乙女ゲームの余り物たちと結婚させられるために異世界から召喚されました

そいみるくてぃー

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「ごめんなさい。助けてあげられなくてごめんなさい」

ノアが泣きそうな顔で言ってきた。別にノアには怒ってないのに。あたしが怒ってるのはこの拷問かと思うようなコルセット締めだ。綺麗な顔してるけど締めてくるこいつは男だ。力考えてマジ。

「大丈夫だよ」
「じゃあもう少し気合いを入れて締めますよ」
「ちがっ!うえっ、ノアに言ったの。コルセットが大丈夫じゃないから!」

紐。忌まわしき紐。拷問器具に認定する。テーブルに手をついているけどそれでもヤバイ。内臓の位置絶対変わってる

「手握っててもいいよ」
「爪差しちゃうかも」
「それでもいい。ミズキだけ苦しいのかわいそうだもん」
「ノア…なんて優しい、っ!!!!ミシェルもう無理!」
「あと、少し、ですから」

男が必死に引っ張って締めるのはもはやコルセットではない。拷問器具だ。結婚式のドレスはここまで締めないやつにしてもらう。絶対に、絶対にだ。

「やばっ、ほそっ」

全身鏡をみて引く。なにこのウエスト。内臓消えたんじゃないかくらい細かった。あたしの内臓は?
リアルにボンキュッだった。おしりがたいして盛れてないのは内臓はお尻にはいかなかった証拠だと思う。内臓はどこへ?

「コルセットがなくてもお綺麗な体でしたが、やはり本気でコルセットを締めると本当に魅力的ですね」

いつのまにかいたジョエルが満足そうに見ている。これほどいたら1.5倍くらいになるけど。
ノアは盛られまくったおっぱいにしか目がいってない。そうだよね、男の子だもん。欲望に忠実だよね。あたしも自分でビビってるくらいだから。

「旦那様方ですからその格好でも結構ですけど、普通駄目ですからね」

ミシェルに言われたあたしの格好はコルセットにドロワーズのみ。いわゆる下着だ。いつも着けてる下着より全然布多いし寧ろ服より露出少ないから気にならない。この世界じゃ異常なんだろうけど。
そんなミシェルは王子様の身支度があるからと一旦出ていった。王子様の支度なんていい年なんだから自分でできるだろと言いたいけど、きっとジョエルもノアもこの正装と髪は誰かにやってもらったんだろうなって思うと言えなかった。貴族はんぱねぇ

「お茶は…のめる?」
「微妙。骨のところで紐締めてるからいけるんだろうけど、本番に吐かない自信ない」

せっかくティーポットに3人分用意してくれたノアには申し訳ないが醜態を晒したくない

「革だから馴染みますし慣れてきたら大丈夫ですよ。ミズキのことだから会場でお酒に口をつけないのも無理でしょうから」

ノアの淹れてくれたお茶を優雅に飲みながらジョエルは言う。革だからなじむ?言ったな?信じるからな
それにしても正装の男2人とコルセットにドロワーズの女がテーブルを囲むなんて端からみたらマジやばい集団。しかも3人で夫婦なんだからウケる

「ノアもジョエルもさ、なんか思い付きで旦那さんに選んでごめんね」

こんな場でなければ言えないと思った。好き、愛してるって言ってくれるけど出会ってすぐ夫に選んでしまった2人には言いたかったの。普通さー、恋して両親に会ってからじゃん?ジョエルのパパには会ったけどなんか紹介ってかんじでもなかったし。どうしよう嫁姑問題とかに発展したら

「なんでそんな言い方するんですか?やっぱり僕じゃ駄目でしたか?」
「え?そんなことないよ!ごめん、ノアごめん」

ノアはへこんでるけどジョエルは怒ってる。絶対怒ってる。顔みれない。

「言いたかっただけ!ごめん。二人とも大好きだから、ね?ごめんね」
「そもそも殿下達がミズキの荷物を勝手に開けなければノアとあの3人が夫だったのですから。その思い付きには私が一番恩恵を受けていますよ。独り身でいる予定がこんなに素敵な妻を迎えられたんですから」

