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56話 当日
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次の日、私とレオンは庭園の奥にある温室へ向かった。レオンでも緊張するという、何だか凄そうなお客様にお会いするために……
温室への道は大人の背丈ほどはある生垣が複雑に配置されており、まるで迷路の様だ。初めて来た時はエリスを追いかけるのに夢中で、周りを殆ど見ていなかったから気づかなかった。もし、エリスを見失って温室に辿り着けず、庭に取り残されていたらと思うと背筋が寒くなる。レオンはそんな複雑な道を迷うことなく、さくさくと進んで行く。
「私1人だったら絶対迷子になってしまいます。レオンは道を覚えているんですね」
「そりゃ、自分の家だからね。クレハだってすぐに覚えられるよ。でもこの辺りは人気が少ないから、1人では来ない方が良い」
そのぶん密会とかをするのには最適なんだけどね、とレオンは付け加える。そして、おもむろに私の左手を掴み取った。
「クレハが迷子になっても大丈夫だよ。俺が君を探し出して、必ず迎えに行くから」
触れた指先から伝わる彼の体温に心臓が早鐘を打った。レオンはそのまま……私と手を繋いだ状態で歩き出す。さっきまでの不安な気持ちは、すっかり無くなっていた。
庭園の最奥、ガラス張りの屋根の建物が見えてくる。私とレオンが初めて会った場所。そして、その直後に失神して皆に迷惑をかけたという、あまり思い出したくない出来事があった場所でもある。
「この温室はね、メーアレクト様の力で管理されているんだ。夏でも冬でも温度が一定なのはそれが理由。ここで育てられているバラの花は、メーアレクト様に献上するためのものなんだよ。あの方もクレハと同じでバラの花が好きでね……俺が神殿へ行く時は、必ずここのバラを持参する」
どうりで立派なバラばかりだと思った。庭園に植えられている花や木は、とても丁寧に手入れされていて美しいけれど、その中でもこの温室の花達は特別なんだ。
「母上も時々だけど、この温室でお茶をしたり読書をしたりしてるんだ。静かで落ち着くんだってさ」
花を見ながら寛げるように、簡素だがテーブルと椅子もあり、お茶を淹れる為の給湯室もあるのだという。今からお会いするお客様はそこでおもてなしするのかな。
「道具類はセドリックが事前に準備しておいてくれてるから、俺達はテーブルをセッティングするだけ……簡単だね。クレハご希望のフルーツタルトもちゃんとあるから、楽しみにしてて」
お茶はレオン自ら淹れるそうだ。セドリックさんほど上手に淹れられる自信は無いそうだけど……それでも凄いと思う。しかし、王太子がお茶を淹れるようなお客様って……一体どんな御身分の方なんだろう。
「レオン、お客様についてもう少しお話ししてくれますか? 昨日聞きそびれてしまって……お歳とか性別は……」
「多分……男なのかな。年齢は、分からないなぁ。そもそもあるのか……」
「レオンも知らないのですか?」
分かっているのは食べ物の好みだけって事? それなら、レオンが上手くお相手できるか不安がるのも仕方ないのかも……
「言っただろ、特殊な事情のある方だって。お会いすれば分かるよ」
彼のどこか含みのある言い方を不審に思いつつも、ここまで来てしまったのだ。腹を括るしかない。
レオンが温室の入り口を開けて中へ入っていく。私もそれに続いた。
内部に入ると、ひんやりとした空気と甘いバラの香りが鼻を通り抜けた。暑過ぎず寒過ぎない、バラを育てるのに適した温度だ。
「ここでレオンに会った時は本当に驚きました。文通相手のローレンスさんが子供で、しかも王太子殿下だったんですから」
「ちょっとびっくりさせてやろうという気持ちがあったのは否定しない。でもまさか、失神までするとは思わなかった。もうあんなのはこりごりだ」
「心配かけて、ごめんなさい……」
「だから、クレハのせいじゃないって。気遣いができなかった自分に腹が立ってるんだよ」
