【R-18・連載版】部長と私の秘め事

臣桜

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カジノ 編

ルーレット

 私は二人のやり取りを見てケラケラ笑い、冗談の提案をする。

「じゃあ、四人でバニーになって、横並びで手を繋いで『白鳥の湖』の群舞やるのどうですか?」

 そう言って、私は「ズッチャッズッチャッズッチャッズッチャッ」と口ずさみながら、両手を斜めに、がに股足踏みをする。

「それってちょっと、グランディーババレエ団入ってない?」

 恵に指摘され、私は「あははっ、バレた?」と笑う。

「朱里ちゃんって面白いよね」

「ゆかいな女だろ?」

 二人が言うなか、私は恵と横並びになって手を交差させて繋ぎ、『白鳥の湖』ごっこをする。

「あははは! 恵ちゃんまで! おっかし……」

 恵はこういう事に乗らないタイプに見えるけれど、私が誘った時に限りちょっとだけやってくれるのだ。

「脱線しましたけど、ルーレットいきましょうか」

「んだ」

 私たちがキリッと真顔になると、それを見た涼さんはさらにヒイヒイ笑った。





 ルーレットは言わずもがな、ディーラーさんがウィールというグルグル回る所に白いボールを回転とは反対回りに投げ入れ、どこに入るかを予測するゲームだ。

 なお、1から36までの数字に付けられた色は固定で、たとえば9は赤なので、黒の9という当たりはない。

 ディーラーさんが「プレイス・ユア・ベット(お賭けください)」と言ったら、ベッティングエリアにルーレット専用のカラーチップを置く。

 そのあとディーラーさんが「スピニングアップ(ボールを回します)」と言ってボールを回し入れ、「ノーモア・ベット(賭けは締め切りです)」と言うまでは、自由にチップを置ける。

 そのあと結果が出て、ディーラーさんが当たった色、数字の場所にマーカーと呼ばれる目印を置き、外れの人のチップを回収していく流れだ。

 そのあと当たった人には配当のチップが与えられ、マーカーを外す事でワンゲームが終わる。

 賭け方は色々あって、私が想像していたように、赤か黒の何番と、ピンポイントでやらなくてもいいみたいだ。

 ベッティングエリアには1から36の数字が三列ずつ書かれたマスの他に、1から12のグループを一括りにしたファーストダズン、セカンドダズン(13から24)、サードダズン(25から36)の範囲指定したマスがある。

 他にもローナンバーと呼ばれる1から18のマス、ハイナンバーと呼ばれる19から36のマス、イーブンという偶数マス、オッドという奇数マス、加えて赤と黒のマスがある。

 他にも数字の縦の列に賭ける、ファーストコラム、セカンドコラム、サードコラムがある。

 アウトサイドベットという賭け方は、数字マス以外にチップを置く方法で、範囲が広いので勝てる確率は高いけれど、配当金は低い。大体、二倍から三倍だ。

 インサイドベットという方法は数字を指定する賭け方で、中でも一マスだけに賭けるストレートアップは三十六倍の配当金が得られる。

 二マスに賭けるのはスプリットと言い、十八倍の配当金になる。十四と十五なら、その間にチップを置く。

 ストリートは三マス賭けで、たとえば二十八、二十九、三十の横一列に賭けるなら、その端にチップを置く。配当金は十二倍だ。

 四マスの中央にチップを置くコーナーは九倍、0、00、1、2、3の五つの数字に賭けるファーストファイブは七倍、六マスに賭けるラインは六倍だ。

 尊さんの話では、グルグル回るウィールにも、世界中のカジノで種類があるらしく、36までの数字と0と00があるのはアメリカンタイプ、ヨーロピアンタイプは00がなく、マカオタイプは36までの数字とカジノのマークがある。

 当然、マス目が少なくなるほど当たる確率が高くなる。

「わ~、ドキドキする!」

「まず俺と尊がやってみるから、ワンゲーム見学したら?」

「はい!」

 二人とも慣れた様子で席に着き、カラーチップをベットしていく。

 私は尊さんの背後に立ち、両肩に手を置いた。

「ん?」

「運が上がりますように! 念を送ってます」

「ははっ、サンキュ。御利益ありそうだな」

 私と恵はドキドキしながらルーレットの様子を見守る。

 と、恵がボソッと言った。

「『スピニングアップ』って、丁か半かの『入ります』と同義だよね」

「ぶふっ、それ!」

 そんな話をしていると、あっという間にボールが赤の27に入り、尊さんが「よしっ」と小さくガッツポーズをとり、涼さんとハイタッチした。
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