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にこ、と微笑む顔をどうしようもなく見つめる。ため息をつけば、何も悪いことはしていないと言いたげな表情になった。
「……俺の考えてることなんかお見通しってことか」
「まあ、そうですね」
「いい笑顔で言うな。ちくしょう」
ぼやいてテーブルの上で頬杖をつく。
ガヤガヤと騒がしい周囲に目をやって、忙しそうに歩き回っているウェイトレスの女性に軽く手を上げた。
すぐにこちらに気づいた彼女に、ビールを注文する。ちらりとテーブルの向こう側を見れば、エドはにこやかなまま指を二本立てた。
「はいビールふたつね!」
テーブルと人の隙間に消えていく背中を見送って、視線を戻す。
「で、国王陛下はなんか言ってた?」
「ええ。とりあえずこれを」
言って、目の前に皮袋を置いた。おそるおそるその口を開いて中を覗いて見ると、ちょっと目にしたことのない金色が重なり合っている。
「……えーと、受け取らないっていう選択肢は」
「あまり得策ではないですね」
「だよなあ。もうバレてるってことだもんな」
何がって、俺が王城から逃げ出したことだ。
「陛下は遅かれ早かれ、ナオトが逃げ出すと思っていましたから」
「そりゃそっか。あんな風に『旅に出たい』って言い切ったもんな」
「……本当に、いいのですか?」
エドの声とほぼ同時にビールが二つテーブルに置かれる。木のジョッキはなかなかに新鮮だ。
「王城にいれば、不自由なく暮らせると」
「その代わり自由はない。まして神子として扱えもしない。そんなん飼い殺しじゃん」
「……ナオト」
「俺はとっくに成人した男で、一応元の世界でちゃんと働いて金を稼いでた。誰かの庇護下じゃなきゃ生きられないってわけじゃない」
ジョッキを煽って一気に空にする。もともとそんなに酒に強いわけじゃないから、少しくらっとした。
多少なりとも酔った勢いで、国王の考えに真っ向から反論する。
「で、神子としての仕事も与えられず?王城で軟禁されて?何もせずにただただ死ぬまで面倒見られてろっての?」
「……そんなつもりでは」
「俺から見たらそういうつもりなんだよ、国王陛下のなさり様は」
「ですが、ナオト。貴方はこちらの世界を知らなすぎる」
エドの返しに言葉が詰まった。それは確かにその通りだからだ。
だけど、戻る気はなかった。さっき言った通り、飼い殺しになんかなりたくない。なりたくないし、それに。
「俺があそこにいつまでもいたら、神子になったあやめさんだって気を遣うだろ」
あからさまに話を逸らし、二杯目の注文を済ませる。空になったジョッキを渡せば、ウェイトレスさんはにこやかにそれを受け取った。
二杯目の酒はすぐに来て、何も考えたくなくてそれに口をつける。ナオト、と優しく咎める声がした。
「そんな無茶な飲み方、駄目ですよ」
「だって、じゃあ、どーすりゃいいんだよ」
「ナオト」
繰り返し呼ばれるその声に、思わずぼろりと涙が落ちる。
いい大人だなんだって言ったばかりなのに恥ずかしいことこの上ない。慌てて服の袖で拭ってはみるものの、一度堰を切ったそれはなかなか止まってはくれなかった。
「……すみません、本当に」
「っ、エドが、謝る、ことじゃない」
これは本音だ。だって、こっちの世界に来られなければ俺は死んでいたんだから。
だけど、不安は次から次に溢れ出した。ちょうど今、テーブルを濡らす俺の涙みたいに。
「貴方の人生を狂わせた。だから、せめて不自由のないようにと」
「わかってる、わかってるよ。俺がこっちのことを何にも知らないっていうのも、嫌になるほどわかってる、でも、だから」
怖い。そうだ、怖いんだ。
何も知らない場所で、誰も知らない世界で、生きていくことが。
そのくせ、王城にはいたくない、なんて。
「……わがまま、だよな」
呟いた言葉は、濡れたテーブルに吸い込まれた気がした。
しばらくの沈黙が流れて、顔を上げられないままでいると、不意に俺の頭がぐしゃりとなでられる。
