恵那のどたばた日記

小春かぜね

文字の大きさ
35 / 53

第34話 動物園 その3

しおりを挟む
「恵那、待ちなさい!」

 私が歩き出した直後に、お姉ちゃんに肩を掴まれた!!
 お姉ちゃんは私の行動を先読みした。

「でっ、でも、お姉ちゃん…。あれは非道いよ!!」

「気持ちは分かるけど、恵那が出てどうするのよ!」
「解決出来る…? 恐らく出来ないでしょ!!」

 素早くきつい声で、お姉ちゃんに耳打ちされた!
 そして、問題発生中のあの2人は……

「そっ、そっか~~~」
「……じゃあ仕方ないね。あはは、ゴメンね…///」

「うん。ごめん…」

 話は終わって仕舞った。
 私が出しゃばっても、解決は出来なかったかも知れないが、こんな終わらせ方も良くないと私は感じた。

 その後、お姉ちゃんのデジカメで写真を撮らせて貰った木華ちゃんは、それはそれで、満足していた様だった。
 私は音羽ちゃんの事でも頭に来ているけど、お姉ちゃんのあの態度は気に入らなくて文句を言いたかった。
 けど、言う機会も無く、時間はお昼の時間に近付いていった。

「さて…。丁度中間地点だし、ここら辺でお昼にしようか?」

「わ~い。おっ昼ご飯~~♪」

 お姉ちゃんが、そう私達に声を掛けると素直に喜ぶ木華ちゃん。
 売店とパラソル付きのテーブルが有る広場で、更にその中に有る、木をぐるりと回り込んだベンチでお昼ご飯にする。

 私はさっきの事で、お姉ちゃんと話がしたかったから“ささっ”とお姉ちゃんの横に座った。
 音羽ちゃんは『しまった!』の顔をしたけど、何事も無かった様に私の横に座り、木華ちゃんは音羽ちゃんの横に座る。

 みんなで『いただきます!』をして、昼食を食べ始める。
 私はお弁当を3分の1位食べた所で、少し小さめの声でお姉ちゃんに話し掛ける。

「……お姉ちゃん。何でさっき止めたの?」

「ふぇっ!?」
「ちょっと待っていて…!」

 卵焼きを頬張っている所だったお姉ちゃんは、それを飲み込んでから答えた。

「定番よ。定番!!」

「定番…?」

 当然私は、少し不機嫌な顔で言う。
 でも、お姉ちゃんは私の顔を気にせずに、私の問いに答える。

「そう!」
「あぁ言った時は、下手な仲裁はしない方が良いの!」
「大抵は、悪い方に流れるんだから!!」

「で、でも…。お姉ちゃん、そうでない時も……」

 私は少し声を荒げる。
 お姉ちゃんの推測で、止めたなんて納得出来ないからだ!!

「デモでも無い。けど、解決したでしょ!」
「あれはあれで、良いのよ!!」

「それと……音羽ちゃんが横にいる事、忘れているでしょ!」

 私はお姉ちゃんに言われて直ぐに横を見ると、サンドイッチを持ったまま、私を窺っている音羽ちゃんがいた。

「どうしたの、恵那ちゃん? 何か有ったの?」

 音羽ちゃんは当然、理由を聞いてくる。

「あっ、いや、何でも無いよ。音羽ちゃん!///」
「ちょっと料理の味付けを何時もと変えてみたら、お姉ちゃんが『定番じゃなきゃ!』と言っただけ///」

 私は咄嗟に言い訳をして、その場をしのぐ。

『おっ、恵那も機転が利くように成ったわね~~』

 それを小声でささやくお姉ちゃん。
 お姉ちゃんが要因なのに……

「ふ~ん、そうだよね。お姉さんの言っている事も一理有るね!」
「新しい味付けよりも、何時もの味付けの方がしっくり来るから良いよね~~」

 と言い、サンドイッチをかじる音羽ちゃん。
 音羽ちゃんが納得してくれたのは良いが、今日の私の運勢は悪いのか!?

