういう事だ?」
そう切り出すと、彼女は少し真剣な顔になって言葉を紡ぐ。
「私、ルナって言います。
……あ、あの、誤解しないで欲しいのですが、苗字とか、カンジ?とかではなく、ルナ。それが私の名前なんです」
「……?どういうことだ、ルナさん」
苗字でも無い。漢字、という発音も少し違和感があった。どこか現実離れした彼女の話を少し聞くことにする。
「実は、私管理者を探しているんです。ちょっと今、私達の世界で問題が起きていて……」
「ま、待ってくれ。ルナさんの……世界?」
その口ぶりはまるで、異世界から来たかのようではないか。それに動揺しつつ問いかけると頷く。
「実は私達の世界……厳密に言うと、こことは別の世界で困ったことが起きているんです」
「……どんな事だ?」
胡散臭い、と思いながら聞き返す。別の世界なんてある訳が無い。そう思っていた。
次の瞬間までは。
「これを見てください」
ルナさんがパチン、と指を鳴らすと何やら映像が出てくる。
そこに映ったのは人々が乞い願う姿だった。
『お願いします、私たちに雨を……雨を……!』
『お恵みをお与えください、神様……!』
『雲上の神様方……!お供えならば幾らでもします!だから、俺たちに生きる糧をください……!』
「こ、れは……」
枯れかけている大地に、今にも死にそうな色の空。複数出てくるシャボン玉のような映像はどこもかしこも、終焉を迎えそうなものばかりだった。何をどうしたらこんな事になるのか。
「……これが、今の私達の世界です。
私達が暮らす雲上と下界。今までは下界から齎される恵みを管理して、その対価として雨を降らせたり、過度な晴れを防いだり、時に必要な時は風を抑えたりしました。けれど、それを管理する人……『管理者様』がいなくなってしまったことで、私を含む雲上の住人はどうしたらいいか分からなくなってしまったのです」
「ま、待ってくれ。私を含むってことは……ルナさんは……」
その問いに静かに彼女が頷く。
「はい。私は管理者様に最も近かった存在……こちらに言うところの『神様』に当たります。
そうして雲上の皆と話し合った結果、決めたのです。相応しい人を連れてくるしかない、と」
「それで俺に白羽の矢って事か。……でも何でだ?他にも使える人間は沢山いただろうに」
その疑問に、彼女は素直に答えてくれた。
「まず、大前提として私達はこの世界で生きている人を連れ去りたくはありませんでした。しかし、そうせざるを得ない時どうするか。
結果、『死に近い人』、かつ『この世界を嫌う人』を選ぶ事にしました。
ショージさんはその点、バッチリでした。この世界を嫌っていることは分かりきってますし、その生活だと私の目には三日後には急性の病気にかかってそのまま死ぬ未来が見えます」
「…………」
衝撃的な余命宣告に俺は絶句するしかない。
確かに人手不足だからといってあちらこちらで働かされてはいたが、余命三日とは。
「その点、私達の世界は簡単です。
ショージさんは管理者として、恵みを受け取って雲上にいる私を含めた仲間に指示をして、時々地上に降りて崇められながらそれも恵みにするだけ。……お願いします。
私達の世界に、転職してくれませんかっ!」
顔を涙で歪めてお辞儀をする彼女を見て、思う。
本当に、この世界は嫌いだ。ならば異世界の方が良いのでは無いのか、と。
「……待遇は?」
「え?」
「その管理者様、ってやつの待遇はどうなんだ」
その言葉に涙を引かせながら彼女は答える。
「三食、おやつ、夜食!いつだって下界から送られてくる豊富な美味しいものを食べられます!
睡眠時間は夜だって朝だって、何なら昼だって寝ていても問題ありません!指示をくれれば大丈夫です!
