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第1部 星霊隊結成
第8話(6)救いの手
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「相変わらず数だけは多い。好都合だ」
「あ、あなたは…?」
右手に握った刀を振い直す、そのロングコートの男に、すみれは尋ねる。男はわずかに振り向くと、傷のついたその顔で、すみれに小さく名乗った。
「東雲幸紀」
「シネェエエァア!!」
名乗った幸紀に対し、背後から複数の悪魔がまとめて襲いかかってくる。しかし幸紀は眉ひとつ動かさずにそちらに向き直ると、たったひと振りでその悪魔たちを斬り捨てた。
それでも幸紀とすみれの目の前にはまだまだ無数の悪魔たちがいる。だが幸紀は全く気にせず、その悪魔たちの中へ突っ込み始めた。
「待って!」
すみれが声をあげるのも虚しく、幸紀は悪魔たちの中に刀を振るって斬り捨てながら駆け込む。数で勝る悪魔軍は、すぐさま幸紀に対して円を作るように囲んだが、悪魔たちが襲い掛かっても幸紀をかすめることすらできず、逆に黒い煙に変えられていく。
(すごい…強い…!私たちがどうしようもなかった、あんな数の悪魔たちが…次々に…!!)
すみれにとっては信じられない光景だった。自分の願望を載せた夢を見ているような、そんな錯覚すら感じられた。しかし、幸紀が刀を振うたびに聞こえる悪魔の悲鳴と、漂う黒い煙に、現実であることを確認できた。
「ふん、もう少し手応えのあるやつはいないのか」
囲まれるのにも飽きてきた幸紀は、自分を囲んでいた悪魔による円陣の一部を無理やり蹴散らし、円陣の外に出る。
そして、自分に向かって一直線になって迫ってくる悪魔たちの列を見ると、刀を地面に突き立てた。
「『乾坤葬(けんこんそう)』」
幸紀が小さく呟くと、刀から霊力が迸り、悪魔たちのいる地面に光が走る。次の瞬間、地面が光の形に沿って真っ二つに割れていき、悪魔たちは割れた地面の中にへと吸い込まれていくのだった。
「ギャァアァ!!!」
校庭を出て通常の道路の上にまでいた悪魔たちも、吸い込まれて地面の中に落ちていく。逃げようとした悪魔たちすらも絶対に逃さないと言わんばかりに光は追いかけ、地面を割り、悪魔を地面に吸い込んだ。
「寝てろ」
幸紀はそう言い捨てると、刀を地面から抜く。その瞬間、割れていた地面が元の形に塞がり、その場にいたすべての悪魔たちが地面の中に沈んでいった。
「造作もない」
幸紀はそう呟くと、左手に鞘を発現させ、その中に刀を納める。そうして振り向くと、裏門の方へと歩き出した。
「ま、待ってください…!」
すみれは幸紀の背中に声をかける。幸紀は足を止めず、肩越しにすみれに話しかけた。
「急げ。裏門にお前の知り合いが待っているぞ」
「私の…?まさか…!」
「わかったなら行くぞ」
幸紀はそれだけ言うと、すみれの先を早歩きで進んでいく。すみれは幸紀の後に続いて小走りでついていき始めた。
その頃 裏門
望、心愛、紫黄里の3人は、大勢の生徒たちの先頭を歩いて裏門にやってきていた。
こちらにはまだ大岩のバリケードが存在しており、望は岩の前に立つと、武器である長棒を岩に向けた。
「岩を下げるよ」
望はそう言うと、岩に向けて霊力を放つ。すると、徐々に大岩が地面に沈み、裏門である引き戸が姿を現したが、同時に、その門の向こう側には、無数の悪魔たちがいた。
「…!」
「みんな下がって!!」
望が言葉を失い、心愛は他の生徒たちに指示を出す。望と心愛と紫黄里の3人は武器を構え、門の向こうにいる悪魔たちと向かい合った。
「すみれちゃん…引きつけきれなかったんだ…」
