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165話 真実は……(2)
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「ユリウスも大体似たような見解だった。傷の状態を見る限り、事故ではなく他殺だろうと……」
「やっぱり、スコットさんはサークスにやられてしまったんですね」
サークスは私達に姿を見られてしまったから攻撃したのかな。いや、それならもっと目立たないように行動するよね。堂々としていて、とても忍んでいるようには見えなかったもの。見つかってしまう事なんて気にはしてなくて、島の人間に遭遇したら始末してしまえば良いくらいに考えていたのではないだろうか。もしかしたらそれ自体が目的だった?
「いや、そうとは限らないよ」
レオンは眉を歪めて厳しい顔をしている。事故でないのなら、サークスがやったとしか考えられないと思ったのに。
「管理人の死とサークスの襲撃。このふたつの間に実は関連性は無くて、それぞれ個々の……別の事件なのかもしれない」
「それって……」
「管理人を手にかけたのがサークスと決めつけるのは早いということだ」
スコットさんを殺した犯人が他にいる……もちろんサークスの仕業である可能性が最も高い。しかし、サークスに関しては不明な点が多過ぎて、レオン達も考えあぐねているのだという。
「グレッグに制裁を与えるにしても、もう少し猶予を設けてくれれば良かったのに。死人に口無し……おかげで真相は闇の中だ」
レオンから聞いた話によると、シエルレクト様はルーイ様や他の神様達の意見を聞くことも無く、ほぼ独断で始末をつけてしまったのだそうだ。全てが終わってから報告を受けた為、どうすることも出来なかったのだと。
「あれれ、そういうボスだって姫さん達が襲われたって知った直後はブチ切れて大暴れした癖に。俺ら止めるの苦労したんだから。なぁ、レナード」
「ええ、あの時の殿下はグレッグを問答無用で殺しかねない勢いでしたね。その激昂は我々の上着が一枚駄目になるほどで……」
「それは……仕方ないだろうが。だって……」
レオンは気まずそうにごにょごにょと何か言ってる。声が小さ過ぎて私には聞き取れなかった。レナードさんとルイスさんは笑いながら話しているけれど、あの時のレオンは本当に怖かった。おふたりにまで怪我をさせるのではないかと気が気じゃなかったのに。
「あー、それでだ。管理人を殺害した犯人は別にいるのではという方向でも調査を進めているよ。とりあえずスコットの交友関係を洗い出すところから始めている。まぁ、こんな感じかな。他に質問はある?」
「いいえ。今のところは……」
「そう。何かまた気になることがあったら聞いて。答えられる内容なら教えてあげるから」
思った以上に踏み込んだ話が出来たのではないだろうか。しかし、サークス以外に犯人がいるのだとしたら……それはつまり、島の人間ということになる。もしかしたら、私達のすぐ側にいたりして……
「俺もおっさんをやったのは、あのサークスって化け物じゃないような気がするんだよね」
根拠があるわけじゃないと付け加えながらも、ルイスさんはそう語った。サークスと直接刃を交えた彼の意見だ。根拠が無くとも、軽んじてはいけないような気がする。
「レナードはどう? なんか違うなって思わなかったか」
「そうだね……確かに引っかかりのような物は感じるかも。ルイス同様、明確な理由があるわけではないんだけどね」
「殴られて死んだってのもなぁ……。変な言い方になるけど、サークスっぽくないというか」
「そういえば、棒状の武器を使っているサークスはいなかったですよね」
自身の体を武器のように変化させ、私達を攻撃してきた。鋭い針で突き刺そうとしたり、剣で切りかかってきたり……。攻撃手段はこのふたつだった。たまたまそうだっただけなのかもしれないけれど。
「サークスの見た目や性能は魔法使いによって異なるそうだからな。グレッグ以外のニュアージュの魔法使いがいないから比較も出来ないし……攻撃方法にしても、どこまでサークスの意思が反映されていたのかは不明だ」
サークスはシエルレクト様の力により生まれた、分身とも呼べる存在。ひとつひとつに意思が宿っており、神と同種の力を持つとされる。契約した人間から見返りを貰うことで、その力を解放する。ルーイ様に教えて頂いたサークスの知識はこれくらいだ。流石のルーイ様も魔法使いを個人レベルで把握はしていないから、グレッグについては分からないと言っていた。
「調査に行った先生達が何か情報を掴んできてくれるといいけどね。とっくに姫さんの家に着いてる頃だと思うけど……どうなったかな」
「魔法使いがいたとされるのは、半年前でしたよね。当時のことを覚えている人がリズちゃんの他にもいるかもしれない。少なくとも庭師は何か知っていそうだから期待してしまいますね」
「セドリックの報告待ちだな。情報収集も大事だが、まずは何事もなく皆が無事に帰ってくることを願おう。お前たちも引き続き、気を緩めることがないように」
レオンの言葉にご兄弟は頷いた。半年前に私の家にいたというニュアージュの魔法使い……島で起きた事件と関わりがあるかどうかは分からない。しかし、その人物の正体を紐解く事で、事件が解決に近づいていくのではないかと思わずにはいられなかったのだ。
「やっぱり、スコットさんはサークスにやられてしまったんですね」
サークスは私達に姿を見られてしまったから攻撃したのかな。いや、それならもっと目立たないように行動するよね。堂々としていて、とても忍んでいるようには見えなかったもの。見つかってしまう事なんて気にはしてなくて、島の人間に遭遇したら始末してしまえば良いくらいに考えていたのではないだろうか。もしかしたらそれ自体が目的だった?
