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秘宝と65.5階層
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「え?」
俺は言葉を失っていた。それもそうだ。
「え?確率って全て一定なんだよな?付与魔術師の他に追加ってことは、もう1つの不遇職引くのって50億分の1だよな?え?」
え?
「…」
…。
「おぉぉぉぉぉぉい!!!!なんでだよ!!いや確かに?不遇職も極端に確率ダウンしてる分ここでは確率上がってはいたけど?それでも50億分の1だろうがぁぁぁぁぁあ!!え?なんだこれ!!実は不遇職与えますよっていう代物だったんじゃないだろうな!!おぉぉぉぉおい!!」
なんでやねぇぇぇえん!!!!
いや、え??
「俺もしかして世界で1番不幸だったりする?不遇職2つ持ちとか、酒の肴でもギリギリ笑えんぞ?流石に可哀想が勝ちに勝ちまくるっての!!」
クソたれぇぇぇぇえ!いや気を取り直せって?財宝で不遇職とはいえ職が増えたんだからって?
うるせえよ!!せめて不遇職でもなんでもない5億分の4億9999万9999の確率で引ける別の職業が良かったんじゃバカタレぇぇぇぇぇぇぇえ!!
「いや待てよ?さっき財宝の中に短剣があったはずだ」
そういえば数ある財宝の中でも特に美しかったので記憶に残っている。さっきは短剣かと侮って正直あまり見向きもしなかったが、これはもしかしたらもしかするぞ…?
「よし、この短剣だな」
蒼く輝く短剣。面妖なこの耀きが、心の中の何かを沸き立たせてくる。
《基礎魔術》鑑定
「えーっとなになに?短剣使いのステータスアップ値に特大の補正がかかる、短剣使いの覚えるスキル増加、付与魔術の効果に特大の補正がかかる、ネームド次第で短剣の能力値やスキルの増加、の4つか」
ん?あれ?相当ぶっ壊れ性能か?
これめちゃくちゃ強いんじゃないか?しかも付与魔術への補正がかかるなんて、まさに俺向けの短剣だ。特大という表現は見た事ないが…。
「スキルの範囲が狭いっていうのと、自身への強化が出来ないのが短剣使いのデメリットだ。…あれ?これと組み合わせたら強いんじゃないか?」
これは…!強いぞ!しかも対象が短剣使いだから、数百年に1度ほどしか産まれない不遇職の俺以外に欲しがるやつはいない!
「自分で言っていて悲しいが、でもこれは相当強いぞ…!」
このネームドってのはよく分からないが、この3つで充分の実力を発揮出来るんじゃないか…?
「いやー、現実逃避で今まで他の職業のスキルの概要とか見てこなかったけど、これは相当追いついたんじゃないか?」
1回は絶望したが、もう一生コイツを手放さないと誓ったぞ、俺は。
「そうだ、出口を探してたんだった。っと、すぐそこに扉があるな」
そして俺はその扉を開く。するとそこは、
「…あ」
俺が扉から出た先、そこには溶岩と水源の混在したカオスに溢れる世界が広がっていた。
書物で見たことがある。伝説の勇者が倒れ、異常な量の魔力が散布し、ありえない程の強さの魔物が発生し、住み着いたとされ、今ではその階層を避けて階段が作られたという、かつて封された幻の階層…。
「第65.5階層…」
え?俺今日だけでなんでこんなに運悪いの?
「いや、一旦戻ろうか。もしかしたら、ってあれ?」
別の階層に通じる扉があるかも…なんて抱いた希望も束の間。後ろにあったのはドアではなくただの岩壁であり、押しても引いても何も反応のないその壁に希望はぶち壊されたのであった。
「あーもう意味わからんて!おかしいだろ!!多少幸運もあったけど今日あった不幸と釣り合ってないって!!」
はぁ、クソ…。
いや、別の考え方をするのがこういう時は大事だ。見た目が似てるってだけでもしかしたら65.5階層では無いかもしれない。うん、きっとそうだ。これが俺の一縷の望みだ。そうじゃなかったら本格的に人生詰む。
「そうだ、そう考えるとしよう。そしてうるさくしたらモンスターにバレかねない。ここは静かに、慎重に…」
「ビィィィィイ!!」
「なっ!?」
急いで近くの岩陰に隠れる。
間違いない、あいつはグリフォンだ。
A級モンスターがここに現れているということは、ここはやはり65.5階層なのだろう。
「ビヤァァァァァ!!」
「ぐぅお…!」
なっ!?誰か襲われてる!?誰だ!?同じく66.5階層に紛れ込んでしまった奴がいるってのか!?
