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回想、2
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僕の目の前には、父さんと、真っ赤なリボンが几帳面に巻かれた女性の死体。なんて非日常。
なんで死体かわかったのか。簡単だ、首がありえない方向に曲がってたから。
確か僕は驚いたんだと思う。死体が転がってたことよりも、父さんが少し悲しそうに笑ってたことに。
「《 》、誕生日おめでとう。
父さんからのプレゼントだ」
死体を息子に差し出す父親。なんてクレイジー。僕は表情一つ動かさずにそんな風に思ってた。だってあんまりにも現実離れしてる。いつから僕は夢の世界に入り込んでたんだろう。夢って願望を写し出すとかいうけど、こんなプレゼント欲しがってたの、僕。
現実逃避してる僕を見て父さんが口を開いた。
「お前に言わなくてはいけないことがあるんだ。ーー《 》、俺たちは人間じゃない」
ほら、やっぱり。なんて可笑しい。
「人間を栄養源とする、食人種なんだ」
そんなわけないじゃん。開こうとした口が引きつった。ーーなにいってんの、父さん。なんでそれ近づけてくるの。夢でもそういうのやだよ。
身体が石になったように動かなかった。ぴとり、と唇に当たる柔らかい腕。まだほのかな暖かさを残したそれ。生き物の命の残り香。なんてリアルで嫌な夢。
「父さ…」
「食え」
抗議しようと開きかけた唇を割って父さんがそれを中に押し込んだ。思わず口を閉じようとする僕。
ぷつ。ぐにゅり。
口の中に言い得ぬ味が広がる。なんだろう、鉄とかそういうのとは全然違くて、脳天を突き抜けるような感じ。今まで味わったことのないその素晴らしさに無意識のうちに咀嚼してしまう。
ごくん。
嚥下した時に、僕は現実に戻ってきた。頭が冴えわたる。これは夢なんかじゃない。
不思議と力が奥底から湧いてくる感じ。気がつけば目の前の死体から腕が消えていて、白い骨だけが肩から伸びていた。
「食人種は普通の食事からは栄養がほとんど取れない。子供の頃はかろうじて少量の人肉で賄えるけど、大人になったらそうはいかない」
美味しかっただろう?
僕の頭に手を置いて、顔を覗き込んできた父さんの顔は笑ってるのにやっぱり少し悲しそうだった。
なんで死体かわかったのか。簡単だ、首がありえない方向に曲がってたから。
確か僕は驚いたんだと思う。死体が転がってたことよりも、父さんが少し悲しそうに笑ってたことに。
「《 》、誕生日おめでとう。
父さんからのプレゼントだ」
死体を息子に差し出す父親。なんてクレイジー。僕は表情一つ動かさずにそんな風に思ってた。だってあんまりにも現実離れしてる。いつから僕は夢の世界に入り込んでたんだろう。夢って願望を写し出すとかいうけど、こんなプレゼント欲しがってたの、僕。
現実逃避してる僕を見て父さんが口を開いた。
「お前に言わなくてはいけないことがあるんだ。ーー《 》、俺たちは人間じゃない」
ほら、やっぱり。なんて可笑しい。
「人間を栄養源とする、食人種なんだ」
そんなわけないじゃん。開こうとした口が引きつった。ーーなにいってんの、父さん。なんでそれ近づけてくるの。夢でもそういうのやだよ。
身体が石になったように動かなかった。ぴとり、と唇に当たる柔らかい腕。まだほのかな暖かさを残したそれ。生き物の命の残り香。なんてリアルで嫌な夢。
「父さ…」
「食え」
抗議しようと開きかけた唇を割って父さんがそれを中に押し込んだ。思わず口を閉じようとする僕。
ぷつ。ぐにゅり。
口の中に言い得ぬ味が広がる。なんだろう、鉄とかそういうのとは全然違くて、脳天を突き抜けるような感じ。今まで味わったことのないその素晴らしさに無意識のうちに咀嚼してしまう。
ごくん。
嚥下した時に、僕は現実に戻ってきた。頭が冴えわたる。これは夢なんかじゃない。
不思議と力が奥底から湧いてくる感じ。気がつけば目の前の死体から腕が消えていて、白い骨だけが肩から伸びていた。
「食人種は普通の食事からは栄養がほとんど取れない。子供の頃はかろうじて少量の人肉で賄えるけど、大人になったらそうはいかない」
美味しかっただろう?
僕の頭に手を置いて、顔を覗き込んできた父さんの顔は笑ってるのにやっぱり少し悲しそうだった。
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