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しおりを挟む起きたらマジでノアがいなかった。え?ほんといないの?
新婚旅行じゃないの?え?
「転移でいつでも戻れますから。ちょっと厄介事を片付けたらすぐ戻ってきますよ」
「なにそれ!新婚旅行なのに!?」
「まぁ…ノアの上官達から言われていますから」
「ノアが一番魔術使えるのに?ほんとここの人達っておかしいよね、なんでノアに対してあんな偉そうなの?ほんとおかしい」
「あんの偉そうなジジイ達め、ジョエルのパパに言って何とかしてもらいたいくらいっ!」
「…宰相ではなく陛下や魔術師団長達でなければ言うことは聞かないでしょうね」
ジョエルもひどくない?ノアかわいそうとか思わないわけ?って叫びたかったけど朝っぱらから揉めたくないし飲み込んだ。こっち来てから大人になったんじゃない?あたし。
「ロランのパパもダメ?」
「えぇ…騎士団と魔術師団は、どうも…」
「そっか…わかった」
すっごい無力。異世界の花嫁だって持て囃されてたけど夫一人守れないちょーだめだめな妻。ノアもジョエルも尽くしてくれるけどあたし何ができるんだろう。おじいちゃん達と楽しく本読んでるのが仕事だよ?古文とかいってるけどありおりはべり的なのもそのまま読めばおじいちゃん達現代語訳してくれるからマジスマホの翻訳機みたいなもんだからキャリアウーマンじゃない。
新婚旅行なのに今日のノア、ジョエルもちょくちょく城に戻ってるのがわかったショッキングな朝だった。
*****
「みてよこれ!」
新婚旅行中なのに夜会に参加させられ微妙なテンションな日の朝刊の見出しが
『異世界の花嫁、夫二人はカモフラージュでやはり第3王子と婚姻か!?』
加工ソフト使った?っていいたくなる悪意のあるツーショットが今日の一面だった。
昨夜のパーティーのこの場には別の人もいたし、主賓?から挨拶されたときに一緒に写真を撮ってくれって位置指定までされたやつだ。その主賓とグルじゃん写真撮ったやつ。
「いいんじゃない?ミズキかわいいよ」
「えぇ。可愛らしく撮れてますよ」
「確かに盛れてるけど!ちがーうっ!なにこれ、あたしが不倫してるみたいじゃん」
こんなに大好きな夫が二人もいるのに不倫女みたいじゃん。しかも王族。マジやべぇやつだよ
「それよりこっちこっち。兵舎で回ってたよ」
妻の悪意ある合成?加工?写真が朝刊に載ったというのにノアが目の前に出してきたのは雑誌。新聞じゃなくて雑誌もあるんじゃんと思ったら表紙からドン引きだった。
「なにこれ!?あたしじゃん!」
自分とジョエルのキスショットが表紙なんて驚きだった。中身もびっくり、盗撮だらけ。部屋着(この世界に来る前の服)で部屋の扉から出て立ち話してる姿とか、廊下でノアかジョエルとキスしてるところとかパーティーの盗撮まで。どれもこの世界にしては露出多めだったりのものばかりだから扱いとしてはエロ本。まさかエロ本で大々的に特集される日がくるとは驚き。AV女優でもないのに人気の娼婦さん達と並んで載ってる。
この前娼館飲みしたときは入るところも出るところも撮られて『夫と夫候補を交えて娼館乱交パーティー』ってとんでも見出しで書かれてたしそろそろ正式に抗議に行こうと思う。
ちがうし、キャバクラごっこして飲んでただけだし。このエロ本も大衆紙と同じ出版社ってところが頭にくる。雑誌に載せるならギャラくれギャラ。しかも自分の夫の職場で妻のエロ本が回されてるとかノアもかわいそう
「とりあえず盗撮されすぎじゃない?部屋の扉見えるとこまでカメラはいってるの?」
「これは…調べますね。近衛の誰かの仕業でしょうけれど。どうせ記者から小銭を渡されて撮ったんでしょうね…処分はロランに任せましょうか、一緒に写っているものもありますから上官も売ったことになりますし」
上官盗撮してお金稼ぎとか近衛兵って王家に忠誠誓って城の警備とかしてるんじゃないの?警備がザルじゃん。でもあたし王家の人間じゃないし護衛対象じゃない系?
