兄妹の鎖

猫狐

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兄妹の鎖 四夜

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あれからまた数週間経った。今度は自分が学校に行く日だ。朝早く起きて立ち上がろうとすると、少し肌寒さが襲ってくるとともに横に人肌の温もりを傍に感じた。

(ああ、昨日も希帆と……)

昨日のことを思い出して自分が全裸であることを思い出す。それでも恋人の体温に当たりたくて、壊れ物を扱うようににそっと胸の下あたりに手を回す。
安心する。自分と違う石鹸を使っているのか、いい匂いが漂ってくる。同時に、自分が昨日それを独占したという何にも代えられない満足感がある。
しかしいつまでもこうしているわけにはいかない。希帆を起こさないようにそっと起き上がろうとすると、希帆が身じろぎする。

「ん……おにい、ちゃん……」

耳が蕩けるような声で囁かれて、理性が若干揺れる。それでも今日は登校日だからと軽く唇にキスをして起き上がる。もちろん、希帆の分の着替えは自分の服になったが、用意しないよりましだろう。
服を着てリビングに降りると、まずはベーコンを軽く焼くために冷蔵庫を開けて、賞味期限を確認する。一番近いものを取り出してフライパンに軽く火を通してからベーコンを乗せると、今度は炊飯器で米を炊き始める。
しばらくすると、希帆が眠そうな目を擦りながら降りてくる。

「おにいちゃんおはよ……」
「おはよう、希帆。……あれ、着替えなかったのか?」

希帆の姿は自分のだぼだぼの服を着たままで、自室に戻ってないのがわかる。眠たげな声で彼女が答える。

「だってお兄ちゃんの香りがするから……今日はこれで過ごそうって思って……」
「そ、そっか」

今日は自分が学校のために、どうしても希帆が一人になってしまう。それでも恋人である自分の香りに包まれたいというのは、恥ずかしさよりも理解が先に来てしまってうなずいてしまう。

「わかった。じゃあ今日は自分も希帆の服を着ていこうかな」
「いいよ」
「……え?」

迷いない返事に思わずこっちが戸惑ってしまう。それを確認するようにもう一回希帆が言う。

「私の服、着て行っていいよ。お兄ちゃんは私の恋人なんだって、ほかの女の人にわからせてきて」
「いや、それは……」
「着て行ってほしいの!!」

どうやら寝惚けてはいるが本気で言っているらしい。なら、と頷く。

「わかった。希帆のパーカー借りていくよ。流石に服や下着はサイズが合わないからね」
「うん、そうし……え、あれ?え?下着?」

どうやら寝惚けていたようだ。下着という単語に反応して慌てて希帆の目がパチパチとする。

「え、お兄ちゃん本当に着ていくの!?」
「もちろん。かわいい恋人の頼みだからね。他の女の人に希帆の良い匂いを宣伝してくるよ」

かああ、と希帆の顔が染まる。そんな彼女が可愛らしくて、くすりと笑う。

「お、お兄ちゃん!笑わなくたっていいじゃん!」
「ごめんごめん。希帆がかわいかったから、つい」
「~~~~!!」

俯いてしまった彼女にそっと近づくと、強く抱きしめる。そっと上から包み込むように、けれど力強く。

「おにいちゃん……。寂しい」
「自分だって寂しいよ。でも今日はすぐに帰ってくるから、いい子にして待っていてくれるかな?」

希帆が顔を上げて自分のほうを見つめる。何かを訴えるかのような潤んだ瞳で見つめてくる。

「キスして……」
「いいよ」

自分は即答すると、希帆の口を食む。朝からだとか、夜だからとか関係ない。自分たちは愛を確かめて、愛し合っていたいのだ。

「あ、ん……む……」

ちょっとだけ自分が舌を入れて唇の奥の部分をなぞってあげると、気持ちよさそうな声が聞こえてくる。そこで唇を離すと、とろんとした表情の希帆が見える。
やっぱり可愛い、そう思ったのもつかの間。何かを見て慌てて希帆が叫ぶ。

「お兄ちゃん!!フライパン!フライパン!」
「ん?……あっ!?」

そういえばベーコンを焼いていたのをすっかり忘れていた。焦げてしまったベーコンを見ながら苦笑して、自分の弁当箱に詰め込む。
そこに冷蔵庫から取り出したきゅうりの浅漬け、あとは炊いていた米をいれて弁当はおしまいだ。

「今日は味噌汁私が作る!」
「ありがとう、じゃあ目玉焼き焼くよ」

希帆が嬉しそうに隣に並んで、味噌汁を作り始める。自分も卵を割って、フライパンの上に落とす。
二人で料理することが、どうしてこんなにもうれしく感じられるのか。その理由はわかっていながらも、愛しい恋人の腰をそっと片手で引き寄せながらそう思った。


