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意地悪な勉強会6 ☆
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「う……、あぁっ」
意識が飛んでしまいそうなぐらいの快楽の波でたゆたっていた夜花が、穂積が自分の中に入って来る感覚にうめき声をあげる。
腰回りの柔らかい肉に穂積の指先が食い込むのを感じ、夜花はただただ必死になって手探りに探した羽根枕を両手で掴んだ。
「……く」
何かに堪えるような息を漏らしながら穂積が抽送を始め、強すぎる刺激を与えられ真っ白になった直後に、夜花はただ蹂躙されるだけだ。
「い、ああぁっ、やっ、あ、うぅっ」
大きな質量が中へ押し入っては抜けそうになり、その度に自分の体の中が強く圧迫されるのを感じる。苦しい、とつい思ってしまいそうなその摩擦と圧迫は、時間が経つ度に夜花を狂わせていくだけだった。
ハ、ハ、と二人の息遣いがシンとした部屋に満ち、見えないはずの空気は桜色に色づいている気がする。
穂積が腰を進めると、夜花の襞が抵抗を見せながら愛液で滑らせて受け入れ、穂積が腰を引くと夜花の襞は名残惜しそうに彼を締めながら吐き出してゆく。
時折穂積が動きに変化を咥え、ねっとりと円を描くように夜花の中を掻きまわすと、思わず呼吸が止まった。
「ほ……っ、ほづっ、み、さんっ、……も、ゆ……っしてっ」
トロトロに蕩けた声で夜花が許しを請うても穂積は動きを止めず、代わりに夜花の頭を撫でてから髪を掻き分け、その背中に浮き上がった物を凝視する。
(何だ……、これは……)
どう見ても花、のように見える。
だがそれは穂積が見た事のない形をしていて、何の花なのか分からない。
目の前にあるその不思議な痣を見つめながら穂積は腰を動かし続け、夜花が楽に達せるように片手を前の方へ持って行った。
「あっ、……ぁ、あ、ほ、づみ、さぁんっ」
甘い声をあげて悶え狂う夜花の最たる場所に指先を這わせ、優しく撫でて刺激を与えると、夜花は鋭い悲鳴を上げて体を緊張させる。
たっぷりとした前戯を受けた後に、尻を叩かれて自分でもよく分からない快楽を受けた夜花は、休む暇もなく挿入、抽送を受けて余裕がなくなっていた。
「動かないで」と言いたいのに「もっと」と言ってしまいそうになる、はしたない自分もいる。
その間も穂積は自分の中で蠢き続け、彼の腰が前後する度に夜花は胎を内側からめくられてしまうような感覚に陥っていた。
「あぁあんっ、あっ、あぁっ、ほ、づみさんっん、あぁっ」
泣いて縋るような声を出しながら夜花は必死になって枕を掴み、その下半身を穿つ熱から逃れようとしているようだった。
このままでは下半身から体が熱く溶けてしまって、穂積に食べられてしまう。
そんな幻想にも似た恐れを抱き、だがその恐れと同じぐらいに気持ちいいと思っているのだから始末が悪い。
まさに「癖になってしまいそう」な快楽の中、夜花は体を前後させられながら体の中を甘い桃のエキスが物凄い勢いで流れているような幻想を味わっていた。
甘くて、透明で、物凄い勢いで。
それに押し流され――、あっという間に頭が真っ白になってしまうまで上り詰めた夜花は、そのまま体を弛緩させて気を失ってしまった。
「あっ……、く、――ぅ、あ」
そして夜花にきつく締め付けられた穂積は、彼女の背中にある謎の花の痣を撫で回しながら、後を追うようにして自分も達した。
**
「あぁ……、そろそろ時間だね」
ベッドサイドに置いてある懐中時計を見て穂積が残念そうに呟き、それを聞いて夜花は溜息を洩らした。
二人の体温で温まったベッドの中で睦言を交わし、互いの生活の事や桜姫試験の事などについて飽きる事なく会話をしていたのだが、時間というものは無情に流れるものである。