「いや、そうとは限らないよ」
レオンは眉を歪めて厳しい顔をしている。事故でないのなら、サークスがやったとしか考えられないと思ったのに。
「管理人の死とサークスの襲撃。このふたつの間に実は関連性は無くて、それぞれ個々の……別の事件なのかもしれない」
「それって……」
「管理人を手にかけたのがサークスと決めつけるのは早いということだ」
スコットさんを殺した犯人が他にいる……もちろんサークスの仕業である可能性が最も高い。しかし、サークスに関しては不明な点が多過ぎて、レオン達も考えあぐねているのだという。
「グレッグに制裁を与えるにしても、もう少し猶予を設けてくれれば良かったのに。死人に口無し……おかげで真相は闇の中だ」
レオンから聞いた話によると、シエルレクト様はルーイ様や他の神様達の意見を聞くことも無く、ほぼ独断で始末をつけてしまったのだそうだ。全てが終わってから報告を受けた為、どうすることも出来なかったのだと。
「あれれ、そういうボスだって姫さん達が襲われたって知った直後はブチ切れて大暴れした癖に。俺ら止めるの苦労したんだから。なぁ、レナード」
「ええ、あの時の殿下はグレッグを問答無用で殺しかねない勢いでしたね。その激昂は我々の上着が一枚駄目になるほどで……」
「それは……仕方ないだろうが。だって……」
レオンは気まずそうにごにょごにょと何か言ってる。声が小さ過ぎて私には聞き取れなかった。レナードさんとルイスさんは笑いながら話しているけれど、あの時のレオンは本当に怖かった。おふたりにまで怪我をさせるのではないかと気が気じゃなかったのに。
「あー、それでだ。管理人を殺害した犯人は別にいるのではという方向でも調査を進めているよ。とりあえずスコットの交友関係を洗い出すところから始めている。まぁ、こんな感じかな。他に質問はある?」
「いいえ。今のところは……」
「そう。何かまた気になることがあったら聞いて。答えられる内容なら教えてあげるから」
思った以上に踏み込んだ話が出来たのではないだろうか。しかし、サークス以外に犯人がいるのだとしたら……それはつまり、島の人間ということになる。もしかしたら、私達のすぐ側にいたりして……
「俺もおっさんをやったのは、あのサークスって化け物じゃないような気がするんだよね」
根拠があるわけじゃないと付け加えながらも、ルイスさんはそう語った。サークスと直接刃を交えた彼の意見だ。根拠が無くとも、軽んじてはいけないような気がする。
「レナードはどう? なんか違うなって思わなかったか」
「そうだね……確かに引っかかりのような物は感じるかも。ルイス同様、明確な理由があるわけではないんだけどね」
「殴られて死んだってのもなぁ……。変な言い方になるけど、サークスっぽくないというか」
「そういえば、棒状の武器を使っているサークスはいなかったですよね」
自身の体を武器のように変化させ、私達を攻撃してきた。鋭い針で突き刺そうとしたり、剣で切りかかってきたり……。攻撃手段はこのふたつだった。たまたまそうだっただけなのかもしれないけれど。
「サークスの見た目や性能は魔法使いによって異なるそうだからな。グレッグ以外のニュアージュの魔法使いがいないから比較も出来ないし……攻撃方法にしても、どこまでサークスの意思が反映されていたのかは不明だ」
サークスはシエルレクト様の力により生まれた、分身とも呼べる存在。ひとつひとつに意思が宿っており、神と同種の力を持つとされる。契約した人間から見返りを貰うことで、その力を解放する。ルーイ様に教えて頂いたサークスの知識はこれくらいだ。流石のルーイ様も魔法使いを個人レベルで把握はしていないから、グレッグについては分からないと言っていた。
「調査に行った先生達が何か情報を掴んできてくれるといいけどね。とっくに姫さんの家に着いてる頃だと思うけど……どうなったかな」
「魔法使いがいたとされるのは、半年前でしたよね。当時のことを覚えている人がリズちゃんの他にもいるかもしれない。少なくとも庭師は何か知っていそうだから期待してしまいますね」
「セドリックの報告待ちだな。情報収集も大事だが、まずは何事もなく皆が無事に帰ってくることを願おう。お前たちも引き続き、気を緩めることがないように」
レオンの言葉にご兄弟は頷いた。半年前に私の家にいたというニュアージュの魔法使い……島で起きた事件と関わりがあるかどうかは分からない。しかし、その人物の正体を紐解く事で、事件が解決に近づいていくのではないかと思わずにはいられなかったのだ。
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