「なんでだ!?急にこんな変な場所にワープさせられたかと思えば、グリフォンだと!?」
「お前ら!早く俺を助けろ!!」
「なっ!無理だよリーダー!回避行動入れてくれ!体勢を整える必要がある!」
「うるせえ黙れ!いいからリーダーの言うことを
「ギィィィィア!」
「ぐぁぁっ」
グシャァ
「うわあっ!!」
「リ、リーダー!!」
2匹目!?2匹のグリフォン、それもつがいだ…!あの連携はS級モンスターに該当するって言われてんだぞ!?それを、リーダーという統率を今失ったパーティで何とかなるなんて思えないぞ…!?
「おい!お前が何とかしろ!囮にでもなんでもなれよ!!」
「えっ、私は…」
「早く
「ギィィィィィ!!」
グチャッ
「あっ…ああっ…」
なっ!?シャーナ!?って事はあれはシャーナのパーティだったのか!道理で見覚えがある連中だと…、
って今はそれどころじゃねえ!早く!シャーナを助けてやらないと!
「くっ…」
《葉隠心得》紅葉旋風
「ピギィィィィィ!!」
「だめ、硬すぎて全然手応えがない…!」
「くそが!この役立たず!ならもうお前は早く死んでこい!!命令だ!!」
「ギィィィァァア!!」
「うわぁぁっ!」
グシュゥ
「あっ…ああっ…」
まずい!シャーナのパーティはシャーナ以外全滅だ…!俺が助けなきゃ!まずい!まずい!!
「もう駄目…怖くて足が動かないよ…助けて、クレス…」
動け!動けよ!俺の足!!
「ピギィィィィィ!!」
「ッ」
ガキィン
「…?」
「大丈夫か、シャーナ!!」
「っ~!クレス!」
「ピギャァァァァア!!」
ガシャァン
「あっぶね!」
間一髪でシャーナを抱え、なんとか躱す。
「相手が悪い…!ここは逃げるぞ!シャーナ!」
「あっ…ごめん…足が、動かなくて…」
おいおい嘘だろ?
仕方ない、シャーナを置いてく訳には行かねえ!なんとかグリフォンを追い払うしかない…!
《付与魔術》状態付与・全項目
「クレス…その短剣は…」
「詳しい話は後だ。一旦アイツらを追い払ってるから、お前は岩陰に隠れてろ」
「うん…ごめんね…」
「気にすんな」
そして俺はグリフォンに向かう。
「なんだこれ、今までとは打って変わって異様な動体視力だ…。職業が戦闘向けになるだけでこれだけの動体視力が得られるのか…!」
「ギィィィィィ!!」
「おっと」
どうやら短剣使いにも素早さのステータス上昇率がとても高いらしい。めちゃくちゃ素早く動くことができる。
「とりあえず細かく傷をつけるしかないか」
そして俺は首に切りかかる。
だが、少し傷をつけようとしただけなのに、
「せい!」
スパン
「え?」
首を一太刀で落としてしまった。
「なっ、なんだこの切れ味は…?」
「ビギャァァァァァァァァァアアア!!!」
「おっと」
もう一体が襲いかかってきたが、難なく避ける。そして、
「これは強すぎるんじゃないか?」
《短剣抜刀魔術》凩
目、首、足、胴体と大量の切り込みを入れる。切れ味が良すぎるあまり、全く刃が止まらなかった。
「ギィヤァァァァァァア!!」
バタン
「ふ、ふぅ…やったのか…?この俺が、あのグリフォンを…?」
「あ、クレス…?」
「あ、シャーナ!ああ、グリフォンは倒した!」
「あっと…その、凄いね?2体でS級とも言われてるグリフォンのつがいを、いとも容易く倒しちゃうなんて…」
「ん?どうしたんだよシャーナ。なんだかパッとしない顔してるけど…?」
「…そりゃ、弱いと思ってた幼なじみがこんなに強かったら、だれでも動揺しちゃうよ。それに、仲間が…」
「あぁ、そうだったな」
「人遣いが荒かったけど、結構高給金だったし…」
「お前結構金にがめつい時あるよな」
「へぇぁっ!?いや、ほら、えと、」
「まあとにかく世間話は後だな。まずはこの階層から出なきゃな。というかシャーナはなんでこんな所にいるんだ?」
「それが、私もよくわからなくて…」
彼女がここに来た経緯を俺は聞いた。
俺は言葉を失っていた。それもそうだ。
「え?確率って全て一定なんだよな?付与魔術師の他に追加ってことは、もう1つの不遇職引くのって50億分の1だよな?え?」
え?
