暗殺者の少女、四大精霊に懐かれる。〜異世界に渡ったので、流浪の旅人になります〜

赤海 梓

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第2章 海を目指して

第23話 別れの挨拶①

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「おはよーみんな」

「おうルミツ、おはよう」

「おはよールミツー」

 モースたちはロイロさんの宿屋にて朝まで看病をしたという。精霊は寝なくてもいいとはいえ、ありがたいと同時に申し訳ない。

「ごめんね? 私だけ休んじゃって」

「そんな事ないですよ主様。僕たちが敵わなかった相手を追い払っただけでも本当にありがたい限りですから」

「そうだよルミツー! ルミツがいなきゃ今頃どうなっていたことやら……。ふぅっ、怖いねぇ……」

「その事は昨日で済んだんだ。今日からはまた普通の日常だ」

「……うん! そうだね!」

 そうだ、いつまでも暗い気持ちに侵されてちゃいけない。

 そうして私も看病にある程度参加するのだった。




 ◇◇◇

 約数時間後。日は空の真上まで上り、僅かに汗ばむ気温であった。

「皆さん、今日までありがとうございました」

 そうして私たちはセイントスクエアから礼を言われる。

「私たちは急ぎ次の箇所へと行かなければなりません。ですがその為に最善を尽くしました。もうこの村がそれぞれで自治することも可能でしょう」

「そっか、ありがとね。えっと……セイントスクエア」

「……ニリー」

「?」

「私の事はニリーとお呼びください。聖女セイントスクエア改め、ニリー=ウォルフォン。以後お見知りおきを」

「……! ニリー! よろしく!」

「ええ。それで、リア様はどちらに?」

「ああ、リアなら神社に行くって……」

「またあそこですか……。好きですね、ホント。それでは皆さん、お元気で」

「うん! ありがとね、ニリー!」

 私は手を振って見送る。それに合わせてニリーも手を振り返してくれた。

「ふぅ、行っちゃったね」

「主様、この1日でまた少し強くなりました?」

「えぇ、そうかなぁ?」

「確かに、ルミツの瞳に更に芯があるように見える。その強さは紛い物ではなさそうだ」

「えぇ?」

 よく分からないことを2人から言われる。昨日は模擬戦くらいしかやってないし、そんなに強くなることはないと思うんだけど……?

「それよりー、私たちはこれからどーするの? 私早く海行きたーい!」

「あははっ、そうだね。それじゃあ皆に挨拶してから今日出発しちゃおうか。皆はそれでいいかな?」

 そんな提案をしたのだが、否定の声を上げたのはモースであった。

「いや、少しだけ待って欲しい。私はギルドマスターに借りを作ってな。少々返させて欲しい」

「そうなの? あのモースから借りを作るなんて、クリアさんもやり手だね」

「ちょっとした事だ。言うほど大層なことではない」

「ま、挨拶も兼ねて会いに行こっか」

「あぁ。2時間程度ギルドマスターの元に置かさせてくれ」

「わかったー。皆はいいよね?」

「うん、別にいいよー」

「大丈夫です」

「よーし、決まり! それじゃあ最初にクリアさんの所に行こうかな!」

「ああ」

 こうして私は別れの挨拶に回るのであった。



 ◇◇◇

「えっ、ルミツさんもう帰っちまうんですかい!?」

 最初にギルドマスターに会いに行こうとギルドへ向かっていると、道中家を貸してくれたあの大男の冒険者と鉢合わせた。

「うん。昨晩は家貸してくれてありがとね。……1部屋だったけど」

「はは、そいつぁすいません。自分はいつも妻と寝てるんで1部屋で充分なんですよ」

「ふーん?」

「そりゃもう毎日抱き合い愛し合」

「はーい黙ってねー」

「ぐへっ!」

 冒険者が後ろから誰かに棒で叩かれる。

「あっ、クリアさん」

「やーやールミツちゃん、おはよー」

 後ろから冒険者を叩いたのはクリアさんだった。大きなほうきを持っている。

「クリア殿、待たせたな」

「あーそーだったそーだった。じゃあ1時間ちょいくらいモース借りてくけどいいよねー?」

「うん、話はモースから既に聞いてるから」

「分かったわー。それよりみんな今日出発するんだってー? さっき聞こえたわよー」

「あっ、はい。そうなんです」

「寂しくなるわねー。ルミツちゃんには色々助けて貰っちゃった」

「えへへ、まぁ普通のことをしたまでですから」

「あら、頼もしいわぁー」

「それじゃあまた、モースの迎えの時に会いましょ」

「えぇ、そうね。モース、こっちよ」

 そしてクリアさんはほうきに乗り、空を飛ぶ。

「!? すごっ……!」

「そうてしょー? 魔道具の空飛ぶほうきよー。それじゃあモース、掴まって」

「ああ」

 そしてモースはクリアさんと一緒に空へと飛ぶ。

「それじゃあ1時間くらいしたら帰ってくるわねー」

「悪いなルミツ。行かせてもらう」

「うん、じゃあギルド前集合ねー」

「ああ」

 そうして2人はどこかへ飛び去って行った。

「行っちゃった……。モースの用事って何か分かる?」

「知らなーい」

「僕も知らないです」

「そっか。まぁいいか。それよりも、えっと……」

「そういや名乗ってませんでしたね。自分ロッツと言います!!」

「ロッツか。いい名前だね」

「へへ、ありがとうございやす」

「それじゃあ今までありがと、ロッツ」

「ええ、こちらこそ世話になりましたぜ」

 そして私たちは握手を交わす。

「兄貴ー! こっち手伝ってくだせぇー!」

「ん? おう!! 悪いな、行かせてもらうわ」

「うん、行ってらっしゃい」

「ええ、皆さん方もお気をつけてください!!」

 そう言い残し、ロッツは走り去っていったのであった。
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