【現代BL短編集】犬猿の仲のアイツが可愛いなんてどうかしている!

明太子

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幕間不意打ちロマンティック【前編】

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「おーい!昨日コンビニで買ってきたプリン、どこやったー!俺のやつー!…もしかして、誰か食べちゃった!?」

部室の隅で百瀬先輩が大声を上げる。
俺は懲りもせず、今日もまた生活能力ゼロの先輩の尻拭いをしている。

「プリンなら冷蔵庫に入ってますよ。ああいう冷蔵が必要な物は出しっぱなしにしないで下さい。最近ただでさえ猛暑が続いているんだから」
「えっ!橘ー、ありがとー!優しいっ!大好き!今から市役所行って結婚しよ!」
「はいはい、分かりましたから。結婚しますから。百瀬先輩は早く台本読んでくださいね」

俺、橘京弥は海雄大学のお笑いサークルに所属する2年生だ。
相方である3年生の百瀬日和先輩はアホで気分屋でどうしようもない。
だけど、明るくて優しくてどこか憎めない。
何より先輩は幕が上がれば誰よりもキラキラと輝く。

だけど、その舞台裏では靴下は常に左右バラバラ。
台本を電車に置き忘れるのは今週だけで8回。
一昨日の朝昼晩ごはんはアイスのみ。

こんな二面性たっぷりな人、他にいるだろうか?

「なぁ、橘。今日の幕間コント、お客さんの反応めっちゃ良かったな?」

俺たちは演劇サークルからの以来で、先程幕間でのコントを終えたばかりだ。

「ウケてました。特に百瀬先輩のアドリブ。最高でした」
「マジ?良かったー!あれ、一瞬台詞飛んじゃったんだよ。でも桐谷の返しもキレッキレだったな!」
「ネタ、あの内容で修正しましょうか」
「そうだな!」
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