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カジノ 編
カジノビギナー
私たちはそこで記念撮影をし、しばし映像を楽しんでからカジノへ向かった。
「うわぁ……」
カジノには勿論行った事ないけれど、イメージしていた通り、華やかでカラフルな場所だ。
広いスペースには様々なゲームの〝島〟があり、金色のライトで照らされた下、ルーレットやスロットマシーンなど、見慣れない物が並んでいる。
ディーラーさんの中には、女性もいてとても格好いい。
カジノは大人の世界なので、お酒ありきと思っていたけれど、酷く酔っぱらった人はNGなようで、最初に軽いアルコール検査があった。
勿論、カジノ内にあるレストランではお酒を提供しているから、最初からできあがっている人を弾くためのチェックだろう。
ナイトマーケットで食事をした時、尊さんが『アルコールなしな』と言っていたのは、これを見越してだろう。
それに加えて軽い持ち物検査もあったけれど、本当に簡単なチェックだ。
加えて尊さんがドレスコードについて『そんなに気にする事はない』と言っていたように、中にはTシャツと短パン姿のおじさんもいた。
「予算はどうする?」
尊さんに尋ねられ、私と恵は顔を見合わせる。
「……賭け事だし、あんまりお金使ってもお小遣い勿体ないから……」
「んだ」
庶民代表としてビビっていると、涼さんが陽気に言った。
「よし! じゃあ、まず恵ちゃんは予算五万円まで遊んでみようか!」
「勿体ないからいいです!」
「じゃあ、朱里もそれぐらいいってみるか。俺が出すから心配すんな」
「いや、そんなにお金投げるなら、お肉食べたいです」
真顔で答えると、三人が横を向いて「ぶふっ」と噴き出した。
「滅多に経験できない事だし、俺の金だから遊んでおけよ」
「えぇ……。一万円でも多いぐらいなのに」
「たまには無駄金使ってみる経験もしてみれば?」
「うーん……。……うん、じゃあ、一万円分だけ」
「よしきた」
尊さんは頷き、百オーストラリアドルを、チップに両替した。
ちなみに尊さんと涼さんは、五百オーストラリアドルを両替していた。強い。
「じゃあ、私も同じだけ」
恵が言って自分のお財布を探ろうとすると、涼さんが「ノンノン」と言ってサッと両替してしまった。
「はい、恵ちゃんのお小遣い」
「ありがとうございます」
二人はチップを入れるためのケースも買ってくれ、私と恵は物珍しくチップを見る。
色とりどりのチップは、普通の硬貨より大きくて、直系四センチはありそうで、厚みもある。
「これ、色は何の意味があるんですか? 値段?」
尋ねると、涼さんが答えてくれた。
「そう。真ん中に数字が書いてあるでしょ。一ドル、五ドル、二十五ドル……って、値段に応じて色が変わっていくんだ。勝った時にジャラジャラ持ち歩くのは邪魔だからね。最高二万五千ドルのチップもあるよ」
「ほえー」
感心した私は、受付でもらった日本語の〝遊び方〟に目を通す。
丁寧にこういう物が用意されているのはありがたいけれど、やっぱり慣れない物は不安だ。
「一番簡単なのはルーレットだから、やってみたら?」
尊さんに言われ、私と恵は顔を見合わせて手を繋ぐ。
「その不安そうな感じ、可愛い……! 守ってあげたい……!」
涼さんはいつもテンションが高いけど、今回は海外に来ていつもより何割かパワーアップしているように思える。
「じゃあ……、やってみる? 朱里、赤入れなよ。私、黒にする。勿論、さっきのバニーは冗談ね」
「うん、やってみよう」
おずおずと決意を固めた私たちの後ろで、涼さんはガックリと項垂れていた。
「バニーが……」
「そんなにバニーが好きなら、涼さんが着たらどうですか? 見るだけなら見てあげますよ」
「恵ちゃんが冷たい目で俺を見るのが容易に想像できる……」
「筋肉質な体のでけぇバニー、最悪だな」
