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本編
41,ギルドで報告
しおりを挟むギルドの中も王国と大差なかった。受付があって、掲示板と整理券を持って待つ待機場所があって。一つ違うと言えば椅子とテーブルが置いてある一角があることくらいかな。
ギルドの中は結構たくさんの人で賑わってるけど、誰も座ろうとしないってことは休憩所とかではないんだろうけどなんだろう? さっき言ってた占いの場所かな?
何も考えずにレベッカたちについてったら、カウンターの一番端に来た。番号札とか取ってないけどいいのかな。
「ご依頼ですか、それとも報告ですか?」
受付は眼鏡をかけた女の人だった。三十代半ばくらいかな? お姉さんっていうよりはお母さんって雰囲気のおっとりした感じの人。少し癖のある暗めの茶髪を臙脂色の紐で一つにまとめてる。
「報告です。王国から来たのですが、途中の街道でベアボアと交戦しました。被害は軽微。先に戦闘していた者に加勢する形での戦闘でしたが、その者がベアボアに手を出したわけではなく、突然馬車が襲われたようです」
「街道でベアボアと? それは妙ね……。分かりました、調査をしてみます。場所はどこですか?」
「ここから一日半くらい行ったところです。黒い馬車が横倒しになっているので、目印になるかと」
「馬車が? わかりました、馬車の処理もこちらで行っておきますね」
「よろしくお願いします」
……これ私必要だったかな? みんなで来る必要なかったんじゃ。
「宿はどこに取るつもりですか?」
そうだよ、宿とかとってないんだから報告してる間に探しに行けばよかったんじゃ。
「中央街に取ろうかと」
「おい、レベッカ」
ギルさんがレベッカの肩を掴む。何か問題あるのかな? 中央街ってとこに宿を取るだけだよね?
「大丈夫ですよ。ここは人街のギルドですが、職員はみな差別意識のない者を揃えております。先程、盗み聞きされないように結界も張っております」
「気づかなかったの、ギル?」
「いや、わかんねえよ……」
平然と言うレベッカ。さっきからなんだか良くわからないやり取りしてるけど、結界を張ったとか分かるレベッカのがおかしいんじゃないかな……。というか、差別意識がどうとか物騒な言葉が聞こえた気がしたんだけど……。
「中央街に宿を取るのでしたら、木々の調べ亭へどうぞ。ギルドで紹介されたと言えば安く泊まれるはずです。あ、申し遅れました。私、アリシアと申します」
「ありがとうございます。その宿に行ってみようと思います。私は『金の竪琴』のレベッカです、宿に来られた際はパーティ名を出していただければ私たちの誰かが対応できるかと」
あ、こうなること予想してたからみんなで来たのかな。何かあったとき関係者ってわかりやすいもんね。
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