単身赴任しているお父さんの家に押し掛けてみた!

小春かぜね

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番外編

第61話 結婚直前の旅行 その7

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 お待ちかねの注文した海鮮類が、テーブルに運ばれてくる。
 イカは1パイ丸々を焼いてあり、更に皿の端には、七味マヨネーズまで添えられて有る。イカは食べやすい様に包丁が入っていた。

 ホタテ焼きは2個で1人前なので、丁度1個ずつで半分こ出来る。
 ツブ貝焼きは、ツブ貝が串に数個刺されて1本だが、串を抜いて別ければ良い。
 おやつでは無いが、おやつの時間の始まりで有る。

『いただきます!』

 二人で食事前の挨拶をしてから、俺はイカ焼き、小春はホタテ焼きをそれぞれ食べる。

「うん!」
「祭りの屋台等で食べる、イカ焼きと全然違うよ!」
「イカも凄く柔らかいし、タレも絶妙だ!!」
「これは旨い!!」

 俺がイカ焼きを絶賛する中。

「筑摩さん!」
「ホタテも甘くて美味しいよ♪」
「身もプリプリしていて、肝も美味しいわ♪」
「これは、本当にビールが飲みたく成ってしまうわ!!」

「あはは!」
「そうだね。電車だったら飲めたよね。小春!!」

「だね! 筑摩さん!!」

 俺と小春は、海鮮焼きを楽しむ。
 小春は実はビールを頼めるのだが、俺が運転手で飲めないので、気を遣っているのだろう。

 どれもが新鮮で美味しくて、あっという間に食べ終えてしまう。
 時間に余裕が有れば、追加注文した気分で有った。

「あは♪」
「ペロッと食べちゃったわ♪」
「けど……新鮮だから、顎に少し来るね…///」

「うん…。新鮮すぎるの微妙だね。小春!」

 イカやツブ貝は歯ごたえも十分で有って、普段、顎を鍛えてない俺と小春には、少し強敵だった。
 店内も新たな客が来る気配も無く、スタッフの人達は店内掃除を始めていた。
 もしかして、もうすぐ閉店か?

「筑摩さん。海鮮焼きも食べられたし、日が沈む前に、岬の先端に向かいましょ!」

「そうだね、小春!」
「岬の先端を見に行かないとね!!」

 お会計を済まして、俺と小春は店を出る。
 この店で個別会計にするのは、良くない雰囲気がしたので、俺が全額出しておく。
 日が傾き掛けた商店街を、岬の先端に向けて、俺と小春は足を進めて行く……

 ……

『ザパーン、ザパーン、―――』

 風はそんなに強く感じ無いが、波しぶきは結構強めで有った。
 俺と小春は、岬の先端に居る。
 夕暮れの海景色を二人で見ていた……

「楽しい時間が過ぎるのは、あっという間だね♪」

 小春は海を眺めながら言う。

「もう少し、時間に余裕が有れば、もう1カ所は巡れたけど、この辺が潮時かな?」

 本来の予定は、さっきのお店で昼食を食べて、遊覧船に乗って、岬の先端を見て、周辺散策の予定で有ったが、もうすぐ日が暮れるので、この観光で終わりと成りそうだ。
 日帰り温泉は男女別なので、観光とは言いにくい。

「ちょっと、筑摩さんを困らせてしまったけど、今日は楽しかったわ♪」
「ありがとう~~❤」

「そう言ってくれると嬉しいよ。小春……」

「じゃあ、お礼に♪」
「んっ……」

 小春は俺にキスをしてくれる。
 この岬……実はムードの良い岬では無い。“あれ”で有名な岬なのだ!?
 カップルで無理心中をする姿では無いから、この世の別れのキスとは、誰も思わない筈だ!?
 そのため、足場も良いとは言いにくいので、俺も激しいキスやハグを、この場では求めない。

「……日が暮れてきたね。どうする?」
「そろそろ、戻る?」

 キスを終えた小春は、そう聞いてくる。

「先端までは来たし、夕暮れ時で、これ以上の散策は危険だから戻るか……」

「そうだね。筑摩さん♪」
「事故でも起きたら大変だもね♪」
「サスペンスドラマの始まりだよ~~♪」

 小春は和やかな笑顔で言う。
 俺の知らない内に俺名義の、小春受け取りで有る、多額の生命保険金でも掛けられていたら、俺はここで突き落とされて居るのだろうか?

「……気を付けて戻ろうか。小春?」

「そうしましょ! 私もまた、未亡人に成るのは嫌だわ♪」

 俺が事故を起こす事を想定して、小春は話して居る。
 逆のパターンも有るのに……

 俺と小春は足下に気を付けながら、駐車場の方に戻った……
 その後は、近くの日帰り温泉に寄って、途中で晩ご飯を食べて、安全運転で俺と小春の町まで戻って行った……

 小春と行った結婚直前の旅行は、こんな感じだったよな……
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