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262話 取引中(4)
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「前置きが長くなっちゃったけどさ……俺についてきちんと知っておいてくれないと、到底理解できない内容の話なのよね。信じもしないだろうし……」
ルーイ先生が三神の上役であると認知させることが、取引を成功させるためのふたつ目の課題であった。普段の先生からは想像も出来ない高圧的な雰囲気に彼の本気が伝わってきた。我々も気を引き締める思いで臨んだのだ。
その甲斐あってか、ノアの態度は最初と180度変わった。先生を侮るような言動も無くなった。カレンの方は……残念ながらまだ口の拘束すら外せる段階に至っていない。この子の初志貫徹を果たそうとする姿勢は大したものだけど、ひとつの事に固執するあまり周りが見えなくなっている。やはり精神面においてはノアの方が柔軟性があり大人であった。いけ好かないことに変わりは無いが……
「ルーイさん、最初にこれだけは教えて下さい。エルドレッド様は無事なんですか……」
「君の言う無事がどういう状態を指すのか分からないけど……俺たちはまだエルドレッド君に指一本触れていないよ」
エルドレッドの名前が出てきてからというもの、2人の動揺がより顕著に伝わってくる。それでも『手は出していない』という先生の言葉を聞いて、多少は安堵した風に見えた。
先生はいかにもエルドレッドが危機的状況にあるかのように伝えているけど、我々は彼の現在地すら知らない。手を出す以前の問題だった。
エルドレッドがシエルレクトの制裁を受けるかもという話自体は嘘ではない。実際にそうなるように仕向けることが先生には可能だという意味だ。エルドレッドを取引の道具にするために……
今回の取引において、先生がエルドレッドに目を付けなければ、彼が槍玉に挙がることは無かったかもしれない。自身も神であり、シエルレクトを始めとした神々のことを熟知している先生だからこその発想だった。この方が味方で良かった……ここ数日で何度そう思ったことか。
「さて……お互い自己紹介も終わった事だし、ようやく所期の目的を果たすことが出来そうだ」
「オレたちにして欲しい事があるとの話でしたが、よもや罪人を当てにするなんて……相当切迫していらっしゃるようですね」
「そうでもないさ。罪人のことは罪人に聞くのが一番だと思ったまでのこと……蛇の道は蛇ってね」
先生に屈したかのように見えていたが、ノアはまだ嫌味を言う元気があるみたいだな。残念ながら先生には全く効いていないけど。
「まあ、そんなツンケンしなさんな。大人しく聞かれた事に答えてくれさえすれば、こちらも相応に便宜を図ると言っている」
「……まずはエルドレッド様の身の安全を保証しろ」
「だからー、それは君たち次第だって」
「はぁ……分かりました。話を続けて下さい」
ノアはもう言い返す気力を削がれてしまったのか、完全にこちらの話を聞く体勢に入っている。これは先生の勝ちだな。レオン様も俺と同じ判断をしたようだ。ノアとカレンを威嚇する目的で発生させていた豪雨と雷撃が徐々に収まっていく。
「君たちから聞きたいのは、ある男についての情報だ。名前をグレッグという。エルドレッドと同じ魔法使いで、つい最近王宮のある島で事件を起こしたんだ。知ってるだろ?」
「ああ、あのしょうもないチンピラですね。奴は天空神の手にかかり死んだのではなかったですか」
「そう。せっかちなシエルレクトのせいで動機などの背景事情が何も分からないまま、犯人はこの世を去ってしまった。シエルはあれで始末を付けたつもりでいるのだから困ったものだよ」
先生はグレッグが死んだ経緯と、三神の関係性についてノアとカレンに説明をしている。シエルレクトは人間との関わりが強い神であるけど『侵さずの契り』については、ノアたちも初耳だったそうだ。
