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#3 校舎裏にて。
しおりを挟む校舎裏に呼び出しっていつの時代だよ。
---------------
あー暑い。
めちゃくちゃに暑い。
ただいま、昼休みです。
こんにちは。
「あ~暑い。
千鶴、早く教室に戻ろうぜ~」
「ジュース買いに行こうって
言い出したのお前だろ、、」
私たちは今、駐輪場近くの
自販機にジュースを買いに来ています。
なんでわざわざ外に出て暑い思いをしているのかというと
この駐輪場近くの自販機にしかないジュースを
飲みたかったからである。
「だって、この自販機にしか
このレモンティー売ってないじゃん」
「全く、、早く買って教室戻るよ!」
「はーい」
そんなこんなでお目当てのジュースが買えたので
教室に戻りましょう。
「次、数学だってよ。
5時間目数学とかもう睡眠確定だわ」
「それな??」
あー早く帰ってキンキンに冷えた部屋で
私は眠りたい。
教室に戻るために駐輪場から出ると
身に覚えのある軍団が私の前に
立ちはだかるのだ。
「あ、やっと見つけたぞお前。」
「んあ??」
声のする方に顔を向けると
ほら、見てください昨日の香水ハデハデ女軍団が
怖い顔でこちらを見ているではありませんか。
「昨日は良くも逃げやがったな!!」
「……うわぁ」
待って待って。
こんな暑いのにまた走って
教室まで逃げなきゃ行けない感じ?
屋内と屋外じゃ全然気温違うんだけど。
屋外でも走ると暑いのに屋外だと
もう死亡確定じゃんんん
チラッと千鶴の方を見ると
千鶴は少し困った顔をしている。
「……先輩、さすがにケンカはまずいですよ。
ここは話し合いませんか?」
千鶴が落ち着いた口調で
香水ハデハデ女軍団に話しかけるが
まあ、それはムダな様である。
「あ??誰だよ!関係ないやつは
あっち行けよ!私が用があるのは
そこのチビなんだよ!!!」
香水ハデハデ女軍団のリーダーは
荒い鼻息をさせながら私の方を見る。
あーですよね。
「…千鶴、先
教室戻ってていいよ」
「は?何言ってーー」
「このまま逃げても
どうせまた追いかけてくるしキリがないよ」
「いや、でもさすがにこの人数じゃーー」
私は千鶴の腕を掴んで
後ろに引っ張る。
「千鶴、ケンカできないでしょ?
顧問にバレたら退部って事もありえるんだから
まじで先に教室戻ってろよ」
「いや、でもーーー」
「大丈夫だって!
さすがにやばかったら逃げるから」
「……分かった。」
千鶴はそう言って
走って教室に戻って行った。
千鶴は真剣に部活やってるんだ。
私のせいで迷惑かけるわけにはいかない。
私は教室に戻る千鶴の背中を
見送って目の前にいる香水ハデハデ女軍団に
向かい合う。
「あ?お仲間さん逃げていったけど
お前ひとりで大丈夫なの??」
ケラケラ笑いながら私をみる
香水ハデハデ女軍団。
(あー、うるせぇなぁ。
さて、誰からやるか、、、)
相手の人数は4人。
うん、まあ、4人ならギリギリやれるか?
「おい!チビ聞いてんのかよ!!!」
「…うるさいなぁ!なに?
そんな大きな声出さなくても聞こえてるわ!!」
「ここじゃ、あれだから
校舎裏来いよ」
そう言って、私を逃がさないように
囲んで校舎裏へと連れて行かれるのであった。
(あー、、こんな事なら
おとなしく教室いれば良かったな)
そう、後悔しても時すでに遅し。
私は明日筋肉痛にならない事を
祈りながら校舎裏へと向かった。
--------------
校舎裏へ着いたと同時に
壁へ突き飛ばされる私。
ドンッ
「昨日はよくもバカにしてくれたな?」
壁ドンみたいな感じで
私を逃がさないようにしてくる
香水ハデハデ女軍団のリーダー。
「…バカになんてしてないって。」
「あ??相澤なんか庇うからこんな事に
なるだよ!!!!!!バカが!!」
「…うるさい人だよねお前。
少しは静かにできねぇの??」
「んだと!調子乗んじゃねぇよ!!」
香水ハデハデ女軍団のリーダーは
顔を真っ赤にして私を殴る。
バチィィ
「…っう」
おいおい、指輪してる手で殴るなって。
あーもう最悪じゃん、、
唇切れたんですけど!!!
