3 / 10
2
しおりを挟む
「おい流星、用事ってなんだったんだよ」
今は1時間目が終わった休み時間。
康介は不思議そうな顔で俺に尋ねる。
「あぁ…ごめん俺の勘違いだったわ」
「なんだよー急にあんなこと言い出すからびっくりしただろ…」
「ごめんな…気にしないでくれ」
嘘だ。
この気持ちに気づいて欲しい、俺の事気にして欲しい。
そんな心の奥底から、ドロドロと溢れ出そうになる言葉を呑み込む。
ガララ
「おい席に着け、授業始めるぞー」
「げっもう来たのかよ…じゃあまた後でな流星!」
「お…おう…」
はあ…と長い溜息が出る。
無理だ…さっきより気持ちは落ち着いたけど、康介と話すのは精神的にキツい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「で…あるからしてー…」
教師が話をしているが、さっぱり頭に入ってこない。
俺は勉強が得意じゃないから、教師が喋っていることはただのBGMになっている。
でも、いつもより教師の声が頭に入って来ない自覚はあった。
当たり前だ。俺にとって今一番重要なのは、授業よりも康介のことだ。
これからどうやって康介と過ごしていけばいいんだろうか?
授業なんてそっちのけで、そればかりを考える。
出来れば自分でこの気持ちに折り合いをつけて、康介の恋を応援してやりたい。
でも、どうしても諦めきれない自分がいる。
もう俺の心は限界だ。
1人で悶々と、ひたすら考えては葛藤する。
その時だった。
ふと窓の外から視線を感じた。
思わず視線を感じた方を見ると、体育の授業中であろうクラスの男と目が合う。
またあいつか……
実は、この視線は今日だけじゃない。前からこの視線には悩まされていた。
一之瀬蓮也
校内一イケメンと言われる男。
確かに身長は高いし、顔面偏差値も異常なほど高い。おまけに成績でも学年トップ。
そんな一之瀬は、体育の時間に俺のことを見つめる時がある。
最初は自意識過剰だと思っていたが、それは違った。
この視線は体育の時間だけではなく、何故かすれ違う時などにも感じる。
いつもその視線を感じる度に、彼の顔をチラリと見る。
目が合うと、何かを言いたげなそのグレーの瞳に、思わず吸い込まれそうになる。
でも、一之瀬との関わりはそれだけ。
俺は見た目も平凡で、別のクラスである一之瀬とは喋ったことすら無い。
つまり、一之瀬と直接的な関わりは一切無い。
一之瀬は俺に何を言いたいんだろう。
いつの間にか俺から視線を外し、サッカーをしている一之瀬のことをぼーと見つめる。
「るせ………成瀬!」
「は…はい!」
ここでやっと自分の名前を呼ばれていることに気づき、ハッとして立ち上る。
「成瀬…お前、授業聞いてなかっただろ!?今日の放課後、職員室に来い!補習だ!」
「は…はい…すみません」
ふと周りを見渡すと、クラスメイトが一斉にこちらを見ている。
その視線を感じ、思わず顔が赤くなる。
最悪だ…めちゃくちゃ恥ずい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
キーンコーンカーンコーン
「よーし…じゃあお前ら、よく復習しとけーあと成瀬、放課後忘れんなよ」
「わ…分かってます」
最悪な授業が終わった。やっと解放された。
でも、これから放課後に、あの教師の所に行くと考えると憂鬱になる。
ダラダラと机に突っ伏していると、康介が俺の顔を覗き込む。
「流星…いつもよりめちゃくちゃ上の空だったよな?もしかしてまた一之瀬?」
「…そうだよ…また見られてた」
「そっかーもういっそお前から話しかけてみれば?」
「俺にそんな勇気あると思うか?」
「あー無理だな笑」
正直、康介とは話したくないが、俺に話しかけてくる以上無視は出来ない。
「お前が最近悩んでる原因…もしかして一之瀬?」
「そうかも…」
本当は、康介のことで頭がいっぱいで、他の悩みの事は忘れていた。
しかし、そんなことを言えるはずもなく、そう答える。
そうかも…なんて曖昧に。
一之瀬のことは、康介に前から相談していた。
でも、何の解決にもなっていない。
これ以上考える余裕なんてないのに、更に放課後の補習の悩みも積み重なる。
俺って悩み事ばっかじゃん。
もう何も考えずに生きていたい。
こうして色々考えていると、あっという間に時間が過ぎ、いつの間にか放課後になっていた。
今は1時間目が終わった休み時間。
康介は不思議そうな顔で俺に尋ねる。