その日は朝から色々と準備をして疲れていたし、半年ぶりに訪れる王宮にとても緊張していた。レオンと会った事が決定打になったというだけで、彼のせいでもない。体力も精神力もすでに限界だったのだ……情けない事に。
「レオンも悪くないです。もうなんともないですから、気にしないで下さいね」
緊張疲れだったのだと伝えると、レオンは私の頭の上にポンと軽く手のひらを乗せた。
「ゆっくりでいいから慣れていこうね。王宮という場所に……そして、俺の婚約者ということにも」
自分と婚約した事で、これからも私には大変な思いをさせてしまうかもしれないと、レオンは苦悩の色を滲ませた顔で口にする。
「ごめん……それでも俺は君以外を選ぶことができない。例え、クレハが嫌だと言ってもだ……もう、出会ってしまったからね」
「私、レオンのこと嫌いじゃないですよ。婚約だって嫌ではありませんし……」
「うん。クレハがそう思ってくれて本当に良かった。もし、そうでなければ俺は……」
繋いでいる手に力が込められて、左手が僅かに痛む。紫色の瞳が暗く淀んでいる。彼が時折見せる、どこか狂気を感じさせるこの目が苦手だ。だって……レオンがいつも私に向ける視線は優しくて、こそばゆくなるくらい愛情のこもったものだから……
「さあ、約束の時間になる。お喋りは終わりにして、そろそろ行こうか」
彼は私の手を引いて温室の奥へ向かった。
「レオン……」
「何?」
「いえ……ごめんなさい。何でもありません」
振り返った彼の瞳は、さっきまでの仄暗さは微塵も感じさせない、綺麗な紫色をしていた。
「もう来られると思うんだけど……」
レオンと一緒にお茶の準備をして、後はお客様を待つばかりとなった。セドリックさんが作ってくれたフルーツタルトもしっかり確認しました。言うまでも無く、とっても美味しそうでした。お客様が気に入って下さること間違いなし! 私も早く食べたいです。
「もしかしてお客様……ここまで来るのに迷ってるんじゃ……」
「あっ、いらしたな」
「えっ!? どこ……」
レオンが見つめている方向に注目した。1人の若い男性がこちらに向かって歩いて来る。後頭部でひとまとめにした赤茶色の長い髪が揺れていた。目鼻立ちの整った端正な容貌に、澄んだ紫色の瞳って……うそ、どうしてこんな所に――
「やっほー! クレハちゃん、ご機嫌いかが?」
「ルーイ様!!?」
温室への道は大人の背丈ほどはある生垣が複雑に配置されており、まるで迷路の様だ。初めて来た時はエリスを追いかけるのに夢中で、周りを殆ど見ていなかったから気づかなかった。もし、エリスを見失って温室に辿り着けず、庭に取り残されていたらと思うと背筋が寒くなる。レオンはそんな複雑な道を迷うことなく、さくさくと進んで行く。
「私1人だったら絶対迷子になってしまいます。レオンは道を覚えているんですね」
「そりゃ、自分の家だからね。クレハだってすぐに覚えられるよ。でもこの辺りは人気が少ないから、1人では来ない方が良い」
そのぶん密会とかをするのには最適なんだけどね、とレオンは付け加える。そして、おもむろに私の左手を掴み取った。
「クレハが迷子になっても大丈夫だよ。俺が君を探し出して、必ず迎えに行くから」
触れた指先から伝わる彼の体温に心臓が早鐘を打った。レオンはそのまま……私と手を繋いだ状態で歩き出す。さっきまでの不安な気持ちは、すっかり無くなっていた。
庭園の最奥、ガラス張りの屋根の建物が見えてくる。私とレオンが初めて会った場所。そして、その直後に失神して皆に迷惑をかけたという、あまり思い出したくない出来事があった場所でもある。
「この温室はね、メーアレクト様の力で管理されているんだ。夏でも冬でも温度が一定なのはそれが理由。ここで育てられているバラの花は、メーアレクト様に献上するためのものなんだよ。あの方もクレハと同じでバラの花が好きでね……俺が神殿へ行く時は、必ずここのバラを持参する」
どうりで立派なバラばかりだと思った。庭園に植えられている花や木は、とても丁寧に手入れされていて美しいけれど、その中でもこの温室の花達は特別なんだ。
「母上も時々だけど、この温室でお茶をしたり読書をしたりしてるんだ。静かで落ち着くんだってさ」