(あぁ!)
(もう、どうでも良いや……)

 私はそう思い、食べかけの弁当に目を戻した。

「あっ!」
「そのサンドイッチおいしそう!」

 有る程度、お弁当を食べ終わった木華ちゃんが、隣で食べている音羽ちゃんのサンドイッチを見ていた。
 音羽ちゃんは初めからサンドイッチを食べていたが、木華ちゃんは自分のお弁当に夢中になっていた感じだ。

「ねえ、音羽ちゃん。私のおにぎりと交換しない?」

(げっ、またトラブル発生の暗示か。木華ちゃん)
(もう、これ以上問題増やさないで!)
(私もう限界だよ~~)

 そう、感じてしまった私だった。
 音羽ちゃんは素直に応じるだろうか??
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

こわモテ男子と激あま婚!? 〜2人を繋ぐ1on1〜

おうぎまちこ(あきたこまち)
児童書・童話
 お母さんを失くし、ひとりぼっちになってしまったワケアリ女子高生の百合(ゆり)。  とある事情で百合が一緒に住むことになったのは、学校で一番人気、百合の推しに似ているんだけど偉そうで怖いイケメン・瀬戸先輩だった。  最初は怖くて仕方がなかったけれど、「好きなものは好きでいて良い」って言って励ましてくれたり、困った時には優しいし、「俺から離れるなよ」って、いつも一緒にいてくれる先輩から段々目が離せなくなっていって……。    先輩、毎日バスケをするくせに「バスケが嫌い」だっていうのは、どうして――?    推しによく似た こわモテ不良イケメン御曹司×真面目なワケアリ貧乏女子高生との、大豪邸で繰り広げられる溺愛同居生活開幕! ※じれじれ? ※ヒーローは第2話から登場。 ※5万字前後で完結予定。 ※1日1話更新。 ※noichigoさんに転載。 ※ブザービートからはじまる恋

9日間

柏木みのり
児童書・童話
 サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。   (also @ なろう)

トウシューズにはキャラメルひとつぶ

白妙スイ@1/9新刊発売
児童書・童話
白鳥 莉瀬(しらとり りぜ)はバレエが大好きな中学一年生。 小学四年生からバレエを習いはじめたのでほかの子よりずいぶん遅いスタートであったが、持ち前の前向きさと努力で同い年の子たちより下のクラスであるものの、着実に実力をつけていっている。 あるとき、ひょんなことからバレエ教室の先生である、乙津(おつ)先生の息子で中学二年生の乙津 隼斗(おつ はやと)と知り合いになる。 隼斗は陸上部に所属しており、一位を取ることより自分の実力を磨くことのほうが好きな性格。 莉瀬は自分と似ている部分を見いだして、隼斗と仲良くなると共に、だんだん惹かれていく。 バレエと陸上、打ちこむことは違っても、頑張る姿が好きだから。

童話短編集

木野もくば
児童書・童話
一話完結の物語をまとめています。

ノースキャンプの見張り台

こいちろう
児童書・童話
 時代劇で見かけるような、古めかしい木づくりの橋。それを渡ると、向こう岸にノースキャンプがある。アーミーグリーンの北門と、その傍の監視塔。まるで映画村のセットだ。 進駐軍のキャンプ跡。周りを鉄さびた有刺鉄線に囲まれた、まるで要塞みたいな町だった。進駐軍が去ってからは住宅地になって、たくさんの子どもが暮らしていた。  赤茶色にさび付いた監視塔。その下に広がる広っぱは、子どもたちの最高の遊び場だ。見張っているのか、見守っているのか、鉄塔の、あのてっぺんから、いつも誰かに見られているんじゃないか?ユーイチはいつもそんな風に感じていた。

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました

藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。 相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。 さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!? 「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」 星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。 「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」 「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」 ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や 帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……? 「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」 「お前のこと、誰にも渡したくない」 クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。

【完結】夫に穢された純愛が兄に止めを刺されるまで

猫都299
児童書・童話
タイムリープしたかもしれない。中学生に戻っている? 夫に愛されなかった惨めな人生をやり直せそうだ。彼を振り向かせたい。しかしタイムリープ前の夫には多くの愛人がいた。純愛信者で奥手で恋愛経験もほぼない喪女にはハードルが高過ぎる。まずは同じ土俵で向き合えるように修行しよう。この際、己の理想もかなぐり捨てる。逆ハーレムを作ってメンバーが集まったら告白する! 兄(血は繋がっていない)にも色々教えてもらおう。…………メンバーが夫しか集まらなかった。 ※小説家になろう、カクヨム、アルファポリス、Nolaノベル、Tales、ツギクルの6サイトに投稿しています。 ※ノベルアップ+にて不定期に進捗状況を報告しています。 ※文字数を調整した【応募版】は2026年1月3日より、Nolaノベル、ツギクル、ベリーズカフェ、野いちごに投稿中です。 ※2026.1.5に完結しました! 修正中です。

処理中です...