【R-18】主の愛でたる花の名は【挿絵付】

臣桜

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初めての絶頂 ☆

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「く、くすぐったいです。穂積さん」
「じっとしてて。できれば風呂蓋の上に寝て」
「あ、は、……はい」

 風呂蓋は本来乗るものではないので、もしかしたら壊れてしまって湯の中へ落ちてしまうかもしれない。怯えつつも、夜花はそっと木製の風呂蓋の上に背中を落としていった。

 背中の向こうで板がたわむのを感じ、少し恐怖を感じる。
 落ちてしまったら怖いし、お湯の中へ背中から裸で落ちてしまう姿を穂積に見られるのは恥ずかしい。

 けれどそんな思いも、ピチャリと水音と共に訪れた穂積の舌によって、あっという間に紛れていった。
 穂積の舌が平たく夜花の花びらに押しつけられる。柔らかい肉と肉が馴染んでゆくように、たっぷりと唾液を纏わせて柔らかくした舌を蠢かせる。

「あ……、……あ、あぁ」

 今まで誰にもそんな事をされた事のない夜花は、先ほどシャワーで流したとはいえ、恥ずかしくて堪らない。
 大事な部分に男の熱い息を感じ、秘めるべき乙女の秘密を舐められている。

「穂積さん……っ、そんな所汚いです!」
「大丈夫、綺麗だよ。とっても美味しい」

 言葉遣いは紳士的だったが、穂積が言っている事はとても卑猥だ。

 深緑色の目は煽情的に濡れ、時折腰が痺れる程の強さで夜花を見上げてくる。その目に宿る情熱は、好きだと思った花女を抱ける喜びからなのか、己の花卉を見た初めての女への欲なのか――。
 意志を持った肉が、とろみを纏って夜花の敏感な場所を往復する。ヌメヌメと嬲られる度、夜花は体に電撃が走ったかと思う強い快楽を得た。自然と体が緊張し、両手が狂おしく穂積の髪をかき回す。

「夜花、緊張していたら俺もやり辛いから、もっと『気持ちいい』という感覚に素直になって」
「あ……ぅ、は、はい」

 意識的に体の力を抜こうと試みても、想い人が自分の股間に顔を寄せて舐めていると思うと、リラックスしろだなんて難題そのものだ。
 けれど夜花は、真面目な彼女らしくできるだけ穂積がやりやすいようにと、震えながらも体の力を抜く事に努めた。
 その努力を褒めるように穂積の手は優しく夜花の内腿を撫で、舌はまるで夜花の花びらに同化してしまったかのように、柔らかく優しく蠢き続ける。

「あ……、あの……、私、変じゃないですか?」

 下半身からじわじわとした熱が全身に回り、夜花の意識はまるで雲の上を飛んでいるようにフワフワとしていた。

 こんな――「気持ちいい」は初めてだ。

 恥ずかしいけれども、こんなに優しくて気持ちいい事は体験した事がないので、「もっとして欲しい」と思ってしまう。

「変じゃないよ。とっても可愛い。夜花が気持ちよくなってる証拠に、たっぷり蜜が溢れてるよ」
「やぁ……っ」

 穂積の言葉に夜花は恥じらい、か細い悲鳴をあげて湯気が充満する天井を見上げた。

 今まで花女として色っぽい制服を着ているからか、先輩花女が性的サービスをしているからか、仕事中の夜花に卑猥な言葉を言ってきた客はいた。

 その時は嫌な思いをしながらも笑ってやり過ごしたが、今は全く違う。嫌だと思うどころか、恥ずかしいのに「もっと言って欲しい」と思ってしまう。

(私、いやらしい子だ。……どうしよう)

 自分が見せる初めての面に当惑しながら、夜花の白い乳房がふるりと震えた。

「あ……、あぁ、……あ、ぁ」

 穂積の口元が己の唾液と夜花の蜜とでベトベトになった頃、穂積の舌先が少し尖って夜花の裂け目を下から上へ掬い上げた。

「ひぁっ!」

 途端、夜花の腰にビリッと刺激が橋って足が跳ね上がる。
 それまではうっとりするような気持ちよさだったのに、今度は同じ「気持ちいい」でも鋭い感覚だ。そんな強い「気持ちいい」が何度もあったら、自分はどうなってしまうのだろうと夜花は恐怖を感じた。

「大丈夫」

 また穂積がそう宥めて、力を抜いて柔らかくした唇全体で夜花の下の唇を慰めてから、今度は彼女の小さな真珠を口に含む。

「いやぁぁっ!」

『そこ』は知っている。
『そこ』はたまに自分でも弄ってみる場所で、とても敏感なのは自分自身が痛いほどに分かっている。

 ――怖い!

