一九二三年八月三十一日

Y.K

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一九二三年八月三十一日(3)

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帰り道で彼岸花を見つけた。
今年になって初めてだ。

お父さんが亡くなってから、もう一年が経つ。
死んでいなくなるというのは、不思議な感じで、未だに何だか慣れない。
これからもそうかもしれない。
ただ、一つ分かった事があった。
これまで私は、死ぬ、というのは、随分と遠くの世界の事に思われて、改まって意識をする事も無かった。
でもそれは違った。
死は、普段の生活のすぐ隣に存在している。
まるで影の様に、いつもぴったりと貼り付いていていて、ある時、急にぬっと顔を出すのだ。
今はそんな風に考えている。

今度のお彼岸には、おはぎを持って行ってあげようと思う。
甘い物が好きだったお父さんが、特に好んで食べていたお菓子だ。
料理が苦手な私にとっては、美味しいと、人から褒めて貰えた思い出の食べ物でもある。
今、考えると、お父さんは、私を傷つけまいと、ちょっと無理をしていたのかもしれないなあ、と思う。
本当に優しい人だったのだ。

お父さんの様に優しい人に、私もなりたいと思う。
お父さん、もうすぐ私は二十歳になるけれど、まだまだ子供のままの様です。
精進が足りないのかもしれません。

一日一日を、精一杯生きたい。
そう思った。
明日は何をしようか。
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