「ってかそもそも乱交してないし」
「え?まだそこなの怒るところ」
「こっち来る前に働いてたときはもっととんでもない格好で店のSNSとかあげられてたから別にいいんだけどさ、乱交はよくないって。ノアとジョエルの家族に申し訳ない」
いきなり現れた嫁が王族と娼婦と乱パしてるとか頭抱えるわ。ジョエルのお父さんさいしょーだし。さいしょーってあれ?総理大臣的な?首相?首席宰相だっけ?そーりだいじん。ノアのパパは学校の先生。公務員じゃん。その嫁が…
「うちはなんとも思いませんよ」
「うちも。むしろしてても笑ってくれると思う。ハーレムの一員になれたんだなって」
「ハーレムじゃないし!」
ハーレムってあれでしょ?石油王みたいな人にお姉さん何人ものやつ。この世界じゃ女の数が極端に少ないからハーレムって逆ハーレムのことなんだろうけど
「まぁミズキにはまだ夫は二人ですから少ない方ですよ」
「あー…うん」
この前の夜会には何人引き連れてるんだって奥様がいらっしゃった。コレクション呼ばわりしててドン引きだったけど、旦那様達も普通に他の子口説いてて引いた。色んな夫婦の形があるんだろうけど引いた。
「とにかく!ハーレムは築かないしノアとジョエルで十分!」
「ロランとミシェルはどうするんです?恋人なのでしょう?」
忘れてた。結構本気で忘れてた。そうだ、半ば脅しで付き合ってたし、たまにキスされるくらいで何も変わらないから本当に忘れてた。
「ミズキ忘れてたでしょ」
「いや、う、うん。うん。」
「呪いを解くためにもロランとは早めにと侯爵夫人にも言われたでしょう?」
侯爵夫人はこの世界でも数少ない親しくさせてもらっている女性。あのルネさんの奥様だ。魔女って呼ばれてるらしいんだけど魔女感ないし可愛いママってかんじなのに「愛のある性交渉でこの呪いも解呪されますわ」って大きくなったお腹をさすって言ってた。
それは覚えている。さっさとヤることヤっちゃおうよって思うんだけど、気持ちが通ってなきゃダメとか愛のあるとか言われたらどうしたらいいかわかんないんだよね。彼氏は彼氏だけど、夫2人いる状態での彼氏とか未知数すぎて彼氏を彼氏と思えるかわからない。今までは彼氏がいてセフレがいてみたいなのは当たり前だったけど、夫?夫?旦那様?もう彼氏じゃないじゃん、配偶者だよ、家族!それがいて彼氏とかもう意味わかんなーい
「でも女優とか歌姫とか娼婦みんな彼氏いるからミズキも同じでいいんじゃない?」
「なにそれ」
「異世界の花嫁ってそれだけ特別なんだよ。歴代でいったら1ヶ月毎日男変えられるくらい夫がいた人もいるみたいだし」
「えぇ。国や文化が違うといえど馴染む方がほとんどですからね。片手以上の男性を迎えた方が殆どだと伝えられています」
片手、5人、5人以上がスタンダード???え?無理
「ヒナは?ヒナ!あれが多分一番感覚近いと思うんだけど」
「ミズキもご存じでしょう?他国の王子にまで手を出しておいていざ結婚となったら駆け落ち同然に逃げ出した愚かな女ですよ」
まさかジョエルからヒナが愚か発言が出るとは思わなくてそっちのほうにびっけりしたけどもっとびっくりすること言われた。
「相手の男も殿下のような方を投げ出して選ぶような男ではありませんし、そのような価値のある家柄でもないんですよあの家は。殿下が見る目がなかったのは勿論ですが、あの女の一番愚かなところは人を見る目がないことですね。なのにミズキにあのような上から目線な手紙…我が家の後見を得たからと言って調子に乗るのも大概にしていただきたいものですよ」
ため息をついて手元のお茶を飲むジョエルを見てノアが念話使って話しかけてきた
『前の人好きじゃないんだね』
『だろうね。王子様に悪態つくときはここまでひどくないよ』
『だってジョエルなんだかんだで殿下のこと好きだもん。前の人のことは愚かって言ったよ』
「念話使ってるのバレてますからね」
バレバレだったらしい。
「それより出版社殴り込みいつ行く?」
「僕休みのときにしてね」
「この旅行終わってからにしましょうか。そういえば仮面舞踏会がありますから参加しましょうか」
仮面舞踏会!!!!よくルールわかんないけど楽しみ!
***
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