「次はいつ会えますか?」
気だるそうに体を起こした夜花がすがる様な目つきで穂積に尋ねると、彼は安心させるように緩く笑った。
「最近は俺も割とスケジュールがきつくなっているんだ。桜姫試験が近付いているから、その試験問題や面接、実技の打ち合わせなどもある。会場設備の監督や、それらの書類をまとめて上に報告したり……。当たり前に疲れは体に出てくるから、その時はまた店に向かうよ」
「そう……ですよね。私が試験に向けて勉強しているなら、穂積さんだって同じようにお忙しいですよね」
物分かりのいい返事をしたものの、夜花の目は多少の失望の色を纏っていた。
「すまない、夜花。でもお互いの将来のためだから、二人で頑張ろう。離れていても俺は君を応援する」
「はい」
頷いた夜花はスルリとベッドから下り、石鹸の香りをさせる肌の上に下着をはじめ着物を纏ってゆく。
その背中にはもう、行為の途中に見た不思議な花の痣はなかった。
「夜花は……血筋的に不思議な体質とか、そういうのはあるのかい?」
「え?」
簪を口に咥えた夜花が振り向き、きょとんとした顔のまま帯を締めてゆく。
「例えば……、体温が上がったら痣が浮かび上がるとか」
穂積の言葉に夜花は小さく首を傾げ、思考を巡らせてみるが思い当たる節はない。
「どうしてですか?」
「いや……」
親にも聞かされていない事なら、もしかしたら『あれ』を知っているのは自分だけかもしれない。花女という存在が人の花卉を見るように、自分が見込んだこの夜花という女性は、特別な『何か』を持っているのかもしれない。
伝えようかと一瞬迷ったが、現状伝えても伝えなくてもあまり変わりのない事だと判断した。
仮に今ここで夜花の体質の不思議を教えて、彼女の勉強の妨げになっては本末転倒だ。
「試験中にキスマークが試験官に見えてしまったらいけないと思ってね」
悪戯っぽくそう誤魔化すと、夜花は顔を赤くして自分の首筋に手をやっていた。
意識が飛んでしまいそうなぐらいの快楽の波でたゆたっていた夜花が、穂積が自分の中に入って来る感覚にうめき声をあげる。
腰回りの柔らかい肉に穂積の指先が食い込むのを感じ、夜花はただただ必死になって手探りに探した羽根枕を両手で掴んだ。
「……く」
何かに堪えるような息を漏らしながら穂積が抽送を始め、強すぎる刺激を与えられ真っ白になった直後に、夜花はただ蹂躙されるだけだ。
「い、ああぁっ、やっ、あ、うぅっ」
大きな質量が中へ押し入っては抜けそうになり、その度に自分の体の中が強く圧迫されるのを感じる。苦しい、とつい思ってしまいそうなその摩擦と圧迫は、時間が経つ度に夜花を狂わせていくだけだった。
ハ、ハ、と二人の息遣いがシンとした部屋に満ち、見えないはずの空気は桜色に色づいている気がする。
穂積が腰を進めると、夜花の襞が抵抗を見せながら愛液で滑らせて受け入れ、穂積が腰を引くと夜花の襞は名残惜しそうに彼を締めながら吐き出してゆく。
時折穂積が動きに変化を咥え、ねっとりと円を描くように夜花の中を掻きまわすと、思わず呼吸が止まった。
「ほ……っ、ほづっ、み、さんっ、……も、ゆ……っしてっ」
トロトロに蕩けた声で夜花が許しを請うても穂積は動きを止めず、代わりに夜花の頭を撫でてから髪を掻き分け、その背中に浮き上がった物を凝視する。
(何だ……、これは……)
どう見ても花、のように見える。
だがそれは穂積が見た事のない形をしていて、何の花なのか分からない。
目の前にあるその不思議な痣を見つめながら穂積は腰を動かし続け、夜花が楽に達せるように片手を前の方へ持って行った。
「あっ、……ぁ、あ、ほ、づみ、さぁんっ」