後は雲上の整理です!ですが管理者様は指示をしてくれるだけでいいです!あの部分をこうしろ、ああしろと言って寝てもらっても構いません!」
「決まりだな」
そう言って彼女……ルナさんの手を握る。
「俺は君の世界に行くよ。管理者として」
「ほ、ホントですか!……ぅ、うぅっ!うわぁあぁぁん!!!ありがとうございまずぅぅぅ!」
俺の胸で泣きじゃくる彼女をファミレスで宥めながら、心の中で呟いた。
(あばよ、クソみてえな地球)
元々は親と喧嘩して上京してきたのだが、そこには華々しい生活があると信じていたのも事実。そんな俺を待っていたのは……。
サービス残業ドンと来い、休日返上喜んで。有給休暇はありません。労働基準法真っ黒のブラック企業勤めだった。
何回転職しても、ブラック企業にしか当たらない。はぁぁ、と溜息とストレスだけが溜まっていく。
今日は本当に稀なる休日だ。先日遂に労働基準監督署が入って急遽休みになったのだ。ゴロゴロしようと思って朝から寝ていたが昼頃になり、お腹がぐぅ、となる。
冷蔵庫に何かあるだろうか、そんな事を思いながら開くと、そこには色とりどりのエナジードリンクがあった。
「……昼飯、買いに行くか……」
目の前の現実から目を背けながら俺は着替えを始める。
世の中クソだ。そう思わずには居られない。財布を持って外に出る。
長時間働いて身体を壊すのも当たり前、終わらない仕事を家に持ち帰って徹夜するのも当然の如く。そうして俺の安いアパートの一室はカラフルなエナジードリンクで覆われている。
良い会社にも当たらず、転職しても掲載内容が全く合っていないブラック企業ばかり。
はァァ、と溜息を再度付くとどこからか声が聞こえる。
「そこのおにーさん!」
若い女の子のようだ。客引きだろうか、こんな時間から。悪いが無視だ。
「ちょちょ、おにーさん、待ってくださいよおにーさんっ!」
待てと言われて待つ人がいるか。何やら着いてきているようだ。
そもそも俺はお兄さんなんて呼ばれる年齢ではない。精々オジサンが良いところの二十五歳だ。
……そう思うと十分にお兄さんな気がして、顔が老けているのだけだった。悲しくなって早足になる。
「ま、待ってください~!そ、そうだ!お昼!お昼ご飯奢りますからっ!」
いい加減ウンザリしてきた。振り向きながら返答する。
「そんな昼飯奢るとか奢らないとか、宗教勧誘に入るほどこちとら暇じゃ……な……い……」
そこに居たのは、絶世の美少女という言葉で表しきれない女の子だった。
ツヤツヤなロングの青色の髪の毛に、クリっとした瞳。身長と年齢的に言えば十五が良いところの女の子だ。
「あ!やっと向いてくれましたね、お兄さん!お昼!と、とりあえずお昼ご飯でも食べながら話聞いてくれませんか!宗教勧誘じゃなくて、転職の……大事な、大事なお話なんです!」
「……」
正直、またブラック企業に勤めさせられるのかと思う。
けれど、今の会社であろうがこの子に騙されようがブラック企業なのには違いない。
ならば女の子に縁がなかった俺。こんな美少女と一度ご飯を食べるぐらいなら良いだろう。
「分かった。ただし俺の分は俺で払うし、そっちも食い逃げは無しだからな」
それを聞いて謎の美少女は顔を輝かせる。
「はい!はい!勿論です!どこにしますか!私、これでもお金はあるのでどこでも大丈夫ですよ!」
余計に怪しい。なんでこんな子がお金はある、なんて言えるのか。とりあえず近くのファミレスを選択した。
「……うまいな」
注文して出てきたパスタとドリアを食べると、思わず涙ぐみそうになるぐらい美味しい。普段の死んだようなエナドリ生活がどれだけ味がしないかがよく分かる。
「はむっ!はむはむ……!んー、美味しい~!」
一方対面の美少女さんといえば、同じメニューを頼んでそれはそれは美味しそうに食べている。その姿にボーッと見惚れてしまう。
こんな美少女が、本当に純粋無垢な笑顔でご飯を食べている。久々に見た、嘘のない笑顔だ。彼女は本心から美味しいと思っている。
「……?私の顔に何か着いていますか?」
「いや……美味そうに食うな、と思ってな」
素直な感想を伝えると、満面の笑みで答えられる。
「だって!美味しいじゃないですか!美味しいものを美味しく食べずにどうしろって言うんですか!」
「……そう、だな」
美味しいものという概念から離れていた俺には染みる言葉だな、と思いながら残りのパスタを腹に収めた。
