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第十七話国王

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「もう朝か...」
あんなに寝たはずなのに何故俺の体はこんなにも眠りを要求しているのか疑問だ
ぼーっとしているとルイも目が覚めたようだった。
「ん...?あ、幸輝おはよー」
相変わらずだな...
そんなことを思っているとノックが聞こえてきた。
「殿下、冬本様、王様がお待ちです」
相変わらず早い朝だ...この世界の朝どんな早さなん?
「そういえば幸輝の苗字って冬本だったね。ずっと幸輝だったから忘れてた。さ、幸輝、早く準備して父上のとこ行こう」
「お、おう」
..........当たり前なんだな...
俺の服がボロボロになり、もう着れないため実は体格が似ていたルイの服を借りることにしたが、中世の頃の服みたいで落ち着かなかった。
「ぴったりだね幸輝!これじゃ僕の身代わりもできるんじゃない?」
「冗談じゃないよ、俺こんなの来たことないから落ち着かないよ」
「さ、早く行こう!」
「おう!」
そして俺たちは足速に、待たせている王様のもとへと向かった。
部屋の前まで来るとルイの表情があからさまに変わり、真面目な顔つきになった。
そんなにやばい人なのか王様って...
俺は唾を飲み込みながら開く扉の中へと入っていった。
「父上、お待たせ致しました」
ルイが頭を下げたので俺も一応下げておいた。すると王様は静かな声で言った。
「うむ、今回の件、色々とご苦労だった。ここから先は極秘の話となる。他のものは下がりなさい」
俺は思った。
ドネ王国のあのクソな王様よりめっちゃ態度いいじゃん!
部屋にいるものが王様、ルイ、俺以外出て行った瞬間、王様は人が変わったようになった。
「ルイー!お帰りー!怪我してないか!?いや、怪我しても直して貰えるのか!」
「父上、はしゃぎすぎです」
「え?」
俺は頭の中に宇宙が浮かんできた。
「あ、ごめん幸輝、忘れてた。ずいぶん前に紹介したけどもう一度紹介しとくね。僕の父上、アドルフ・ノア・ユハイド国王だよ。もう1人僕の母上がいるんだけど今は用事があって会えないんだ」
「そ、そっか」
...親が親なら子も子だな...。ルイがこうなのは親の影響でもあんのか...
「おうそうじゃった忘れてた。幸輝殿ルイを助けていただき感謝する」
そう言うとルースはお辞儀した。
「い、いやそんな!王様が頭を下げるなんてまずいですよ!それより、あの態度なんです!?王様がする態度じゃないですよ!」
「そうですよ父上、そんなにどんどん頭下げてたら礼が軽くなりますよ。父上は僕に似て軽い人なんだから!」
...なんか止め方が違う気がする...それに似てんのはルイの方だろ...
2度目の謁見がこんなんでいいのか?
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