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心変わり
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それから1週間が経ち、ディアスたちの処刑が行われた。
エレオノールはユリウスからそれを伝え聞いた時にディアスへ告げたヴィンセントの言葉が甦った。
(あんな風に言うなんて思わなかった…)
ヴィンセントが変わったのか、それとも自分が変わったのか。
一日中考えあぐねた結果、全く寝付けなかったエレオノールは夜更けに後宮の庭園を散策することにした。
優しい風はしっとりとした空気とほのかに甘い花の香りを運び、体を撫でる度に心地良い。
空では雲がゆっくりと流れ、時折覗く月光がエレオノールの行く先を照らしてくれる。
「またこんな夜中に出歩いているのか?藤の季節はもう終わったぞ?」
振り返れば、ヴィンセントがいた。
夜着を身に纏った彼はいつになく穏やかな表情をしていた。
「…眠れないだけだ」
「俺もだ。…少し話さないか」
月明かりの下、彼らは後宮の東屋に並んで腰を掛けた。
暫くの沈黙の後、ヴィンセントが口を開いた。
「…お前を妻に迎えた時は心底嫌だった」
「何を今更…。俺だってお前を夫にした時は心底不愉快で仕方なかった」
ヴィンセントは手を伸ばし、エレオノールの黒髪に触れた。
「…綺麗だな。黒曜石のように麗しい」
「からかうのはやめろ。お前の悪い癖だ」
「本気だ。…今はあの時とは気持ちが変わってしまったんだ」
エレオノールはユリウスからそれを伝え聞いた時にディアスへ告げたヴィンセントの言葉が甦った。
(あんな風に言うなんて思わなかった…)
ヴィンセントが変わったのか、それとも自分が変わったのか。
一日中考えあぐねた結果、全く寝付けなかったエレオノールは夜更けに後宮の庭園を散策することにした。
優しい風はしっとりとした空気とほのかに甘い花の香りを運び、体を撫でる度に心地良い。
空では雲がゆっくりと流れ、時折覗く月光がエレオノールの行く先を照らしてくれる。
「またこんな夜中に出歩いているのか?藤の季節はもう終わったぞ?」
振り返れば、ヴィンセントがいた。
夜着を身に纏った彼はいつになく穏やかな表情をしていた。
「…眠れないだけだ」
「俺もだ。…少し話さないか」
月明かりの下、彼らは後宮の東屋に並んで腰を掛けた。
暫くの沈黙の後、ヴィンセントが口を開いた。
「…お前を妻に迎えた時は心底嫌だった」
「何を今更…。俺だってお前を夫にした時は心底不愉快で仕方なかった」
ヴィンセントは手を伸ばし、エレオノールの黒髪に触れた。
「…綺麗だな。黒曜石のように麗しい」
「からかうのはやめろ。お前の悪い癖だ」
「本気だ。…今はあの時とは気持ちが変わってしまったんだ」
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