【R-18・連載版】部長と私の秘め事

臣桜

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ケアンズ観光 編

ビコ

 荷物の整理を終えて尊さんと寛いでいると、部屋のチャイムが鳴った。

「はーい!」

 私は返事をし、パタパタと出入り口に向かう。

 というか、待たせてはいけないと思うので、面積のあるスイートルームを真面目に小走りしている。これがほんまもんのパタパタだ。

「いらっしゃいませ、ようこそー」

 ドアを開けて言うと、すかさず恵が「居酒屋か」と突っ込んでくれる。今日もキレッキレだ。

「お疲れ。とりあえずどうする? なんか食うか?」

 遅れて歩いてきた尊さんに言われ、涼さんと恵は顔を見合わせる。

「私は食べなくても大丈夫だけど、朱里は現地飯いっときたいんだよね。付き合うよ」

「ありがとー!」

「それじゃあ、観光がてらその辺ブラブラするか」

 尊さんに言われ、私たちはカードキーを手に部屋を出た。





 市街地に向かう前にホテルの敷地内を見てみると、建物の角にカギカッコみたいな形のプールがある。

 さすが南国という感じで、背の高いヤシの木が生えていて、こちらでは冬だけれど気分が上がる。

 私たちは半袖にパンツスタイル、スニーカーという動きやすい格好で、ゾロゾロと連れだって歩く。

 川岸まで行くと、遙か向こうに対岸が見える。

「向こうは森みたいになってるけど、マングローブが生えているんだ。あっちは海との境目で、この辺はトリニティ湾って呼ばれてる」

 涼さんは川のほうを指さして説明してくれ、私と恵は写真を撮る。

「このすぐ近くにナイトマーケットがあるから、夜はそこで食べようか。色々あるよ」

「わー! 楽しみ!」

 過去に恵と二人で台北に行った事があるけれど、その時の夜市も楽しかった。

「あ、俺ビコ行きたいけどいい? すぐ近くだから」

 尊さんが軽く挙手して言い、彼が望みを言うのは珍しいので、私はビコが何なのか分からないながらも頷いた。

「行きましょう!」

 そのあと、本当に歩いて五分ぐらいの所にアボット・ストリートがあり、尊さんのお目当てのアクセサリーショップがあった。

 すぐ隣にタピオカミルクティーのお店があり、ショッピングのあとに飲み尽くす事を決意した。

「わぁ、面白い。格好いい」

 店内に並んでいるのはシルバーアクセサリーで、系統で言えばクロムハーツとか、ああいうゴツイ系に分類される。

 でもどちらかというと、ハワイとかにありそうな、一つ一つの形に意味があるアクセサリーで、曲線とトゲトゲを絶妙に表現した〝ペガサス〟や〝ワシの羽〟〝風〟とかが格好いい。

 そして男性が好みそうなデザインが多いかと思いきや、意外とお花やハートモチーフもある。

 お店には日本人スタッフがいて、ビコのアクセサリーが好きでここで勤めているようだ。

 スタッフのお兄さんの話では、単品だけじゃなく、ペンダントトップを重ねてつけるのもアリみたいで、私は好みの形を探して組み合わせてみる。

 それぞれの意味を知って選ぶのも素敵だけれど、身につけるなら気に入った形がいいなと思ったからだ。

「へぇ……、いっすね……」

 恵は女性的なアクセサリーよりは、こういう感じが好きみたいで、珍しく興味を持ったらしく色々見ている。

 ペンダントトップ一つにつき、一万円少しなので、尊さんが買い与えてくれるハイジュエリーみたいに、バカ高い訳じゃない。

 かといって安い訳でもないけど、長く使える記念のアクセサリーならほしいと思えた。

 結局、尊さんは〝風〟と〝ペガサス〟の合わせ技、私は〝花束〟、恵は〝牡鹿〟、涼さんは〝ドラゴンフレイム〟と〝サンクティ〟を買った。

 それぞれ、割と太くてしっかりめのチェーン、またはレザーネックレスも買った。

 現地らしい物を買ってホクホクした私たちは、タピオカミルクティーを飲みに行く。

 お店はとてもお洒落で、カフェとかドリンクスタンドというより、アーティスティックな雰囲気だ。

 カウンターのある側は白い壁で、その向かいはレンガの壁になっている。

 木製のテーブルセットがあり、明るい雰囲気の店内の壁には、沢山のアートが飾られてあった。

 メニューは英語と中国語で書かれてあって、残念ながら私たちはパッと理解できない。

 けれどイラストが描いてあるのと、人間翻訳機が二人いるので、オーダーには困らなかった。
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