「あぁ…ごめん俺の勘違いだったわ」
「なんだよー急にあんなこと言い出すからびっくりしただろ…」
「ごめんな…気にしないでくれ」
嘘だ。
この気持ちに気づいて欲しい、俺の事気にして欲しい。
そんな心の奥底から、ドロドロと溢れ出そうになる言葉を呑み込む。
ガララ
「おい席に着け、授業始めるぞー」
「げっもう来たのかよ…じゃあまた後でな流星!」
「お…おう…」
はあ…と長い溜息が出る。
無理だ…さっきより気持ちは落ち着いたけど、康介と話すのは精神的にキツい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「で…あるからしてー…」
教師が話をしているが、さっぱり頭に入ってこない。
俺は勉強が得意じゃないから、教師が喋っていることはただのBGMになっている。
でも、いつもより教師の声が頭に入って来ない自覚はあった。
当たり前だ。俺にとって今一番重要なのは、授業よりも康介のことだ。
これからどうやって康介と過ごしていけばいいんだろうか?
授業なんてそっちのけで、そればかりを考える。
出来れば自分でこの気持ちに折り合いをつけて、康介の恋を応援してやりたい。
でも、どうしても諦めきれない自分がいる。
もう俺の心は限界だ。
1人で悶々と、ひたすら考えては葛藤する。
その時だった。
ふと窓の外から視線を感じた。
思わず視線を感じた方を見ると、体育の授業中であろうクラスの男と目が合う。
またあいつか……
実は、この視線は今日だけじゃない。前からこの視線には悩まされていた。
一之瀬蓮也
校内一イケメンと言われる男。
確かに身長は高いし、顔面偏差値も異常なほど高い。おまけに成績でも学年トップ。
そんな一之瀬は、体育の時間に俺のことを見つめる時がある。
最初は自意識過剰だと思っていたが、それは違った。
この視線は体育の時間だけではなく、何故かすれ違う時などにも感じる。
いつもその視線を感じる度に、彼の顔をチラリと見る。
目が合うと、何かを言いたげなそのグレーの瞳に、思わず吸い込まれそうになる。
でも、一之瀬との関わりはそれだけ。
俺は見た目も平凡で、別のクラスである一之瀬とは喋ったことすら無い。
つまり、一之瀬と直接的な関わりは一切無い。
一之瀬は俺に何を言いたいんだろう。
いつの間にか俺から視線を外し、サッカーをしている一之瀬のことをぼーと見つめる。
「るせ………成瀬!」
「は…はい!」
ここでやっと自分の名前を呼ばれていることに気づき、ハッとして立ち上る。
「成瀬…お前、授業聞いてなかっただろ!?今日の放課後、職員室に来い!補習だ!」
「は…はい…すみません」
ふと周りを見渡すと、クラスメイトが一斉にこちらを見ている。
その視線を感じ、思わず顔が赤くなる。
最悪だ…めちゃくちゃ恥ずい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
キーンコーンカーンコーン
「よーし…じゃあお前ら、よく復習しとけーあと成瀬、放課後忘れんなよ」
「わ…分かってます」
最悪な授業が終わった。やっと解放された。
でも、これから放課後に、あの教師の所に行くと考えると憂鬱になる。
ダラダラと机に突っ伏していると、康介が俺の顔を覗き込む。
「流星…いつもよりめちゃくちゃ上の空だったよな?もしかしてまた一之瀬?」
「…そうだよ…また見られてた」
「そっかーもういっそお前から話しかけてみれば?」
「俺にそんな勇気あると思うか?」
「あー無理だな笑」
正直、康介とは話したくないが、俺に話しかけてくる以上無視は出来ない。
「お前が最近悩んでる原因…もしかして一之瀬?」
「そうかも…」
本当は、康介のことで頭がいっぱいで、他の悩みの事は忘れていた。
しかし、そんなことを言えるはずもなく、そう答える。
そうかも…なんて曖昧に。
一之瀬のことは、康介に前から相談していた。
でも、何の解決にもなっていない。
これ以上考える余裕なんてないのに、更に放課後の補習の悩みも積み重なる。
俺って悩み事ばっかじゃん。
もう何も考えずに生きていたい。
こうして色々考えていると、あっという間に時間が過ぎ、いつの間にか放課後になっていた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
告白ごっこ
みなみ ゆうき
BL
ある事情から極力目立たず地味にひっそりと学園生活を送っていた瑠衣(るい)。