花を見ながら寛げるように、簡素だがテーブルと椅子もあり、お茶を淹れる為の給湯室もあるのだという。今からお会いするお客様はそこでおもてなしするのかな。
「道具類はセドリックが事前に準備しておいてくれてるから、俺達はテーブルをセッティングするだけ……簡単だね。クレハご希望のフルーツタルトもちゃんとあるから、楽しみにしてて」
お茶はレオン自ら淹れるそうだ。セドリックさんほど上手に淹れられる自信は無いそうだけど……それでも凄いと思う。しかし、王太子がお茶を淹れるようなお客様って……一体どんな御身分の方なんだろう。
「レオン、お客様についてもう少しお話ししてくれますか? 昨日聞きそびれてしまって……お歳とか性別は……」
「多分……男なのかな。年齢は、分からないなぁ。そもそもあるのか……」
「レオンも知らないのですか?」
分かっているのは食べ物の好みだけって事? それなら、レオンが上手くお相手できるか不安がるのも仕方ないのかも……
「言っただろ、特殊な事情のある方だって。お会いすれば分かるよ」
彼のどこか含みのある言い方を不審に思いつつも、ここまで来てしまったのだ。腹を括るしかない。
レオンが温室の入り口を開けて中へ入っていく。私もそれに続いた。
内部に入ると、ひんやりとした空気と甘いバラの香りが鼻を通り抜けた。暑過ぎず寒過ぎない、バラを育てるのに適した温度だ。
「ここでレオンに会った時は本当に驚きました。文通相手のローレンスさんが子供で、しかも王太子殿下だったんですから」
「ちょっとびっくりさせてやろうという気持ちがあったのは否定しない。でもまさか、失神までするとは思わなかった。もうあんなのはこりごりだ」
「心配かけて、ごめんなさい……」
「だから、クレハのせいじゃないって。気遣いができなかった自分に腹が立ってるんだよ」
その日は朝から色々と準備をして疲れていたし、半年ぶりに訪れる王宮にとても緊張していた。レオンと会った事が決定打になったというだけで、彼のせいでもない。体力も精神力もすでに限界だったのだ……情けない事に。
「レオンも悪くないです。もうなんともないですから、気にしないで下さいね」
緊張疲れだったのだと伝えると、レオンは私の頭の上にポンと軽く手のひらを乗せた。
「ゆっくりでいいから慣れていこうね。王宮という場所に……そして、俺の婚約者ということにも」
自分と婚約した事で、これからも私には大変な思いをさせてしまうかもしれないと、レオンは苦悩の色を滲ませた顔で口にする。
「ごめん……それでも俺は君以外を選ぶことができない。例え、クレハが嫌だと言ってもだ……もう、出会ってしまったからね」
「私、レオンのこと嫌いじゃないですよ。婚約だって嫌ではありませんし……」
「うん。クレハがそう思ってくれて本当に良かった。もし、そうでなければ俺は……」
繋いでいる手に力が込められて、左手が僅かに痛む。紫色の瞳が暗く淀んでいる。彼が時折見せる、どこか狂気を感じさせるこの目が苦手だ。だって……レオンがいつも私に向ける視線は優しくて、こそばゆくなるくらい愛情のこもったものだから……
「さあ、約束の時間になる。お喋りは終わりにして、そろそろ行こうか」
彼は私の手を引いて温室の奥へ向かった。
「レオン……」
「何?」
「いえ……ごめんなさい。何でもありません」
振り返った彼の瞳は、さっきまでの仄暗さは微塵も感じさせない、綺麗な紫色をしていた。
「もう来られると思うんだけど……」
レオンと一緒にお茶の準備をして、後はお客様を待つばかりとなった。セドリックさんが作ってくれたフルーツタルトもしっかり確認しました。言うまでも無く、とっても美味しそうでした。お客様が気に入って下さること間違いなし! 私も早く食べたいです。
「もしかしてお客様……ここまで来るのに迷ってるんじゃ……」
「あっ、いらしたな」
「えっ!? どこ……」
レオンが見つめている方向に注目した。1人の若い男性がこちらに向かって歩いて来る。後頭部でひとまとめにした赤茶色の長い髪が揺れていた。目鼻立ちの整った端正な容貌に、澄んだ紫色の瞳って……うそ、どうしてこんな所に――
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