「え、エド?」
「いいんですよ。わがままでいい」
「だけど」
「我々が貴方の命を助けたのは、ただの偶然です。たまたまそういう事態だっただけです。ナオトが引け目に感じることなんて、何一つないんですよ」
何も変わらない、優しい声に聞こえた。だけどその中には、絶対に譲らないという強い意志が確かにある。
「陛下もそれは理解しておられます」
本当かなあ、と思いながら、おそるおそる視線をあげた。にこ、と整った顔が微笑んで、心臓がうるさく音を立てる。
「だから、私がここにいるんですよ?」
「え?」
かと思ったら悪戯っぽく笑われて、初めて見るその表情に、びり、と指先が痺れたような気がした。
「貴方が逃げ出すだろうから、付いていてやれと」
「……ほんとに、全部、お見通しなわけだ」
「私以外に言うものですから、私が行くと押し通しました」
「は?」
間抜けな声が出る。
「私が貴方と共にいたくて、一緒に行くのです。だから、何かを引け目に感じることはやめてください」
そうじゃない、と言いたかった。
俺が引け目に感じているのはそうじゃないのに、エドにじっと見られると上手く言葉が出てきてくれない。
かろうじて頷きだけを返せば、彼はまた嬉しそうに微笑んだ。
翌朝、同じテーブルに並ぶパンとスープ。そして向かい側にも昨夜と同じ顔。
「……エド、本当に帰らなくていいのか?」
「もちろん。次に王城に戻るときは、貴方が戻る気になった時ですよナオト」
相変わらず物腰と口調は丁寧だが、なんだかこう、遠慮が無くなった気がする。
まあそれ自体、俺としてはありがたい。神子だのなんだの持ち上げられるよりは、気の置けない相手になってもらいたい気持ちはあった。
「そっか。まあ、正直心強いよ」
「ナオトにそう言っていただけるのなら、無理を通した甲斐もあります」
「いや別にそれはなくていい」
何故ですか、とまるでこの世の終わりのように言うからおかしくなってしまって、はは、と笑いをこぼす。
するとエドはなんだかずいぶん驚いた顔をして、それから嬉しそうに、本当に嬉しそうに笑った。
「貴方はやっぱり笑顔のほうが素敵です」
「……エドみたいな美形にそんなこと言われても」
「そうですか?自分ではよくわからないのですが」
「鏡くらい見たことーー」
言いかけてやめる。確かにエドは自分の顔を見たことがないわけじゃないだろうけど、あのド失礼な王子やそれを渋くした王様、さらにはミオを含めたメイドたちまで、顔採用かと思うくらいの容姿だったことを思い出したからだ。
あの中にいたら、なるほど確かにエドも普通なのかもしれない。
「鏡ですか?毎日見てますよ?」
「あーうんごめん、俺が悪かったわ」
ごまかしながらパンをかじり、スープを飲む。簡素な食事ではあるが、普通に美味かった。
「食事を終えたらギルドに行きましょうか」
「ギルド?」
「旅をするなら、地図や食料が必要でしょう?ギルドはそういうものを融通してくれるんです」
「へえ」
「必要であれば、素材の収集など簡単な仕事も斡旋してくれますよ」
それは、かなり、楽しそうだ。
正直特別な力なんか俺にはないけれど、そういう仕事で日銭を稼ぎつつ、好きなところに旅に出られるのなら、この世界だってきっと悪くはない。
「あ」
「どうかしましたか?」
とはいえ、不運体質が消えたわけでもないはずで。
「なあエド、この世界のこと、教えてよ」
「ええ、もちろん」
「具体的にさ、危険なことメインで。何があるかわかんないし」
「おや」
俺の不安材料からの言葉に、彼は心外だとでも言いたげに片方の眉をあげる。
「ナオトのことは、私が命をかけて守りますよ?」
「っ、そ、それは、その、ありがたいけど」
「当然、一生涯です。貴方が嫌だと言っても、側を離れる気などありませんので」
真剣な目で言われ、自分の顔が熱くなるのがわかった。
そんなつもりはなくても、まるでプロポーズみたいだ。もう、と呆れたふりをしてみるものの、それもお見通しなんじゃないかな、なんてうっすら考えた。