「それじゃあ行ってきます。帰りはそんなに遅くならないからいい子にして待っていてね」
「うん!行ってらっしゃい!」

家を出る前に元気な声と共に抱擁される。本当はずっと抱きしめていたいが、そんなわけにもいかない。背中をとんとん、と軽くたたいてあげると離してくれた。
学校に着くと、すぐに男友達が寄ってくる。

「あれ?徒知、なんか良い匂いするな」
「ほんとだ!てかそれ女ものじゃね?」

そういわれて、今気づきましたを装うように自分のパーカーを見てびっくりしたように言う。

「やっべ!間違えて妹の着てきちゃった……」

そういうと、男友達が揃って笑う。そこに女友達も混ざって、わちゃわちゃになる。

「わ!ほんとだ!良い匂い~!流石希帆ちゃん!」
「この前のリモートも妹さんの着てたしな!洗濯するときに間違えたか?」
「いや~でもいいな。妹さん、高校一年生だけど美人さんだったもんな~」

家に来たことのある友達は男女関係なく言う。希帆は美人であると。
実際自分もその通りであると思うし、今はそれを誇りに思う。

「まあ贔屓目抜きに見ても希帆は美人だと思うけど……お前ら、妹に手を出すなよ?」
「え~?……いや、やめとくわ。怖い。怖いから斗和。顔が。ガチで保護者みたいな顔してる。妹は嫁にやらん!みたいな」

それを聞いて、そんな顔してた?と無言で女友達の方を振り向くと、うなずかれる。

「いやめっちゃ真剣な顔だった。希帆ちゃん絶対あげないお兄ちゃんみたいな」
「まじか~!」

若干照れながらも、嬉しく言う。それは自分がどれだけ希帆を大事にしているか、それがよくわかるからだ。

「お、講義始まるぞ」
「座ろ座ろ」

皆で席に着くと、午前の講義を受け始めた。寒いから、という理由でパーカーはずっと羽織っていた。本当はずっと希帆をそばに感じたいだけだったのだが。

お昼休憩の時間。いつも食べている面々で集まると友達がひょい、と弁当をのぞき込んでくる。

「あれ?斗和がベーコン焦がしてる。珍しい~」
「まじ?……ほんとだ。料理上手な斗和にしては珍しいね。妹さんのパーカー着てきたのもあるし、今日どうしたの?」

若干ヒヤッとしながらも、言い訳をする。

「多分寝惚けてたんだと思う。ベーコンは焦がすし、パーカーは自分の部屋にあったはずなのに妹のだと気づけないし……いやぁ、今日はやらかしたな」

そういいながらベーコンを食べる。かなりカリカリしているが、食べられなくはない。まだセーフだ。
友達がコンビニ弁当のごはんを飲み込んで言う。

「はえ~。斗和でもそういうことあるんだな。昨日遅くまでなにかやってたとか?」

何か。いや、妹と行為に勤しんでいたのは覚えているがそれを言うことはできないので、あえて別の理由をつける。

「いや、最近やってるゲームの攻略情報調べてたら夜中になっちゃってさ……」
「ああ、それでか。何かわかったか?」
「寝たら全部忘れちったわ!」

なんだよそれ!と皆が笑う中、昨日の行為を思い出して思わず隆起する部分をそっとバッグで隠す。
思い出せば思い出すほど、希帆の嬌声が。恋人が快楽に悶える姿が。もっと、と求める甘い声が脳内で繰り返される。

「……したいな」
「ん?何を?」

女友達に言われてやべ、声に出てしまったと思いながらも修正をかける。

「ゲーム。攻略調べて、しかも忘れちゃったなんて悲しいじゃん!?ゲームしてえよ!」
「ああ~!そういうことね。斗和、すごいオスの顔になってたからそういうことかなって」
「オスの顔って言い方ひどくないか!?てかどういう顔だよ!」

そういうと珍しく男友達の方から少し考えて言われる。

「ん~……なんていうかな。誰かに恋をしてるとか、セックスしたいとか……。斗和はイケメンだから、そういう顔で迫ったら狙ってる女落とせる気がするけどな」
「今のところそういうのには興味ないな……。それ以前に狙ってるって言い方失礼すぎるだろ!せめて恋をしている相手にしてあげろよ~!自分が性欲魔みたいじゃんか!」
「違うのか?」
「一概には否定できないの、お互い同年齢だからわかるだろ……」

それもそうだ!と言った男友達は女友達に無言で引っ叩かれていた。御飯中に何を話しているんだ、ということだろう。

(希帆……)

まだ家から出て数時間しか経っていないはずなのに、希帆が恋しい。早く家に帰って抱き着きたい。元気な声で出迎えてほしい。自分が帰ってきて嬉しそうな表情を、見せてほしい。
そう思いながら、きゅうりの浅漬けを口に押しこんだ。少しだけ、甘い味が混ざったような気がした。

______________________________

「お兄ちゃん、まだかなぁ」

お昼ご飯を一人で食べながらつぶやく。いつもは二人のリビングが、広く感じる。
お兄ちゃんが作り置きしてくれた料理と、自分で作ったおかずをもぐもぐと食べる。

(お兄ちゃん……)

ふと、私が着ている服の匂いを嗅ぐ。
好きな人の香り、早く帰ってきてくれないかと思いながら、昨日のことを思い出す。
すると、我慢ができなくなって片手でお兄ちゃんのぶかぶかの服の香りを嗅ぎながら指を下の割れ目に当てる。

気持ちいい、気持ちいい。くちゅりとパンツの中で鳴る音を聞きながら快楽が襲ってくる。

「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん……!」

我慢ができない。手が止まらない。止めなきゃと思っても、本能がそれを許さない。
ビクッと身体が跳ねて絶頂に達する。パンツが濡れてしまった、と思ったがそれ以上に大変なことに気づいた。

「あ……お兄ちゃんのズボン、濡らしちゃった……!どうしよう!」

やってから後悔が襲ってくる。しかしいい方法が思いつくわけもなく、お兄ちゃんが帰ってきたら素直に話すことにした。


夕方。授業が終わってゲームをしていると、がちゃりと後ろの扉が開く。

「希帆。ただいま」
「あ、おかえりお兄ちゃん!え、えっと……少し、時間、ある……?」

ん?と首をかしげながらも頷いてくれたお兄ちゃんに正直に言う。

「あの、ね。お昼ご飯の時寂しくて、お兄ちゃんの服を嗅いだら……昨日のこと思い出しちゃって……そしたら……お兄ちゃんのズボン、濡らしちゃって……!」

若干恥ずかし泣きをしながら言うと、お兄ちゃんはそっと撫でてくれる。

「……うれしいな」

「えっ……?」

そのまま抱きしめてくれる。私のパーカーを着ている、ずっと着ていたのだろう。私とお兄ちゃんの香りが混ざっている。

「自分も大学に行っている間、ずっと希帆が恋しかったから。希帆が自分がいなくて寂しいと思ってくれて、興奮してくれて……。それで正直に話してくれて、とっても嬉しい」
「お兄ちゃん……」

お兄ちゃんも私のことがずっと恋しかったと聞いて嬉しくなる。すると、お兄ちゃんが荒い息を立てているのがわかった。

「希帆、希帆……」
「お兄ちゃん……いいよ」

そういうとお兄ちゃんはそっと、私を椅子から床に押し倒す。
そのまま唇を重ね、舌がすぐに入ってくる。同時に私の胸も揉まれて、お兄ちゃんが肉食獣になったかのような気持ちになる。
でも嫌ではない。むしろ、全然うれしかった。お兄ちゃんが少しいないだけで私を求めてくれることが悦びに繋がった。
私は手をお兄ちゃんのズボンの中、そしてパンツの中の大きな棒に伸ばす。

「き、ほ……」
「私、だけ、気持ちよくなるのはずるいから……!」

ゆっくりと右手でお兄ちゃんの肉棒を上下に擦る。そのたびにお兄ちゃんが気持ちよくなっているのか、揉む手が強くなったり、私の割れ目に手が来たりとエスカレートしていった。
その分私もお兄ちゃんの肉棒の先を優しく触ったり、カリと呼ばれる場所をそっとなぞったりする。

「希帆、希帆っ……!」
「お兄ちゃん、出して……出して……!」

限界が近づいてきたのか、お兄ちゃんが脱ぎ捨てるようにズボンとパンツを下す。そしてすかさず私が立ち上がって肉棒を口に咥えてカリの部分をなめると、お兄ちゃんがビクッとする。

「~~!!」

しかし私はその状態でもポタ、ポタと愛汁を床に垂らす。お兄ちゃんが指を荒くして、ぐちょぐちょと鳴らす。

「出るっ……!」

そういった直後、私の口の中の肉棒がどくん、どくんと脈打って精液が吐き出される。それと同時に私も絶頂に達して、目をぎゅっと閉じながらねばねばした液体を飲んでいく。

「はぁ、はぁ……」
「ん……」

最後にお兄ちゃんの精液をじゅっと音を立てて吸い切ると、お互い下着を身に着ける。

「ご、ごめん希帆……」
「ううん、謝らないで。嬉しかったから……!」

そういうと、お兄ちゃんが液体のついてない方の手で背中を撫でてくれる。

「今日は一緒にお風呂、入ろっか……」

お兄ちゃんからの甘い声で誘われて、風呂の中でどういうことになるのかを想像して再び濡れながら答える。

「うん、そうしよう……?大好きなお兄ちゃん……」

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