「おら!こっち向けよ!」
もう1人の女が不意に私の横腹にケリをいれる。
ガスッ
私は尻もちをつく感じでその場に座り込む。
うん、さすがに痛いって。
だから言ってんじゃんケンカ嫌いだって。
痛いよ、まじで。
(あー痛てぇな、、てか
今日めっちゃ快晴じゃん。)
ぼーっと青空を眺めていると
女軍団がワーワー騒ぎだす。
「おい!黒沢!聞いてんのかよ!?」
「こっち向けって言ってんのが
聞こえねぇのかよ!!!」
パシンッ
頬を叩かれる。
昨日から私頬叩かれすぎじゃね??
そろそろ殴られまくりも
さすがに腹が立ってくる。
私はスっと立ち上がり
女軍団を見る。
「な、なんだよ!やんのか!?」
「…ギャーギャーうるせぇよ。
なに?ここは動物園?」
「な!」
「そんなんだから自分の恋人に
相手にされないんじゃないの???
自分の恋人がこんなヒステリックなやつとか無理だわ。」
「ふざけんな!!!!」
一斉に飛びかかってくる
右からサル、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン
まずはサルの腹に蹴りを入れてすかさず
ゴリラの顔に左ストレート。
殴りかかってくるチンパンジーの腕を掴んで足払い。
最後にオランウータンに回し蹴りをして
暴れる野生動物達を地面に沈めることに成功した。
「…はぁ」
「「「「????」」」」
自分たちの身に何が起きているか
理解が追いついていない野生動物達。
「…先輩さぁ、こんなことばっかり
やってないで少しは落ち着きなよ」
地面に沈んでいる、野生動物を
見下ろしながら私は話す。
「…うるせぇ黙れチビが」
「相澤さんに恋人奪われたとか言ってるけど
それ、証拠あんの???」
「……それは」
「あんたの恋人が勝手に相澤さんを
好きになっただけで相澤さんは何もしてないじゃん。」
「…ちがっ」
「違うくなくね??
なんで、お前の恋人のせいで相澤さんが
お前らにいじめられなきゃいけないの?」
私は香水ハデハデ女軍団のリーダーの
胸ぐらを掴んで体を起こした。
「ひっ」
「好きでもないやつに執拗に好意向けられて
挙げ句の果てにはあんた達みたいのに
勝手に嫉妬されて、相澤さんにいったい何を求めてんの?」
「……」
「頼むからさ、、もうこれ以上
相澤さんに近づくのやめてくんない?」
「…っ。」
「もしこれ以上相澤さんにちょっかい出すなら
今度はその顔面、叩き潰すから」
「……す、すみませんでした」
香水ハデハデ女軍団達はそう言い残して
そそくさとその場を去って行った。
「……あー疲れた。」
暑いし痛いし疲れたので
私はその場に座り込む。
久しぶりにケンカをしたので
あちこち痛い。
口の中も鉄の味がして気持ち悪い。
さっき買ったレモンティーは
殴られた拍子に落として踏まれて
中身が飛び散りカラッポになっている。
「……はぁ。」
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
5時限目スタートのチャイムが響く。
(あー、、昼休み終わったのかぁ)
さすがにこんなボロボロの姿で
教室に行くわけも行かなくて
私は午後の授業をサボることにした。
ブーッ
携帯が鳴る。
開くと千鶴からメッセージが届いていた。
『生きてる?』
おいおい、勝手に殺すな。
『生きてるよ。
とりあえず服泥だらけだし
体痛いし疲れたから5時限目サボる。
先生には上手いこと言っといて』
千鶴からの生存確認の連絡を返し
私は地面に倒れ込んだ。
「あーーまじ体痛いっての。」
ミーンミンミンミン
ミーンミンミンミンミン
遠くでセミが鳴いている。
私はそのセミの鳴き声を聞きながら
意識を手放した。
---------------
「……んぁ?」
おでこにヒヤッとした感覚があって
目が覚める。
目を開けると目の前には
相澤さんの姿があった。
「……夢?」
「何言ってるの?