「…」
…。
「おぉぉぉぉぉぉい!!!!なんでだよ!!いや確かに?不遇職も極端に確率ダウンしてる分ここでは確率上がってはいたけど?それでも50億分の1だろうがぁぁぁぁぁあ!!え?なんだこれ!!実は不遇職与えますよっていう代物だったんじゃないだろうな!!おぉぉぉぉおい!!」
なんでやねぇぇぇえん!!!!
いや、え??
「俺もしかして世界で1番不幸だったりする?不遇職2つ持ちとか、酒の肴でもギリギリ笑えんぞ?流石に可哀想が勝ちに勝ちまくるっての!!」
クソたれぇぇぇぇえ!いや気を取り直せって?財宝で不遇職とはいえ職が増えたんだからって?
うるせえよ!!せめて不遇職でもなんでもない5億分の4億9999万9999の確率で引ける別の職業が良かったんじゃバカタレぇぇぇぇぇぇぇえ!!
「いや待てよ?さっき財宝の中に短剣があったはずだ」
そういえば数ある財宝の中でも特に美しかったので記憶に残っている。さっきは短剣かと侮って正直あまり見向きもしなかったが、これはもしかしたらもしかするぞ…?
「よし、この短剣だな」
蒼く輝く短剣。面妖なこの耀きが、心の中の何かを沸き立たせてくる。
《基礎魔術》鑑定
「えーっとなになに?短剣使いのステータスアップ値に特大の補正がかかる、短剣使いの覚えるスキル増加、付与魔術の効果に特大の補正がかかる、ネームド次第で短剣の能力値やスキルの増加、の4つか」
ん?あれ?相当ぶっ壊れ性能か?
これめちゃくちゃ強いんじゃないか?しかも付与魔術への補正がかかるなんて、まさに俺向けの短剣だ。特大という表現は見た事ないが…。
「スキルの範囲が狭いっていうのと、自身への強化が出来ないのが短剣使いのデメリットだ。…あれ?これと組み合わせたら強いんじゃないか?」
これは…!強いぞ!しかも対象が短剣使いだから、数百年に1度ほどしか産まれない不遇職の俺以外に欲しがるやつはいない!
「自分で言っていて悲しいが、でもこれは相当強いぞ…!」
このネームドってのはよく分からないが、この3つで充分の実力を発揮出来るんじゃないか…?
「いやー、現実逃避で今まで他の職業のスキルの概要とか見てこなかったけど、これは相当追いついたんじゃないか?」
1回は絶望したが、もう一生コイツを手放さないと誓ったぞ、俺は。
「そうだ、出口を探してたんだった。っと、すぐそこに扉があるな」
そして俺はその扉を開く。するとそこは、
「…あ」
俺が扉から出た先、そこには溶岩と水源の混在したカオスに溢れる世界が広がっていた。
書物で見たことがある。伝説の勇者が倒れ、異常な量の魔力が散布し、ありえない程の強さの魔物が発生し、住み着いたとされ、今ではその階層を避けて階段が作られたという、かつて封された幻の階層…。
「第65.5階層…」
え?俺今日だけでなんでこんなに運悪いの?
「いや、一旦戻ろうか。もしかしたら、ってあれ?」
別の階層に通じる扉があるかも…なんて抱いた希望も束の間。後ろにあったのはドアではなくただの岩壁であり、押しても引いても何も反応のないその壁に希望はぶち壊されたのであった。
「あーもう意味わからんて!おかしいだろ!!多少幸運もあったけど今日あった不幸と釣り合ってないって!!」
はぁ、クソ…。
いや、別の考え方をするのがこういう時は大事だ。見た目が似てるってだけでもしかしたら65.5階層では無いかもしれない。うん、きっとそうだ。これが俺の一縷の望みだ。そうじゃなかったら本格的に人生詰む。
「そうだ、そう考えるとしよう。そしてうるさくしたらモンスターにバレかねない。ここは静かに、慎重に…」
「ビィィィィイ!!」
「なっ!?」
急いで近くの岩陰に隠れる。
間違いない、あいつはグリフォンだ。
A級モンスターがここに現れているということは、ここはやはり65.5階層なのだろう。
「ビヤァァァァァ!!」
「ぐぅお…!」
なっ!?誰か襲われてる!?誰だ!?同じく66.5階層に紛れ込んでしまった奴がいるってのか!?
