タロットチートで生き残る!…ことが出来るかなあ

新和浜 優貴

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本編

10,剣葉草ゲットだぜ

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  ハンマーヘッドラビットは普通に美味しいお肉になるらしくて、状態保存の魔法がかかってる袋に入れて、私に背負われてます。旅の仲間が増えたよやったね!
  こうなったらやけだ、何が来ようが躊躇なく倒してやる。一匹も二匹も同じだよ!
  気合を入れて歩いていると、遠くの方に森が見えてきた。あれがセリゼの森かな?

「アンジュ、セリゼの森が見えてきた。あそこからは本当のクエストだと思ってね」
「うん、わかった」

  レベッカが少し真剣な顔で注意してくる。これは気を引き締めなきゃいけなさそう。もしかして無理やり戦わせたのって、森の前の予行演習だったのかな。それならそうと言って欲しかった……。
  セリゼの森はそこまでどよどよした感じじゃなくて、ミントみたいなハーブの香りがする清廉な雰囲気のする森だった。森林浴とかしたらすごく癒されそう。

「剣葉草は森の中の陽だまり、妖精の舞台って呼ばれてるけど、そこの近くに生えてることが多いんだ。舞台を守るように生えてるから緑の騎士なんて呼ばれたりもする」
「へー、なんだかメルヘンチックな話だね」
「実際は素手で触ると手をずたずたにするとんでもない草だけどね」

  血に濡れた剣の中心で踊り狂う妖精。うーん、ホラーだ。
  とりあえず、目印は教えて貰ったし探してみよう。森も、けもの道に近いけど道はあるし、そこまで歩くのは苦じゃない。
  しばらく奥に向かって歩いて行くと、不意にガサガサっと茂みが揺れた。またあのうさぎか!?  そう思って身構えてると、緑色のレインコートみたいなのを着た真っ黒な小人が飛び出してきた。

「おお、ウェアウィードだ」
「この子が?」

  魔物って危ないものだってのはさっきのうさぎでもよくわかったけど、この子はそんな気がしない。我ながら危機感がないとは思う。

「ちょうどいい。こいつに聞いてみよう」
「え、何を?」
「剣葉草の場所。ウェアウィードは森の案内人だから」

  なにそれ初めて聞いたんだけど!?  
  レベッカがドライフルーツを取り出して、ウェアウィードに少し分けてあげる。すると、ウェアウィードは一粒食べて残りをレインコートの中にしまう。その後こちらを見上げる態勢で止まった。

「交渉成立みたい。剣葉草が欲しいんだ、場所分かるかな?」

  レベッカが言うと、ウェアウィードはぴょんぴょん跳ねて行って少し先でこちらを振り向く。かわいい。

「行こう、待たせちゃ悪い」

  私たちはそのままウェアウィードについていく。ちゃんとついて来てるか確認しながら進むところがかわいくて癒されるなあ。
  しばらくすると、ウェアウィードは周りをきょろきょろと見渡して、茂みに飛び込んだ。その先かな?  流石に同じようにはいかないけど、茂みをかき分けてついて行く。

「おお」
「わぁー……」

  茂みの先には、妖精の舞台がいくつも広がってた。妖精の舞台の中心はもちろん、周りの剣葉草も光を反射してキラキラ輝いててすごく綺麗。
  小さいのはお鍋のふたくらいから、大きいのは私たちが寝転んでも充分余裕があるくらいある。その一番大きな舞台でウェアウィードは楽しそうに飛び跳ねてる。

「ねえ、少し剣葉草を分けて欲しいんだけど、どのくらいなら採ってもいい?」

  ウェアウィードに聞いてみると、迷ったように左右に動いたあと、中くらいの舞台を四つ指差した。

「あそこのなら採ってもいい?」

  ウェアウィードが頷く。ちゃんと人の言葉がわかるって、よく考えるとすごいよなあ。魔物にも色々いるんだね。
  お礼の気持ちを込めて私のドライフルーツも少し分けてあげる。嬉しそうにドライフルーツを掲げて、舞台に座って食べ始めた。

「じゃあ採取しようか」
「うん、ちゃっちゃと採っちゃおう」
「ちゃんとグローブしてね。全部は採らないで半分くらい残してね」
「了解」

  そのあとめちゃくちゃ剣葉草採った。
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