紫黄里は小さく呟く。そうしているうちに、悪魔たちが門に向けて走り始めた。
悪魔たちが門に差し掛かろうとしたその瞬間、突如として彼女たちの視界の横からバスが走ってやってくると、先頭の悪魔を轢き、黒い煙に変えた。
「えっ?」
突然の出来事に、その場にいた全員が言葉を失っていると、直後、バスの中から銃弾、氷柱、風、弓矢に気弾といった霊力による攻撃の弾幕が、悪魔たちの群れに向けて放たれ始めた。
次々と悪魔たちの悲鳴が上がっていると、その間にバスからふたり、女性が降りてくると、裏門を開けて望たちの前に現れた。
「ま、まさか…!」
「望!心愛!紫黄里!」
門を開けた女性、深緑色の髪に赤いメガネをかけた、四葉が、同じ生徒会の仲間たちの名前を呼んで手を振る。
二度と会えないと思っていた仲間の顔を見られた3人は、思わず声を上げていた。
「四葉!四葉!!」
「ごめんね!遅くなって!!助けに来たよ!!」
四葉は望たち3人のそばにやってくると、思わず抱き合う。それをよそに、四葉とともにここにやってきた璃子が尋ねた。
「感動の再会中申し訳ないけど、怪我人はいないかしら」
「大丈夫です、いません」
「よかったぁ!」
「あ、でも、すみれちゃんが…!」
望の報告を聞くと四葉は安堵の声を上げる。すぐに心愛が思い出したように呟くが、四葉は首を横に振った。
「すみれは大丈夫!」
「え?でも、とんでもない数に囲まれてひとりで…!」
「ひとりじゃ、なかったよ」
望が言葉を返すと、横から声が聞こえてくる。望たちが振り向くと、そこにはすみれが歩いてきており、すみれの横には、幸紀が歩いていた。
「すみれちゃん…!無事だったんだ…!!よかった…!」
心愛が思わず声を上げると、すみれは微笑みながら頷く。そして、すみれは隣にいる幸紀を見上げて話した。
「幸紀さんが助けてくれたんだ。本当に、ありがとうございました、幸紀さん」
「ありがとうございます!」
すみれが幸紀に礼を言うと、他のメンバーたちも礼を言う。しかし幸紀は明るい表情をしなかった。
「まだだ。向こうの奴らを片付ける」
幸紀はそう言うと、自分の脚に霊力を込め、空高く飛び上がり、悪魔たちの群れの頭上に跳躍する。
そして、刀に霊力を込めると、地上にいる悪魔たちを見下ろした。
「『滅魔弾(めつまだん)』」
幸紀は技の名前を言うと、数メートル程度の大きさの衝撃波を、地面に向けて放つ。
悪魔たちはそのとき初めて幸紀の攻撃に気がつくと、その時にはもうすでに遅く、衝撃波は地面に直撃し、その場に残っていた悪魔たちをすべて黒い煙に変えた。
幸紀はそのまま悪魔たちがいた場所に着地する。悪魔は全ていなくなっており、幸紀は刀を鞘に納め、星霊隊のメンバーたちが乗っているバスへと歩いて行った。
「あ、あなたは…?」
右手に握った刀を振い直す、そのロングコートの男に、すみれは尋ねる。男はわずかに振り向くと、傷のついたその顔で、すみれに小さく名乗った。
「東雲幸紀」
「シネェエエァア!!」
名乗った幸紀に対し、背後から複数の悪魔がまとめて襲いかかってくる。しかし幸紀は眉ひとつ動かさずにそちらに向き直ると、たったひと振りでその悪魔たちを斬り捨てた。
それでも幸紀とすみれの目の前にはまだまだ無数の悪魔たちがいる。だが幸紀は全く気にせず、その悪魔たちの中へ突っ込み始めた。
「待って!」
すみれが声をあげるのも虚しく、幸紀は悪魔たちの中に刀を振るって斬り捨てながら駆け込む。数で勝る悪魔軍は、すぐさま幸紀に対して円を作るように囲んだが、悪魔たちが襲い掛かっても幸紀をかすめることすらできず、逆に黒い煙に変えられていく。
(すごい…強い…!私たちがどうしようもなかった、あんな数の悪魔たちが…次々に…!!)