二人してドリンクを頼んだ後、話を切り出す。
「それで?転職っていうのはどういう事だ?」
そう切り出すと、彼女は少し真剣な顔になって言葉を紡ぐ。
「私、ルナって言います。
……あ、あの、誤解しないで欲しいのですが、苗字とか、カンジ?とかではなく、ルナ。それが私の名前なんです」
「……?どういうことだ、ルナさん」
苗字でも無い。漢字、という発音も少し違和感があった。どこか現実離れした彼女の話を少し聞くことにする。
「実は、私管理者を探しているんです。ちょっと今、私達の世界で問題が起きていて……」
「ま、待ってくれ。ルナさんの……世界?」
その口ぶりはまるで、異世界から来たかのようではないか。それに動揺しつつ問いかけると頷く。
「実は私達の世界……厳密に言うと、こことは別の世界で困ったことが起きているんです」
「……どんな事だ?」
胡散臭い、と思いながら聞き返す。別の世界なんてある訳が無い。そう思っていた。
次の瞬間までは。
「これを見てください」
ルナさんがパチン、と指を鳴らすと何やら映像が出てくる。
そこに映ったのは人々が乞い願う姿だった。
『お願いします、私たちに雨を……雨を……!』
『お恵みをお与えください、神様……!』
『雲上の神様方……!お供えならば幾らでもします!だから、俺たちに生きる糧をください……!』
「こ、れは……」
枯れかけている大地に、今にも死にそうな色の空。複数出てくるシャボン玉のような映像はどこもかしこも、終焉を迎えそうなものばかりだった。何をどうしたらこんな事になるのか。
「……これが、今の私達の世界です。
私達が暮らす雲上と下界。今までは下界から齎される恵みを管理して、その対価として雨を降らせたり、過度な晴れを防いだり、時に必要な時は風を抑えたりしました。けれど、それを管理する人……『管理者様』がいなくなってしまったことで、私を含む雲上の住人はどうしたらいいか分からなくなってしまったのです」
「ま、待ってくれ。私を含むってことは……ルナさんは……」
その問いに静かに彼女が頷く。
「はい。私は管理者様に最も近かった存在……こちらに言うところの『神様』に当たります。
そうして雲上の皆と話し合った結果、決めたのです。相応しい人を連れてくるしかない、と」
「それで俺に白羽の矢って事か。……でも何でだ?他にも使える人間は沢山いただろうに」
その疑問に、彼女は素直に答えてくれた。
「まず、大前提として私達はこの世界で生きている人を連れ去りたくはありませんでした。しかし、そうせざるを得ない時どうするか。
結果、『死に近い人』、かつ『この世界を嫌う人』を選ぶ事にしました。
ショージさんはその点、バッチリでした。この世界を嫌っていることは分かりきってますし、その生活だと私の目には三日後には急性の病気にかかってそのまま死ぬ未来が見えます」
「…………」
衝撃的な余命宣告に俺は絶句するしかない。
確かに人手不足だからといってあちらこちらで働かされてはいたが、余命三日とは。
「その点、私達の世界は簡単です。
ショージさんは管理者として、恵みを受け取って雲上にいる私を含めた仲間に指示をして、時々地上に降りて崇められながらそれも恵みにするだけ。……お願いします。
私達の世界に、転職してくれませんかっ!」
顔を涙で歪めてお辞儀をする彼女を見て、思う。
本当に、この世界は嫌いだ。ならば異世界の方が良いのでは無いのか、と。
「……待遇は?」
「え?」
「その管理者様、ってやつの待遇はどうなんだ」
その言葉に涙を引かせながら彼女は答える。
「三食、おやつ、夜食!いつだって下界から送られてくる豊富な美味しいものを食べられます!
睡眠時間は夜だって朝だって、何なら昼だって寝ていても問題ありません!指示をくれれば大丈夫です!
後は雲上の整理です!ですが管理者様は指示をしてくれるだけでいいです!あの部分をこうしろ、ああしろと言って寝てもらっても構いません!」
「決まりだな」
そう言って彼女……ルナさんの手を握る。
「俺は君の世界に行くよ。管理者として」
「ほ、ホントですか!……ぅ、うぅっ!うわぁあぁぁん!!!ありがとうございまずぅぅぅ!」
俺の胸で泣きじゃくる彼女をファミレスで宥めながら、心の中で呟いた。
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