そうだ忘れてた。あたし買ったばっかりのキャリーケース破壊されてるんだった。しかも下着広げられてたし。
ロランとミシェルは手紙でも直接でも謝ってくれたけどあの王子様は一言も謝ってない。は?王子様って謝ったら死ぬの?なんかムカムカしてくる。タイプの顔だとしてもムカつく。

「そうだよ。あいつら人のもの壊してるじゃん!閉まらないから!あれここに落ちてくる前に買ったばっかりだったのに。休みとって旅行行こうかなとか考えてたからね?」

折角買ったしどこに旅行いこうかな、海外?パスポート取りにいかなきゃとか考えてたのに。そもそも海外みたいなとこ来ちゃったけど。旅行?これ旅行?ドレス着ておいしいもの食べていい男侍らせてるから旅行みたいなもんだわ。その侍らせてる男が夫っていうのも謎だけど。

コルセットは少しずつ馴染んできたし、まだドレス着ないからって淹れてくれたお茶飲んで3人でお喋りする。穏やか。マジ平和だし幸せ。
でもそんなに幸せなのは長くは続かない。二人とも仕事があるからと戻ってきたミシェルと入れ替わりで部屋から出ていってしまった。扉(もうここは玄関。シューズボックスとかないけど玄関)まで見送ってちゅーしてバイバイ。あーもう早く終わってくれないかな御披露目。





「ちょっと、執事はなにしてくれちゃったのよ」

ルネさんが怒ってる。もはや寝不足なのか疲労なのかどんどん口調も荒くなってきている。そろそろ素がでますよとファヴォリの方が教えてくれた。

「コルセットを締めただけですが」
「ここまで気合いいれて締めるなんて思わないわよ。最初から細いんだからある程度でいいじゃない、なんでこんな本気で絞めたのよ」
「ミズキ様が一番お美しくみえるようにしただけですが」
「程度ってもんがあるわ。あー、こっちの失敗よ。仮縫いから貴方に立ち会ってもらわかなったのが悪かったわ」

額に手をあてて盛大なため息をついたあと、手首にピンクッションをつけてウエストの直しをはじめた。

「もう夜会に出るのは諦めるわ…妻の素敵な姿を目に焼き付けたかったけど仕方ないわよ。眼精疲労と寝不足には勝てないのよ」

奥様は妊娠中だが、つわりも落ち着きあと少しで臨月ということでマタニティドレスを仕立てたらしい。
ウエストなんて一ヶ所摘まめばいいじゃんって言ったら針刺された。ひどい。魔術でやればと言ったミシェルも刺されてた。魔術は使わないらしい。

「そういえば執事様は?ミズキ様とご婚約は決まったの?」
「いいえ。婚約はいきなりは無理とのことだったのでまずは交際から申し込んでいます」
「ミズキ様もお受けしたらいいのに。身の回りのことはすべてやってくれるし嫌いではないんでしょう?」
「イヤって言うか最初にカバン破壊されて下着広げられてたから無理」

あんな紐は下着だとは思わないとか言われたけど、あたしは股間に穴があいてるこのドロワーズのほうがよっぽどヤバイと思う。パンタレットのほうがいいと言ったけどドロワーズのほうが幼さがあっていいとジョエルに言われた。え?ジョエルってなにかしら幼趣味とかあるのかな?確認しておかなきゃまずいよね?でも股が開いてるからセックスしやすいとかそんな理由な気もしなくない。だから下にTバック穿いている。

「ミズキ様はそれを気にしてらしたんですね。あれは殿下のせいではありませんよ。陛下の指示で殿下と私達がやったことですから」

初耳!めっちゃ初耳。王子様のせいじゃなくて王様のせいなの?え?マジ頭追い付かないんだけど

「なら貴方にも可能性があるわね。ほらミズキ様、驚くのも無理はないけど、あなたあと少しで国の貴族という貴族の前に立たなくちゃならないんだからもっとシャキっとなさい」

あいつのせいでって思ってたことが実は違う人が原因なんてマジ寝耳に水的なかんじなんですけど。なんとかの霹靂?王子様達のせいじゃなかったってこと?
え?じゃああの王様なんで謝らないわけ?は???





    
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