すみれにとっては信じられない光景だった。自分の願望を載せた夢を見ているような、そんな錯覚すら感じられた。しかし、幸紀が刀を振うたびに聞こえる悪魔の悲鳴と、漂う黒い煙に、現実であることを確認できた。
「ふん、もう少し手応えのあるやつはいないのか」
囲まれるのにも飽きてきた幸紀は、自分を囲んでいた悪魔による円陣の一部を無理やり蹴散らし、円陣の外に出る。
そして、自分に向かって一直線になって迫ってくる悪魔たちの列を見ると、刀を地面に突き立てた。
「『乾坤葬(けんこんそう)』」
幸紀が小さく呟くと、刀から霊力が迸り、悪魔たちのいる地面に光が走る。次の瞬間、地面が光の形に沿って真っ二つに割れていき、悪魔たちは割れた地面の中にへと吸い込まれていくのだった。
「ギャァアァ!!!」
校庭を出て通常の道路の上にまでいた悪魔たちも、吸い込まれて地面の中に落ちていく。逃げようとした悪魔たちすらも絶対に逃さないと言わんばかりに光は追いかけ、地面を割り、悪魔を地面に吸い込んだ。
「寝てろ」
幸紀はそう言い捨てると、刀を地面から抜く。その瞬間、割れていた地面が元の形に塞がり、その場にいたすべての悪魔たちが地面の中に沈んでいった。
「造作もない」
幸紀はそう呟くと、左手に鞘を発現させ、その中に刀を納める。そうして振り向くと、裏門の方へと歩き出した。
「ま、待ってください…!」
すみれは幸紀の背中に声をかける。幸紀は足を止めず、肩越しにすみれに話しかけた。
「急げ。裏門にお前の知り合いが待っているぞ」
「私の…?まさか…!」
「わかったなら行くぞ」
幸紀はそれだけ言うと、すみれの先を早歩きで進んでいく。すみれは幸紀の後に続いて小走りでついていき始めた。
その頃 裏門
望、心愛、紫黄里の3人は、大勢の生徒たちの先頭を歩いて裏門にやってきていた。
こちらにはまだ大岩のバリケードが存在しており、望は岩の前に立つと、武器である長棒を岩に向けた。
「岩を下げるよ」
望はそう言うと、岩に向けて霊力を放つ。すると、徐々に大岩が地面に沈み、裏門である引き戸が姿を現したが、同時に、その門の向こう側には、無数の悪魔たちがいた。
「…!」
「みんな下がって!!」
望が言葉を失い、心愛は他の生徒たちに指示を出す。望と心愛と紫黄里の3人は武器を構え、門の向こうにいる悪魔たちと向かい合った。
「すみれちゃん…引きつけきれなかったんだ…」
紫黄里は小さく呟く。そうしているうちに、悪魔たちが門に向けて走り始めた。
悪魔たちが門に差し掛かろうとしたその瞬間、突如として彼女たちの視界の横からバスが走ってやってくると、先頭の悪魔を轢き、黒い煙に変えた。
「えっ?」
突然の出来事に、その場にいた全員が言葉を失っていると、直後、バスの中から銃弾、氷柱、風、弓矢に気弾といった霊力による攻撃の弾幕が、悪魔たちの群れに向けて放たれ始めた。
次々と悪魔たちの悲鳴が上がっていると、その間にバスからふたり、女性が降りてくると、裏門を開けて望たちの前に現れた。
「ま、まさか…!」
「望!心愛!紫黄里!」
門を開けた女性、深緑色の髪に赤いメガネをかけた、四葉が、同じ生徒会の仲間たちの名前を呼んで手を振る。
二度と会えないと思っていた仲間の顔を見られた3人は、思わず声を上げていた。
「四葉!四葉!!」
「ごめんね!遅くなって!!助けに来たよ!!」
四葉は望たち3人のそばにやってくると、思わず抱き合う。それをよそに、四葉とともにここにやってきた璃子が尋ねた。
「感動の再会中申し訳ないけど、怪我人はいないかしら」
「大丈夫です、いません」
「よかったぁ!」
「あ、でも、すみれちゃんが…!」
望の報告を聞くと四葉は安堵の声を上げる。すぐに心愛が思い出したように呟くが、四葉は首を横に振った。
「すみれは大丈夫!」
「え?でも、とんでもない数に囲まれてひとりで…!」
「ひとりじゃ、なかったよ」
望が言葉を返すと、横から声が聞こえてくる。望たちが振り向くと、そこにはすみれが歩いてきており、すみれの横には、幸紀が歩いていた。
「すみれちゃん…!無事だったんだ…!!よかった…!」
心愛が思わず声を上げると、すみれは微笑みながら頷く。そして、すみれは隣にいる幸紀を見上げて話した。
「幸紀さんが助けてくれたんだ。本当に、ありがとうございました、幸紀さん」
「ありがとうございます!」
すみれが幸紀に礼を言うと、他のメンバーたちも礼を言う。しかし幸紀は明るい表情をしなかった。
「まだだ。向こうの奴らを片付ける」
幸紀はそう言うと、自分の脚に霊力を込め、空高く飛び上がり、悪魔たちの群れの頭上に跳躍する。
そして、刀に霊力を込めると、地上にいる悪魔たちを見下ろした。
「『滅魔弾(めつまだん)』」
幸紀は技の名前を言うと、数メートル程度の大きさの衝撃波を、地面に向けて放つ。
悪魔たちはそのとき初めて幸紀の攻撃に気がつくと、その時にはもうすでに遅く、衝撃波は地面に直撃し、その場に残っていた悪魔たちをすべて黒い煙に変えた。
幸紀はそのまま悪魔たちがいた場所に着地する。悪魔は全ていなくなっており、幸紀は刀を鞘に納め、星霊隊のメンバーたちが乗っているバスへと歩いて行った。
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