暑さで頭やられた??」
……夢じゃない。
「相澤さん、なんでここにいるの?」
「……別に。たまたま通りかかったら
知ってる顔が倒れてたから」
「…ははっ
今、授業中じゃん。
相澤さんもサボり??」
「まあ、そんな所」
私は体を起こして携帯を開く。
あーもう6時限目始まってる時間じゃん。
私1時間くらい寝てたってこと??
それはさすがに寝すぎだろ私、、、、
「ねぇ」
「んー?」
相澤さんに呼ばれ
携帯から目線を相澤さんに移す。
「……あ、相澤さん?」
「なに?」
「近くない?さすがに」
相澤さんの顔がめちゃくちゃ目の前に
あって思わず動揺しちゃう。
「顔赤いよハル。」
「い、いやだって
こんな顔近いと誰だって恥ずかしいでしょ」
「そういうもん?」
「そ、そういうもんだよ!!」
誰だってこんな綺麗な顔が
めちゃくちゃ至近距離にあったら
顔も赤くなっちゃうでしょう。
ていうか、相澤さん
距離感バグってない???
「……ハルはさ」
にぎにぎ
ん?んん??
待て待て、なんで私の手のひら
にぎにぎしてるの??
なに?彼女は何がしたいの??
「ちょ、相澤さん」
「優しいよね」
にぎにぎ
「あの、手が、、」
「優しくて、お人好しで」
にぎにぎ
「…うぅ」
「めんどくさがり屋って言ってたけど
情熱的だよね。」
にぎにぎ
「あいざわさ、、、、」
「…怪我までしてバカみたい。」
にぎにぎ
「ちょ、、あいざわさーー」
「………」
不意に私の手のひらをにぎにぎしてる
相澤さんの手がとまる。
ぎゅっと手を握る力が強くなる。
絡み合う視線。
私今、相澤さんから目が離せない。
相澤さんも私から目を離さない。
体も動かない。心臓もうるさい。
どちらともなく近づくいていく
互いの唇。
(あーヤバい。)
頭でヤバいと分かっていても
体は止まんなくて
あと数センチで唇が触れ合う距離で
私は我に返る。
(ダメだ!!!!)
「ス、ストップ!」
相澤さんの両肩を押さえる。
「………」
相澤さんは何も喋らない。
危ない。まじで危なかった。
今、私たち何しようとした??
出会って2日で??
話すようになって2日で??
付き合ってないのに
キスしようとしてた??
「「………。」」
お互いに無言になってしまう。
なんて話しかければいい??
(…気まずい)
なんでキスしようとしたんだろう。
分からない。
相澤さんもなんで拒絶しようとしないの?
むしろなんで近づいてきた??
頭の中でぐるぐると
そんな事を考えてると
今まで黙ってた相澤さんが口を開く。
「…ヘタレ」
「は、はい??」
「キスなんてただ唇が触れ合うだけじゃん」
そう言った相澤さんは悲しそうに笑った。
ああ、またこの顔をさせてしまった。
キスすべきだった???
キスしとけばこんな顔にさせなくてすんだ?
何が正しくて何が間違ってるのか
私には分からない。
分からないけどこんな顔にさせたくなかった。
頭より先に体が動く。
気づいたら私は相澤さんを引き寄せてキスをした。
「……っ」
その時間10秒程だったが
とても長く感じた。
私は触れ合っていた唇を離し、
恐る恐る目を開けて相澤さんを見る。
(耳、赤い)
相澤さんの表情は俯いてるからよく分からなかったけど
髪の隙間から見える耳はとても赤くなっていた。
「……鉄の味すんだけど。」
「……え、ああ、うん。
口切れてるもん。あはは」
ミーンミンミンミンミン
ミーンミンミンミンミン
遠くでまたセミの鳴き声がするけど
それよりずっと自分の心臓の音がうるさかった。
「……ムカつく。」
「へ?」
相澤さんは私から離れて立ち上がる。
ふわっと風に乗って、また
相澤さんの甘い香水の匂いがした。
「……もう授業終わるよ。」
「う、うん。」
何も言わない。
何も起こらない。
ただ、私たちはキスをしただけ。
このキスに理由なんてない。
「キスなんてただ唇が触れ合うだけ。」
さっき言った相澤さんの言葉が
胸によぎる。
(そう、ただ唇が触れただけだ…)
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
遠くの方で6時限目が終わるチャイムが響いた。
校舎の裏で相澤さんと
初めてキスをした。
ただ、キスをしただけ。
そんな20XX年夏。
______続く
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