「……俺の考えてることなんかお見通しってことか」
「まあ、そうですね」
「いい笑顔で言うな。ちくしょう」
ぼやいてテーブルの上で頬杖をつく。
ガヤガヤと騒がしい周囲に目をやって、忙しそうに歩き回っているウェイトレスの女性に軽く手を上げた。
すぐにこちらに気づいた彼女に、ビールを注文する。ちらりとテーブルの向こう側を見れば、エドはにこやかなまま指を二本立てた。
「はいビールふたつね!」
テーブルと人の隙間に消えていく背中を見送って、視線を戻す。
「で、国王陛下はなんか言ってた?」
「ええ。とりあえずこれを」
言って、目の前に皮袋を置いた。おそるおそるその口を開いて中を覗いて見ると、ちょっと目にしたことのない金色が重なり合っている。
「……えーと、受け取らないっていう選択肢は」
「あまり得策ではないですね」
「だよなあ。もうバレてるってことだもんな」
何がって、俺が王城から逃げ出したことだ。
「陛下は遅かれ早かれ、ナオトが逃げ出すと思っていましたから」
「そりゃそっか。あんな風に『旅に出たい』って言い切ったもんな」
「……本当に、いいのですか?」
エドの声とほぼ同時にビールが二つテーブルに置かれる。木のジョッキはなかなかに新鮮だ。
「王城にいれば、不自由なく暮らせると」
「その代わり自由はない。まして神子として扱えもしない。そんなん飼い殺しじゃん」
「……ナオト」
「俺はとっくに成人した男で、一応元の世界でちゃんと働いて金を稼いでた。誰かの庇護下じゃなきゃ生きられないってわけじゃない」
ジョッキを煽って一気に空にする。もともとそんなに酒に強いわけじゃないから、少しくらっとした。
多少なりとも酔った勢いで、国王の考えに真っ向から反論する。
「で、神子としての仕事も与えられず?王城で軟禁されて?何もせずにただただ死ぬまで面倒見られてろっての?」
「……そんなつもりでは」
「俺から見たらそういうつもりなんだよ、国王陛下のなさり様は」
「ですが、ナオト。貴方はこちらの世界を知らなすぎる」
エドの返しに言葉が詰まった。それは確かにその通りだからだ。
だけど、戻る気はなかった。さっき言った通り、飼い殺しになんかなりたくない。なりたくないし、それに。
「俺があそこにいつまでもいたら、神子になったあやめさんだって気を遣うだろ」
あからさまに話を逸らし、二杯目の注文を済ませる。空になったジョッキを渡せば、ウェイトレスさんはにこやかにそれを受け取った。
二杯目の酒はすぐに来て、何も考えたくなくてそれに口をつける。ナオト、と優しく咎める声がした。
「そんな無茶な飲み方、駄目ですよ」
「だって、じゃあ、どーすりゃいいんだよ」
「ナオト」
繰り返し呼ばれるその声に、思わずぼろりと涙が落ちる。
いい大人だなんだって言ったばかりなのに恥ずかしいことこの上ない。慌てて服の袖で拭ってはみるものの、一度堰を切ったそれはなかなか止まってはくれなかった。
「……すみません、本当に」
「っ、エドが、謝る、ことじゃない」
これは本音だ。だって、こっちの世界に来られなければ俺は死んでいたんだから。
だけど、不安は次から次に溢れ出した。ちょうど今、テーブルを濡らす俺の涙みたいに。
「貴方の人生を狂わせた。だから、せめて不自由のないようにと」
「わかってる、わかってるよ。俺がこっちのことを何にも知らないっていうのも、嫌になるほどわかってる、でも、だから」
怖い。そうだ、怖いんだ。
何も知らない場所で、誰も知らない世界で、生きていくことが。
そのくせ、王城にはいたくない、なんて。
「……わがまま、だよな」
呟いた言葉は、濡れたテーブルに吸い込まれた気がした。
しばらくの沈黙が流れて、顔を上げられないままでいると、不意に俺の頭がぐしゃりとなでられる。
「え、エド?」
「いいんですよ。わがままでいい」
「だけど」