「何言ってるんだよ。尊も道連れに決まってるだろ」
「マジか。逃げるわ」
「うわぁ……」
カジノには勿論行った事ないけれど、イメージしていた通り、華やかでカラフルな場所だ。
広いスペースには様々なゲームの〝島〟があり、金色のライトで照らされた下、ルーレットやスロットマシーンなど、見慣れない物が並んでいる。
ディーラーさんの中には、女性もいてとても格好いい。
カジノは大人の世界なので、お酒ありきと思っていたけれど、酷く酔っぱらった人はNGなようで、最初に軽いアルコール検査があった。
勿論、カジノ内にあるレストランではお酒を提供しているから、最初からできあがっている人を弾くためのチェックだろう。
ナイトマーケットで食事をした時、尊さんが『アルコールなしな』と言っていたのは、これを見越してだろう。
それに加えて軽い持ち物検査もあったけれど、本当に簡単なチェックだ。
加えて尊さんがドレスコードについて『そんなに気にする事はない』と言っていたように、中にはTシャツと短パン姿のおじさんもいた。
「予算はどうする?」
尊さんに尋ねられ、私と恵は顔を見合わせる。
「……賭け事だし、あんまりお金使ってもお小遣い勿体ないから……」
「んだ」
庶民代表としてビビっていると、涼さんが陽気に言った。
「よし! じゃあ、まず恵ちゃんは予算五万円まで遊んでみようか!」
「勿体ないからいいです!」
「じゃあ、朱里もそれぐらいいってみるか。俺が出すから心配すんな」
「いや、そんなにお金投げるなら、お肉食べたいです」
真顔で答えると、三人が横を向いて「ぶふっ」と噴き出した。
「滅多に経験できない事だし、俺の金だから遊んでおけよ」
「えぇ……。一万円でも多いぐらいなのに」
「たまには無駄金使ってみる経験もしてみれば?」
「うーん……。……うん、じゃあ、一万円分だけ」
「よしきた」
尊さんは頷き、百オーストラリアドルを、チップに両替した。
ちなみに尊さんと涼さんは、五百オーストラリアドルを両替していた。強い。
「じゃあ、私も同じだけ」
恵が言って自分のお財布を探ろうとすると、涼さんが「ノンノン」と言ってサッと両替してしまった。
「はい、恵ちゃんのお小遣い」
「ありがとうございます」
二人はチップを入れるためのケースも買ってくれ、私と恵は物珍しくチップを見る。
色とりどりのチップは、普通の硬貨より大きくて、直系四センチはありそうで、厚みもある。
「これ、色は何の意味があるんですか? 値段?」
尋ねると、涼さんが答えてくれた。
「そう。真ん中に数字が書いてあるでしょ。一ドル、五ドル、二十五ドル……って、値段に応じて色が変わっていくんだ。勝った時にジャラジャラ持ち歩くのは邪魔だからね。最高二万五千ドルのチップもあるよ」
「ほえー」
感心した私は、受付でもらった日本語の〝遊び方〟に目を通す。
丁寧にこういう物が用意されているのはありがたいけれど、やっぱり慣れない物は不安だ。
「一番簡単なのはルーレットだから、やってみたら?」
尊さんに言われ、私と恵は顔を見合わせて手を繋ぐ。
「その不安そうな感じ、可愛い……! 守ってあげたい……!」
涼さんはいつもテンションが高いけど、今回は海外に来ていつもより何割かパワーアップしているように思える。
「じゃあ……、やってみる? 朱里、赤入れなよ。私、黒にする。勿論、さっきのバニーは冗談ね」
「うん、やってみよう」
おずおずと決意を固めた私たちの後ろで、涼さんはガックリと項垂れていた。
「バニーが……」
「そんなにバニーが好きなら、涼さんが着たらどうですか? 見るだけなら見てあげますよ」
「恵ちゃんが冷たい目で俺を見るのが容易に想像できる……」
「筋肉質な体のでけぇバニー、最悪だな」
「何言ってるんだよ。尊も道連れに決まってるだろ」
「マジか。逃げるわ」
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