「エルドレッドが罰を受けるかもしれないのは、グレッグと同じ理由だ。彼にはメーアレクトのテリトリーである島で魔法を使った疑惑がある。俺たちは彼がグレッグの仲間の1人かもしれないと考えていたからね」
先生がここで言う魔法とは、島がサークスによる襲撃を受けた日の前日……中庭でクレハ様の周りを飛び回っていた、あの光る蝶のことだった。先生に指摘されて思い出したけど、あれはグレッグがやったとまだ確定していなかった。状況的に奴の仕業だと思い込まされていたな。
「エルドレッド様をあんな男と一緒にするな!!」
「そんな事言っても、俺たちはエルドレッド君がどんな子か知らないもの。グレッグと同じ魔法使いで、部下に刃物振り回す過激少女と変装スパイ少年がいるってことくらいしか……あれ? 待って、めちゃくちゃ怪しくない?」
煽ってるなぁ……先生。カレンが見事に釣られて暴れそうになっている。
エルドレッドはもうずいぶん前に王都から離れている。よって、あの蝶がエルドレッドの仕業である可能性は低いけど……低いだけでゼロではない。だから先生はノアとカレンから情報を引き出すために、無理やりエルドレッドを巻き込んだのだ。
さすがに証拠が無い疑惑止まりで、エルドレッドがグレッグのような罰を受けることはないだろう。シエルレクトもあまり乗り気ではなかったようだし。でも、そんなことはノアとカレンには分からない。主がグレッグと同じ罰を受けるかもなんて匂わされたら恐怖でしかないはずだ。
「だからさぁ……エルドレッド君が事件と無関係であると証明するためにも、君たちが知っているグレッグの情報を洗いざらい教えて欲しいんだよ。つまり捜査協力だね。それでこちらが抱えている問題を解決することが出来たら、エルドレッド君の制裁は見送るよう掛け合ってやる。俺と取引をしようじゃないか」
先生がシエルレクトに事前に許可を取った理由がよく分かった。これでもかというほどあの神の名前を利用している。ハッタリをここまでもっともらしく話すとは……さすがとしか言いようがない。
ノアは俯いていた。主を案じる気持ち、先生に追い詰められる悔しさ……感情が交錯しているだろう。エルドレッドを盾にされた時点で彼らの選択肢は無くなっているが……一通り先生の話を聞いて、ノアとカレンはどう答えるだろうか。
ルーイ先生が三神の上役であると認知させることが、取引を成功させるためのふたつ目の課題であった。普段の先生からは想像も出来ない高圧的な雰囲気に彼の本気が伝わってきた。我々も気を引き締める思いで臨んだのだ。
その甲斐あってか、ノアの態度は最初と180度変わった。先生を侮るような言動も無くなった。カレンの方は……残念ながらまだ口の拘束すら外せる段階に至っていない。この子の初志貫徹を果たそうとする姿勢は大したものだけど、ひとつの事に固執するあまり周りが見えなくなっている。やはり精神面においてはノアの方が柔軟性があり大人であった。いけ好かないことに変わりは無いが……
「ルーイさん、最初にこれだけは教えて下さい。エルドレッド様は無事なんですか……」
「君の言う無事がどういう状態を指すのか分からないけど……俺たちはまだエルドレッド君に指一本触れていないよ」
エルドレッドの名前が出てきてからというもの、2人の動揺がより顕著に伝わってくる。それでも『手は出していない』という先生の言葉を聞いて、多少は安堵した風に見えた。
先生はいかにもエルドレッドが危機的状況にあるかのように伝えているけど、我々は彼の現在地すら知らない。手を出す以前の問題だった。
エルドレッドがシエルレクトの制裁を受けるかもという話自体は嘘ではない。実際にそうなるように仕向けることが先生には可能だという意味だ。エルドレッドを取引の道具にするために……
今回の取引において、先生がエルドレッドに目を付けなければ、彼が槍玉に挙がることは無かったかもしれない。自身も神であり、シエルレクトを始めとした神々のことを熟知している先生だからこその発想だった。この方が味方で良かった……ここ数日で何度そう思ったことか。
「さて……お互い自己紹介も終わった事だし、ようやく所期の目的を果たすことが出来そうだ」