「なんでだ!?急にこんな変な場所にワープさせられたかと思えば、グリフォンだと!?」
「お前ら!早く俺を助けろ!!」
「なっ!無理だよリーダー!回避行動入れてくれ!体勢を整える必要がある!」
「うるせえ黙れ!いいからリーダーの言うことを
「ギィィィィア!」
「ぐぁぁっ」
グシャァ
「うわあっ!!」
「リ、リーダー!!」
2匹目!?2匹のグリフォン、それもつがいだ…!あの連携はS級モンスターに該当するって言われてんだぞ!?それを、リーダーという統率を今失ったパーティで何とかなるなんて思えないぞ…!?
「おい!お前が何とかしろ!囮にでもなんでもなれよ!!」
「えっ、私は…」
「早く
「ギィィィィィ!!」
グチャッ
「あっ…ああっ…」
なっ!?シャーナ!?って事はあれはシャーナのパーティだったのか!道理で見覚えがある連中だと…、
って今はそれどころじゃねえ!早く!シャーナを助けてやらないと!
「くっ…」
《葉隠心得》紅葉旋風
「ピギィィィィィ!!」
「だめ、硬すぎて全然手応えがない…!」
「くそが!この役立たず!ならもうお前は早く死んでこい!!命令だ!!」
「ギィィィァァア!!」
「うわぁぁっ!」
グシュゥ
「あっ…ああっ…」
まずい!シャーナのパーティはシャーナ以外全滅だ…!俺が助けなきゃ!まずい!まずい!!
「もう駄目…怖くて足が動かないよ…助けて、クレス…」
動け!動けよ!俺の足!!
「ピギィィィィィ!!」
「ッ」
ガキィン
「…?」
「大丈夫か、シャーナ!!」
「っ~!クレス!」
「ピギャァァァァア!!」
ガシャァン
「あっぶね!」
間一髪でシャーナを抱え、なんとか躱す。
「相手が悪い…!ここは逃げるぞ!シャーナ!」
「あっ…ごめん…足が、動かなくて…」
おいおい嘘だろ?
仕方ない、シャーナを置いてく訳には行かねえ!なんとかグリフォンを追い払うしかない…!
《付与魔術》状態付与・全項目
「クレス…その短剣は…」
「詳しい話は後だ。一旦アイツらを追い払ってるから、お前は岩陰に隠れてろ」
「うん…ごめんね…」
「気にすんな」
そして俺はグリフォンに向かう。
「なんだこれ、今までとは打って変わって異様な動体視力だ…。職業が戦闘向けになるだけでこれだけの動体視力が得られるのか…!」
「ギィィィィィ!!」
「おっと」
どうやら短剣使いにも素早さのステータス上昇率がとても高いらしい。めちゃくちゃ素早く動くことができる。
「とりあえず細かく傷をつけるしかないか」
そして俺は首に切りかかる。
だが、少し傷をつけようとしただけなのに、
「せい!」
スパン
「え?」
首を一太刀で落としてしまった。
「なっ、なんだこの切れ味は…?」
「ビギャァァァァァァァァァアアア!!!」
「おっと」
もう一体が襲いかかってきたが、難なく避ける。そして、
「これは強すぎるんじゃないか?」
《短剣抜刀魔術》凩
目、首、足、胴体と大量の切り込みを入れる。切れ味が良すぎるあまり、全く刃が止まらなかった。
「ギィヤァァァァァァア!!」
バタン
「ふ、ふぅ…やったのか…?この俺が、あのグリフォンを…?」
「あ、クレス…?」
「あ、シャーナ!ああ、グリフォンは倒した!」
「あっと…その、凄いね?2体でS級とも言われてるグリフォンのつがいを、いとも容易く倒しちゃうなんて…」
「ん?どうしたんだよシャーナ。なんだかパッとしない顔してるけど…?」
「…そりゃ、弱いと思ってた幼なじみがこんなに強かったら、だれでも動揺しちゃうよ。それに、仲間が…」
「あぁ、そうだったな」
「人遣いが荒かったけど、結構高給金だったし…」
「お前結構金にがめつい時あるよな」
「へぇぁっ!?いや、ほら、えと、」
「まあとにかく世間話は後だな。まずはこの階層から出なきゃな。というかシャーナはなんでこんな所にいるんだ?」
「それが、私もよくわからなくて…」
彼女がここに来た経緯を俺は聞いた。
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