甘い声をあげて悶え狂う夜花の最たる場所に指先を這わせ、優しく撫でて刺激を与えると、夜花は鋭い悲鳴を上げて体を緊張させる。
たっぷりとした前戯を受けた後に、尻を叩かれて自分でもよく分からない快楽を受けた夜花は、休む暇もなく挿入、抽送を受けて余裕がなくなっていた。
「動かないで」と言いたいのに「もっと」と言ってしまいそうになる、はしたない自分もいる。
その間も穂積は自分の中で蠢き続け、彼の腰が前後する度に夜花は胎を内側からめくられてしまうような感覚に陥っていた。
「あぁあんっ、あっ、あぁっ、ほ、づみさんっん、あぁっ」
泣いて縋るような声を出しながら夜花は必死になって枕を掴み、その下半身を穿つ熱から逃れようとしているようだった。
このままでは下半身から体が熱く溶けてしまって、穂積に食べられてしまう。
そんな幻想にも似た恐れを抱き、だがその恐れと同じぐらいに気持ちいいと思っているのだから始末が悪い。
まさに「癖になってしまいそう」な快楽の中、夜花は体を前後させられながら体の中を甘い桃のエキスが物凄い勢いで流れているような幻想を味わっていた。
甘くて、透明で、物凄い勢いで。
それに押し流され――、あっという間に頭が真っ白になってしまうまで上り詰めた夜花は、そのまま体を弛緩させて気を失ってしまった。
「あっ……、く、――ぅ、あ」
そして夜花にきつく締め付けられた穂積は、彼女の背中にある謎の花の痣を撫で回しながら、後を追うようにして自分も達した。
**
「あぁ……、そろそろ時間だね」
ベッドサイドに置いてある懐中時計を見て穂積が残念そうに呟き、それを聞いて夜花は溜息を洩らした。
二人の体温で温まったベッドの中で睦言を交わし、互いの生活の事や桜姫試験の事などについて飽きる事なく会話をしていたのだが、時間というものは無情に流れるものである。
「次はいつ会えますか?」
気だるそうに体を起こした夜花がすがる様な目つきで穂積に尋ねると、彼は安心させるように緩く笑った。
「最近は俺も割とスケジュールがきつくなっているんだ。桜姫試験が近付いているから、その試験問題や面接、実技の打ち合わせなどもある。会場設備の監督や、それらの書類をまとめて上に報告したり……。当たり前に疲れは体に出てくるから、その時はまた店に向かうよ」
「そう……ですよね。私が試験に向けて勉強しているなら、穂積さんだって同じようにお忙しいですよね」
物分かりのいい返事をしたものの、夜花の目は多少の失望の色を纏っていた。
「すまない、夜花。でもお互いの将来のためだから、二人で頑張ろう。離れていても俺は君を応援する」
「はい」
頷いた夜花はスルリとベッドから下り、石鹸の香りをさせる肌の上に下着をはじめ着物を纏ってゆく。
その背中にはもう、行為の途中に見た不思議な花の痣はなかった。
「夜花は……血筋的に不思議な体質とか、そういうのはあるのかい?」
「え?」
簪を口に咥えた夜花が振り向き、きょとんとした顔のまま帯を締めてゆく。
「例えば……、体温が上がったら痣が浮かび上がるとか」
穂積の言葉に夜花は小さく首を傾げ、思考を巡らせてみるが思い当たる節はない。
「どうしてですか?」
「いや……」
親にも聞かされていない事なら、もしかしたら『あれ』を知っているのは自分だけかもしれない。花女という存在が人の花卉を見るように、自分が見込んだこの夜花という女性は、特別な『何か』を持っているのかもしれない。
伝えようかと一瞬迷ったが、現状伝えても伝えなくてもあまり変わりのない事だと判断した。
仮に今ここで夜花の体質の不思議を教えて、彼女の勉強の妨げになっては本末転倒だ。
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