「オレたちにして欲しい事があるとの話でしたが、よもや罪人を当てにするなんて……相当切迫していらっしゃるようですね」
「そうでもないさ。罪人のことは罪人に聞くのが一番だと思ったまでのこと……蛇の道は蛇ってね」
先生に屈したかのように見えていたが、ノアはまだ嫌味を言う元気があるみたいだな。残念ながら先生には全く効いていないけど。
「まあ、そんなツンケンしなさんな。大人しく聞かれた事に答えてくれさえすれば、こちらも相応に便宜を図ると言っている」
「……まずはエルドレッド様の身の安全を保証しろ」
「だからー、それは君たち次第だって」
「はぁ……分かりました。話を続けて下さい」
ノアはもう言い返す気力を削がれてしまったのか、完全にこちらの話を聞く体勢に入っている。これは先生の勝ちだな。レオン様も俺と同じ判断をしたようだ。ノアとカレンを威嚇する目的で発生させていた豪雨と雷撃が徐々に収まっていく。
「君たちから聞きたいのは、ある男についての情報だ。名前をグレッグという。エルドレッドと同じ魔法使いで、つい最近王宮のある島で事件を起こしたんだ。知ってるだろ?」
「ああ、あのしょうもないチンピラですね。奴は天空神の手にかかり死んだのではなかったですか」
「そう。せっかちなシエルレクトのせいで動機などの背景事情が何も分からないまま、犯人はこの世を去ってしまった。シエルはあれで始末を付けたつもりでいるのだから困ったものだよ」
先生はグレッグが死んだ経緯と、三神の関係性についてノアとカレンに説明をしている。シエルレクトは人間との関わりが強い神であるけど『侵さずの契り』については、ノアたちも初耳だったそうだ。
「エルドレッドが罰を受けるかもしれないのは、グレッグと同じ理由だ。彼にはメーアレクトのテリトリーである島で魔法を使った疑惑がある。俺たちは彼がグレッグの仲間の1人かもしれないと考えていたからね」
先生がここで言う魔法とは、島がサークスによる襲撃を受けた日の前日……中庭でクレハ様の周りを飛び回っていた、あの光る蝶のことだった。先生に指摘されて思い出したけど、あれはグレッグがやったとまだ確定していなかった。状況的に奴の仕業だと思い込まされていたな。
「エルドレッド様をあんな男と一緒にするな!!」
「そんな事言っても、俺たちはエルドレッド君がどんな子か知らないもの。グレッグと同じ魔法使いで、部下に刃物振り回す過激少女と変装スパイ少年がいるってことくらいしか……あれ? 待って、めちゃくちゃ怪しくない?」
煽ってるなぁ……先生。カレンが見事に釣られて暴れそうになっている。
エルドレッドはもうずいぶん前に王都から離れている。よって、あの蝶がエルドレッドの仕業である可能性は低いけど……低いだけでゼロではない。だから先生はノアとカレンから情報を引き出すために、無理やりエルドレッドを巻き込んだのだ。
さすがに証拠が無い疑惑止まりで、エルドレッドがグレッグのような罰を受けることはないだろう。シエルレクトもあまり乗り気ではなかったようだし。でも、そんなことはノアとカレンには分からない。主がグレッグと同じ罰を受けるかもなんて匂わされたら恐怖でしかないはずだ。
「だからさぁ……エルドレッド君が事件と無関係であると証明するためにも、君たちが知っているグレッグの情報を洗いざらい教えて欲しいんだよ。つまり捜査協力だね。それでこちらが抱えている問題を解決することが出来たら、エルドレッド君の制裁は見送るよう掛け合ってやる。俺と取引をしようじゃないか」
先生がシエルレクトに事前に許可を取った理由がよく分かった。これでもかというほどあの神の名前を利用している。ハッタリをここまでもっともらしく話すとは……さすがとしか言いようがない。
ノアは俯いていた。主を案じる気持ち、先生に追い詰められる悔しさ……感情が交錯しているだろう。エルドレッドを盾にされた時点で彼らの選択肢は無くなっているが……一通り先生の話を聞いて、ノアとカレンはどう答えるだろうか。
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