聖女は女のはずなのに何故か男の俺が聖女だった件

強欲の森、その後

「ルイよ、強欲の森に行ってきたようだな」
「ええ、ただいま戻りました。父上」
...さすが王族親子。周りに人がいる時は猫かぶるんだな
「それで？何か変わったことはあったか？」
「そうですね、モンスターの数は変わりませんでしたが聖者様の魔法の威力が素晴らしかったのと、木は火で燃えてしまうということですね」
「何？木が火で燃えるだと？それは真か？」
「はい」
するとアドルフは手を2回叩いた。そうすると、どこからともなく侍従のようなひとが丸太のような木を持って来た。
2回手を叩いたら侍従みたいな人が望むものを持ってくる...。以心伝心が当たり前なのか？
「さて、聖者殿、ここに一本の木がある。それに火魔法を撃ってはくれぬか？」
まじ？俺もうMP無くなりそうなんだが？
「はあ...」
火魔法...そういえば俺が出す魔法って大体ボールみたいな形だけど他の形もできるのか？例えば...矢みたいな...
俺は頭の中で火の矢の形をイメージした。次の瞬間伸ばしていた手から頭の中で想像した通りの火の矢がでて、木に向かって飛んでいった。
ﾄﾞｺﾞｰﾝ
「「「「！？」」」」
俺を含め玉座にいた人全員が目を丸くして燃えている木を見つめていた。
「さすが幸輝、矢の形をした火を放つなんて」
ルイは笑いながら言った。ルイがそう言ったのをきっかけに他の人々も俺を称賛し出した。...燃えた木がカーペットへ燃え移っていくことを気にすることなく。

2分後
「へ、陛下あちらを！カーペットが燃えています！」
燃えていることに気づいたアドルフたちはパニックより木が燃えたことに驚き感動していた。
え？何で誰も動かないの？燃えてるんだよ？もしかして感動して燃え広がること忘れてる系！？とりあえず消さなきゃ！
焦った俺は水魔法中級を撃つところを超級の方を打ってしまい部屋にいた全員と、部屋中が水浸しになった。
「あ...」
俺がこの事態をどう説明しようか悩んでいるとルイが笑いながら言った。
「さすが幸輝、火を消すだけでなく部屋を膝まで浸かるぐらい水を出すなんて」
...褒めているのか怒っているのか分からんな。いや、ルイに限って怒るということはないだろう
そんなことを思っているとアドルフは困った声で言った。
「この水どうしようかの？」
「あ、俺風魔法で乾かしますよ」
今度は間違えないように...
そう言い俺は風魔法中級を唱え膝まで浸かるぐらいの水はたちまち乾いていった。
ふぅ
俺が心を落ち着かせているとルイが言った。
「父上、今日はもう遅いですしまた明日にしませんか？」
「うむ、そうじゃな。では解散！」
解散早！