ある日偶然に自分をターゲットに告白という名の罰ゲームが行われることを知ってしまう。それを実行することになったのは学園の人気者で同級生の昴流(すばる)。
更に1ヶ月以内に昴流が瑠衣を口説き落とし好きだと言わせることが出来るかということを新しい賭けにしようとしている事に憤りを覚えた瑠衣は一計を案じ、自分の方から先に告白をし、その直後に全てを知っていると種明かしをすることで、早々に馬鹿げたゲームに決着をつけてやろうと考える。しかし、この告白が原因で事態は瑠衣の想定とは違った方向に動きだし……。
テンプレの罰ゲーム告白ものです。
表紙イラストは、かさしま様より描いていただきました!
ムーンライトノベルズでも同時公開。
目が合っちゃった!!
瀬名
BL
楽観的で悩みなんてない俺の世界には好きなもので溢れている。
そんな俺の新しい好きは同じ学校の先輩!
顔が良すぎる先輩は眼福で毎日先輩をこっそり眺める日々。
しかし眺めるだけで幸せだったのに目が合っちゃった!!
顔が良すぎる先輩と楽観的で小動物系な後輩の高校生二人の溺愛物語です
※高校の授業の内容を覚えていないので適当です
幼馴染がいじめるのは俺だ!
むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに...
「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」
「はっ...ぁ??」
好きな奴って俺じゃないの___!?
ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子
ーーーーーー
主人公 いじめられっ子
小鳥遊洸人
タカナシ ヒロト
小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。
姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。
高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、
脳破壊。
千透星への恋心を自覚する。
幼馴染 いじめっ子
神宮寺 千透星
ジングウジ チトセ
小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。
美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている)
転校生の須藤千尋が初恋である
余命半年の俺を、手酷く振ったはずの元カレ二人が手を組んで逃がしてくれません
ユッキー
BL
半年以内に俺は一人寂しく死ぬ。そんな未来を視た。きっと誰も悲しむ人は居ないだろう。そう思っていたから何も怖くなかった。なのにそんな俺の元に過去手酷く振り、今では世界的スターとなった元カレ二人がやってきた。彼らは全てを知っていた。俺がどうして彼らを振ったのか、そして俺の余命も。
全てを諦めた主人公と、主人公を諦めきれないイケメンサッカー選手とシンガーソングライターの再会が導く未来は?
藤崎さんに告白したら藤崎くんに告白してた件
三宅スズ
BL
大学3年生の鈴原純(すずはらじゅん)は、同じ学部内ではアイドル的存在でかつ憧れの藤崎葵(ふじさきあおい)に、酒に酔った勢いに任せてLINEで告白をするが、同じ名字の藤崎遥人(ふじさきはると)に告白のメッセージを誤爆してしまう。
誤爆から始まるBL物語。
お兄ちゃんができた!!
くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。
お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。
「悠くんはえらい子だね。」
「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」
「ふふ、かわいいね。」
律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡
「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」
ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる