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第十八話国王(二)

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「さて、そろそろ本題に移ろうかな」
まさか本題に移るまで一時間もかかるとは思わなかった...。ひたすら俺の世界について言わされるとは...
「まず、拐ったのはアーネスト皇国で間違いないか?」
「はい、間違いないですね。名乗ってたし..。」
「ふむ、やはり聖者の力を求めたのだろうが...」
国王がそこまで言うと、ルイフェスが続けた。
「問題はどこからその情報が漏れたかですね」
「え?そうなんですか?」
何がなんだか全く理解できない俺は今までのことをただただアーネスト皇国は召喚時から知っていて俺を拐ったものだと思っていた。
俺が理解できずにいると国王が言った。
「それしかないだろう。あの時言った時に皇国のスパイが紛れ込んでいたとしか思えん」
一回目の謁見のときか...。確かに人が多くて誰が誰だか分からんかったしな..
「それはそうとして、そなたらが攫われた場所とここに帰ってくるまで何をしていたのか聞かせてもらってもいいかな?」
あれ、まだ知らなかったんだな
俺たちは攫われた場所、時間、ここに帰ってくるまでしていたことを全て話した。
国王は意味深な顔で応えた。
「ほーん」
え?何その色々な意味が混ざったような返事(?)の仕方は?
「それはそうと父上、何故私たちがいる場所がわかったんです?」
ルイが聞くと国王は応え始めた。
「それはだな、お前たちが行っていた街に偶然非番の兵がいてな、よく見ているルイの顔はすぐ分かったらしくていつの間にいなくなったお前たちのことを報告に来てな、お前たちを拐った者たちの持ち物に皇国の紋章が入ってるものがあったらしくてすぐ皇国に行ったってわかったんだ。」
国王はニコニコして言っていた。
心なしか、何故か目が笑っていないように見える...。口調もそなたらからお前たちに変わったような...
ルイはため息をついて言った。
「はぁ~、父上、冗談はやめてください」
え?
「バレたか...。実はな.....」
うんまあ、要約すると、俺たちが街に行ってたのがバレてて、こっそりついて来た近衛兵がいたと。で、俺たちが攫われていたと。そんで、俺たちを拐った奴らのマントにアーネスト皇国の紋章がついてることを知って、俺たちを取り戻すために追いかけたけど、撒かれてしまい、見失ったと、でそのことを国王に伝えて皇国に来たということか...。いや全然要約できてないじゃん
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