「我々が貴方の命を助けたのは、ただの偶然です。たまたまそういう事態だっただけです。ナオトが引け目に感じることなんて、何一つないんですよ」
何も変わらない、優しい声に聞こえた。だけどその中には、絶対に譲らないという強い意志が確かにある。
「陛下もそれは理解しておられます」
本当かなあ、と思いながら、おそるおそる視線をあげた。にこ、と整った顔が微笑んで、心臓がうるさく音を立てる。
「だから、私がここにいるんですよ?」
「え?」
かと思ったら悪戯っぽく笑われて、初めて見るその表情に、びり、と指先が痺れたような気がした。
「貴方が逃げ出すだろうから、付いていてやれと」
「……ほんとに、全部、お見通しなわけだ」
「私以外に言うものですから、私が行くと押し通しました」
「は?」
間抜けな声が出る。
「私が貴方と共にいたくて、一緒に行くのです。だから、何かを引け目に感じることはやめてください」
そうじゃない、と言いたかった。
俺が引け目に感じているのはそうじゃないのに、エドにじっと見られると上手く言葉が出てきてくれない。
かろうじて頷きだけを返せば、彼はまた嬉しそうに微笑んだ。
翌朝、同じテーブルに並ぶパンとスープ。そして向かい側にも昨夜と同じ顔。
「……エド、本当に帰らなくていいのか?」
「もちろん。次に王城に戻るときは、貴方が戻る気になった時ですよナオト」
相変わらず物腰と口調は丁寧だが、なんだかこう、遠慮が無くなった気がする。
まあそれ自体、俺としてはありがたい。神子だのなんだの持ち上げられるよりは、気の置けない相手になってもらいたい気持ちはあった。
「そっか。まあ、正直心強いよ」
「ナオトにそう言っていただけるのなら、無理を通した甲斐もあります」
「いや別にそれはなくていい」
何故ですか、とまるでこの世の終わりのように言うからおかしくなってしまって、はは、と笑いをこぼす。
するとエドはなんだかずいぶん驚いた顔をして、それから嬉しそうに、本当に嬉しそうに笑った。
「貴方はやっぱり笑顔のほうが素敵です」
「……エドみたいな美形にそんなこと言われても」
「そうですか?自分ではよくわからないのですが」
「鏡くらい見たことーー」
言いかけてやめる。確かにエドは自分の顔を見たことがないわけじゃないだろうけど、あのド失礼な王子やそれを渋くした王様、さらにはミオを含めたメイドたちまで、顔採用かと思うくらいの容姿だったことを思い出したからだ。
あの中にいたら、なるほど確かにエドも普通なのかもしれない。
「鏡ですか?毎日見てますよ?」
「あーうんごめん、俺が悪かったわ」
ごまかしながらパンをかじり、スープを飲む。簡素な食事ではあるが、普通に美味かった。
「食事を終えたらギルドに行きましょうか」
「ギルド?」
「旅をするなら、地図や食料が必要でしょう?ギルドはそういうものを融通してくれるんです」
「へえ」
「必要であれば、素材の収集など簡単な仕事も斡旋してくれますよ」
それは、かなり、楽しそうだ。
正直特別な力なんか俺にはないけれど、そういう仕事で日銭を稼ぎつつ、好きなところに旅に出られるのなら、この世界だってきっと悪くはない。
「あ」
「どうかしましたか?」
とはいえ、不運体質が消えたわけでもないはずで。
「なあエド、この世界のこと、教えてよ」
「ええ、もちろん」
「具体的にさ、危険なことメインで。何があるかわかんないし」
「おや」
俺の不安材料からの言葉に、彼は心外だとでも言いたげに片方の眉をあげる。
「ナオトのことは、私が命をかけて守りますよ?」
「っ、そ、それは、その、ありがたいけど」
「当然、一生涯です。貴方が嫌だと言っても、側を離れる気などありませんので」
真剣な目で言われ、自分の顔が熱くなるのがわかった。
そんなつもりはなくても、まるでプロポーズみたいだ。もう、と呆れたふりをしてみるものの、それもお見通しなんじゃないかな、なんてうっすら考えた。
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