大人しくて控えめの彼女なのに全然違った!!

小春かぜね

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待ち合わせ

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 待ちに待った週末。
 天気も秋晴れで、風も穏やかな日だそうだ。
 今日は日生との遊園地デート。親友関係の時にも映画やカラオケで遊んだが、真央を含めての行動が殆どだった。
 事前に真央には、SNSを使っての相談はしており、有る程度のアドバイスやおすすめの乗り物も教えて貰った。
 大事な部分は、スマートフォンのメモ帳機能を使ってメモをしており、何かあった時はメモを見れば大丈夫だろう。
 待ち合わせの時間が近づいているため、俺は身支度をして家を出た。
 家を出て駅に向かい、駅から電車に乗って、学校の最寄り駅に到着する。待ち合わせは駅のホーム上で有る。待ち合わせの時間の15分前に駅に着いた。
 少し早かったのか、駅のホームには日生の姿はまだ見えなかった。
 普段、日生と真央で遊ぶ時は、大体この時間には日生と真央は居て、行動が開始されていた・・・
 しかし、当たり前だが日生が来ていなければデートが始められない。俺はホームのベンチで座って待つ事にした・・・
 俺が乗って来た反対方向の電車がホームにやってくる。もしかしたら、あの電車に日生は乗っているかも知れない。
 電車は駅に到着して、扉が開いて人が出てくる・・・
 電車は4両編成で、また降りる人は少ないことから、直ぐに日生に気付くはずなのだが、見当たらない・・・
 電車の扉が閉まり、電車は発車してホームから見えなくなる。人がまばらに成ったホームに日生の姿は見当たらない。

(あれ?)
(この電車に乗っていなかったか・・・)
(そうすると次の電車か・・・約束の時間過ぎるな・・・)

 俺は待ち合わせの時間には、その時間よりも早めに来る事を心がけている。
 真央もどうやら俺と同じ考えだったらしいが、日生は違ったみたいだ。
 初デートでこれだと、先が思いやられそうだが諦めて待つ事にする。
 次に来た電車に日生は乗っていたが、予定より約10分の遅刻で有る。電車の時刻は変えられないから仕方ないが・・・
 見つけた日生の姿を見る。
 日生の格好は、薄手の長袖セーターらしき服とその上にワンピースを着ている。化粧もしていて、学校とはまた違う日生が新鮮に見えた。

(真央と一緒に遊ぶ時よりも気合いが入っているような・・・)
(それで遅れたのかな? でも・・・)

「お待たせ! 待った?」

「あっ、大丈夫だよ。日生」

 本当は一言言いたい気分だが、初デートなのだ。
 最初からデートを台無ししたくはない!

「じゃあ、行こうか日生」

「うん・・・」

 遊園地の方向に向かう電車をしばらくホームで待つ。5分も待てば電車が来るはずだ。

「楽しみだね。遊園地!」

「そうだね・・・」

 心なしか、日生の元気がない・・・

「日生、元気無さそうだけど、大丈夫?」

「えっ、ああ、大丈夫だよ良輔!」
「ちょっと、寝るのが遅かったから・・・」

「えっ、でも昨日はそんなに遅くまでSNSしなかったよね・・・」

「あの後、真央としててさ!! あはは・・・」

 日生は、ばつの悪そうな顔をしながら言う。

(真央とSNSしていたら仕方ないか・・・)

 俺は少し疑問に思ったが、気にしない事にしたが・・・
 遊園地に向かう方向の電車が駅に到着して、その電車に俺と日生は乗り込む。ロングシートの車内だが余裕で座れそうだ。車両の真ん中付近のシートに俺と日生は座る。
 電車に乗ってしばらくは雑談が続いたが、普段から会話をしている所為か会話のネタが無くなって来た・・・。日生は話をしながら時々、口元を抑えてあくびをする。

「ねぇ良輔」
「私、本当に眠いから、駅に着いたら起こして」

「えっ、ああ・・・」
「本当に眠そうだもんね、日生」

「うん。ごめん・・・」

 日生はそう言って目を閉じて、体を座席のシートに預けた。

(何か、デートって、もっとこう、ウキウキした物じゃなかったけ・・・)

 眠たそうな彼女を無理に起こしても意味が無いし、遊園地の中で『眠たい・・・』と言われても嫌なので、遊園地に着くまでは我慢する。
 電車は遊園地に向かう乗換駅に着いてバスに乗り換える。
 バスの車内でも、日生は『着いたら起こして・・・』と言って寝てしまう・・・

 親友の時は真面目で、周りに気を配れるような子だったのに、何で彼女に成った今はこんなに自分勝手なんだろう・・・

 日生は過去に色々な物を背負って生きて来て、俺がそれを守ると言って付き合っているわけだから、こんな事ぐらいで嫌気を差しては駄目だが、少しずつ不安感と焦燥しょうそう感が積もり掛けている・・・
 無事にバスは遊園地に到着して、俺は日生を起こしてバスを降りて、フリーパスチケット二人分をチケット売り場で買って、遊園地の入口ゲートをくぐる。
 天気は多少雲が有るが晴れており、絶好のデート日和だが、俺の心は少し雲が掛かっていた。

 あまり乗り気では無かった日生だが、電車とバス車内で休息を取ったおかげか、普段の日生に近い状態までに戻っており、俺は少し安心した。
 遊園地デートの始まりで有る。
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