【R-18・連載版】部長と私の秘め事

臣桜

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ケアンズ観光 編

ナイトマーケット

 ナイトマーケットは商店街みたいなアーケードになっていて、入り口の天井にでかでかと英語のネオンが光っている。

「マンゴースムージーで有名な店があるんだ。まずそこで喉の渇きを癒そうか」

「はいっ、涼さんっ!」

 私がいい返事をすると、恵が「夏の心霊番組じゃないんだから……」と突っ込みを入れる。

 お店はアボット・ストリートから入ってすぐにあり、ノーマルなマンゴースムージーから、ソフトクリームがのった物など色々ある。

 どれも一品につきマンゴーをまるまる一個使っていて、贅沢なぐらい甘くてフルーティー!

 日本人も結構いるようで、歩いているとあちこちから日本語が聞こえてくる。

 洋服を売っているお店では、いかにも南の島! という柄物のワンピースをマネキンが着ていたりして、異国情緒がある。

「あ、俺、コーヒー買おうかな」

 そう言って、尊さんは近くにあったお店でフレーバーコーヒーを買っていた。

 私の大好きな、チョコやナッツのフレーバーなので、今から飲める時が楽しみになってしまう。

「キュランダ鉄道に乗る時、キュランダ村でもコーヒー豆が売ってるから、そこでも買っとく。朱里はプロポリスキャンディとか、お土産にどうだ? このMGO550+っていうのが、マヌカハニーの抗菌成分なんだ」

「へぇー!」

「800ぐらいになると、ピロリ菌にも抗菌作用が効くとか」

「すごーい! お母さんに買ってこ!」

 私がキャンディを手にとると、恵が「我も」と同じ物を手にする。

「でもね、本当はマヌカハニーが採れるマヌカの木は、世界中でニュージーランドにしかないんだ」

 涼さんに言われ、私と恵は「へー!」と感心する。

「そうなんですね。でもこっちも体に良さそうだからいいや!」

「『海泳いでニュージーランドに行く』って言うかと思った」

 恵にからかわれ、私は下唇を出して抗議する。

「いくら食いしん坊でも、キャンディのためにそこまでしませんよ~」

「私が病気で倒れて、ニュージーランドのマヌカハニーでしか治らないって言ったら?」

「行く!」

 私たちは冗談を言って盛り上がり、「あははは!」と笑う。

「尊……、女子が眩しいよ。恵ちゃんの笑顔プライスレス。俺にももっと冗談言ってほしいな」

「冗談言ってもらえる、面白い男になってみろよ」

「虹色アフロのヅラと、鼻眼鏡でもして、全身タイツを着ればいいのかな」

「中村さんが、猫みたいに警戒してる様子が目に浮かぶ……」

 私たちはそのあとも、例の道路標識のキーホルダーを買い、独特なアボリジニ柄の製品を見たり、巨大なドリームキャッチャーを見た。

 お菓子を売ってるお店もあって、珍しくてついつい手に取ってしまう。

 感動したのは、ザ・ペロペロキャンディという感じの、うずまき型の棒キャンディがあった事だ。

「すぐ近くにスーパーマーケットがあるから、そこも寄ろうか。現地の食べ物なら、そっちのほうが沢山あるはずだよ」

「わーい! 面白そうなカップ麺あるかな!」

「沢山あるよ~」

「イェーイ!」

 私は涼さんとハイタッチする。

「さっきのステーキで腹は膨れてるから、フードコートで適当に食ってスーパーマーケット行って、一旦ホテルで着替えて、カジノ見学しないか?」

「えーっ!? カジノ入っていいんですか? 捕まらない?」

「全然。行ってみたくないか?」

「興味あります! でも、ドレス持って来てないですよ?」

 ドキドキしつつ答えると、尊さんに頭を撫でられる。

「そこまでドレスコードが厳しい訳じゃねぇんだ。男は襟付きの服を着て、女性はワンピースならOK。ビーサンNG。その程度。ルーレットなら2.5オーストラリアドル……、まぁ、二百五十円ぐらいからできる」

「そんなにお手軽!? それで、スッテンテンになって、全裸になって追い出されるんですね?」

「マンガの見過ぎ」

 尊さんはクスクス笑って、向かいから来た人に私がぶつからないように、グイッと肩を引いた。

「三千円ぐらいまで、とか決めて安全に遊べるよ」

「へー、興味あります。……というか、賭け事は怖いから、雰囲気見るだけでいいかな」

 恵が消極的な事を言うので、私は発破をかけた。

「私がルーレットで赤に入れて勝ったら、恵バニーガールコスね!」

「なんでやねん!」

「じゃあ、俺、黒!」

 当然のように涼さんが乗り、恵は「ああもう……」と手で額を抑える。
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