 夜花が本能的に脚を閉じようとするよりも先に、『それ』はきた。

「っあぁあああ!」

 穂積の唇が優しく夜花のさやを包み、舌先がチロリ、チロリと敏感な真珠をかする度に夜花は体に電気をかけられたように、びくんびくんと腰を跳ねさせる。

「……っはぁ、気持ちいい、かい?」
「あぁあっ、やぁああっ! きもち、い、……いっ!」

 最早自分がはしたない言葉を口にしているのも気付いていなく、夜花は必死になって初めての快楽に悶えていた。しなやかな指が穂積の黒髪を掻きまわし、その官能的な指使いが更に穂積を燃え立たせるという事に彼女は知らない。
 穂積の柔らかな舌がちょんちょんと夜花の真珠をつつく度に、夜花は甘ったるい声を上げながら泣き叫んでいた。

「あああぁんっ、穂積さんっ、そこっ、そこ、駄目、です……っ」

 夜花の太腿がむっちりと穂積の顔を挟み、穂積は苦しむどころかその餅のような感触にうっとりとしていた。
 それでも窒息しない程度に夜花の太腿を押さえ、暫くそうやって夜花をじわじわと追い詰めていた。しかしふと薄っすらと笑った後に、舌をチロチロと速く動かして夜花にとどめを刺す。

「いやああああぁっ! ああぁああぁああっ!」

 今度は雷に打たれたような強い快楽が体の隅々までを駆け巡り、夜花が手足をつっぱらせてあっという間に絶頂に達した。
 腕の中の夜花がビクッビクッと震えるのを感じ、穂積は舌の動きをすぐには止めずにほんの少ししつこく攻めてから、口元から糸を引きつつ上体を起こす。

「……っあっ、……ぁ、――あ、あぁ……っ」

 すっかり発情した穂積の目には、真っ白な肌を晒した夜花があられもない格好で寝転んだまま、息も絶え絶えという風に小さく震えていた。

 男は射精が終われば絶頂が終わったのは分かるが、女性は性器が体の奥に隠れている上に、絶頂の達し方も本人にしか分からない。

 今、彼女の花卉はどのように色づいているのかと思いながら、穂積は夜花を落ち着かせるように優しく腹部や腰を撫で始めた。

 濡れた黒髪を白い肌に張り付かせ、瑞々しい双丘がまろやかに上下している。
 目の前の夜花は、先日二十歳になったばかりと聞いたが、大人しそうな外見と長い睫毛、思慮深い目元から、年齢よりも上に見られる事も多いと言う。

 地方から出てきて人を癒すスペシャリストになりたいと花女になり、そんな純粋な彼女をこんな風にしてしまって、穂積だって罪悪感を抱いていない訳ではない。

 自分が咲かせた花なら、責任をもって最後まで愛でたい。

 そっと覚悟をする穂積の気持ちは、初恋をしたばかりの夜花に届いているのか――。

「ん……」

 意識を飛ばしていた夜花が小さく呻いて睫毛を震わせ、自分が風呂蓋の上に寝ていると気付いて慎重に体を起こした。

「大丈夫? 夜花」

 穂積の優しい目が正面から夜花を貫き、夜花は自分が穂積の前で気持ち良くて意識を失ってしまった事を知り、恥じらって顔を伏せる。

「……だ、大丈夫です。……けど」
「けど?」

 消え入りそうな返事に穂積は言葉の先を促し、不安定な風呂蓋の上から夜花を下ろした。

「す……、凄かった……。です」
「…………」

 その言葉は男冥利に尽きる。穂積は己の中の欲望が、さらに燃え上がるのを嫌でも感じていた。

(……この可愛さは天然なのか……)

 いつも目にするのは清純な夜花で、艶姿を想像する事さえ罪深いと思わせるような女性だ。それなのに実際こうやって肌に触れ、尚且つそんな可愛らしい事を言われては、男を煽っているとしか思えない。

「じゃあ、もっと凄い事を体験してみるかい?」
「えっ?」

 ドキッとして夜花は穂積を見ると、彼の黒い目の中に情熱の炎が揺らめいているのを感じた。
 彼の中の花卉は花という色にしては炎のような色に近く、花びらもまた縁が炎のように揺らめいているようにも見える。

 ――この人、本当に私の事を求めてくれている。

 花卉が見えた夜花はそれに感動し、先ほどまでとは違う意味で目を潤ませて頷いた。

「穂積さんが求めるなら……、不束者ですが、どうぞ宜しくお願い致します」

 慎ましく挨拶をする夜花は、まるで嫁入りするようだ。

「そんなに緊張しなくていいよ。風呂場というのも興奮するが、硬い場所で体を痛めてはいけないから、体を拭いて床へ戻ろう」
「……はい」

 体を流したとはいえ、まだ完全に洗った訳ではないと思った夜花は、「お背中を軽くお流しします」と声を掛けた。『吉野』独自で入手している花の香りがするバスジェルを手に取り、穂積と自分の体を洗い流す事にした。
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