2 / 6
都市国家ノックスアエウム
しおりを挟む
「それにしても、いつまで経っても慣れないな、14時って」
「時間のこと?まあそうね、1日が24時間っていうのも何でなのかしらね」
「なんか昔からずっとそうだったらしい、人類がここにくる前は明るい時間帯から暗い時間を24時間に分けてその区切りを1日としんだとか・・・よく分からんけど」
エレベーターに乗りながら再度人工的な光に包まれた街を見下ろす。この街で生まれ育つ教育課程で、何度もこの街のものは全て人工的なもので、自然のものはもう一つもないと言われたが、人工的だと言われても僕にはピンと来ない。わざわざいう必要があるのだろうか。地上の世界への憧れを駆り立てるだけではないか、と子供ながらに思った記憶がある。
この街に生きる者は5歳から基本的な教育を受けることになり、その過程でこの街の歴史を学ぶことになる。歴史書によるとこの地下都市が出来たのはおよそ150年ほど前のことで、それ以前、人類は地上で豊かに暮らしていた。大陸にはいくつもの国があり、国々はそれぞれの特色を活かし、争いの無い友好関係を保っていたという。
ところが突如大陸全体が未曾有の天災に襲われ、地上の国々は次々と滅んでいった。神の怒りが地上に届いたと言われるほどに甚大な被害が出たことから「アースアクト」と呼ばれている。しかし幸運なことにアースアクトは一度に全ての国に襲いかかることはなく、数年に一度というペースで各地に起こったため、猶予のあった生き残りたちが時間をかけて避難場所として確保できたのが地下シェルター、この地下都市の前身だった。
それからおよそ150年で地上にいた時と大差ないほどの都市国家を築くに至った。国名をノックスアエウムと名付け、先人たちが復興に心血を注いできた。避難してきた当初はただの地下シェルターだったが、今では当時換算にして、地上の国3つ分ほどの国土面積を誇る一大国家にまで成長している。国は大きく3つの都市に分かれている。
国の南東に位置する貿易都市アクアベルタ。人口は二番目に多い。ここは滅びる前の地上の国々の国立公園や自然保護区などの環境を参考に、人工的に作った農場での農業や人工海水を使った水産業など、国のあらゆる生活基盤に関わる産業を担っている。街の至るこ場所に人工水路がひかれ、街の景観を美しく保っている。また、この都市で作られたものは国の物流網を通り、一部を除く全ての都市へ配分されている。地下都市には海は無いため、移動手段は車や電車が主であり、近年、航空路にも着手し始め、現在整備中である。この物流網の整備、管理を取り仕切ってるのもここアクアベルタであり街の中央部には貿易セントラルビルが立ち並ぶ。
続いて、国の南西に位置している工業都市ネオメタリウス。人口は一番少ないが、ここでは武器や機械製品など、あらゆるモノづくりがなされている。効率的に基幹産業の発展を推し進めた結果、動力の大きな建物が多く建設され、休むことなく稼働させている。また街のあらゆるところに液晶モニターが設置され、中央都市と提携して国中の情報が発信されている。さらに、国でも随一のサイバー都市として栄えており、いわゆる電子機器や生活用家電、国のインフラ設備の設計から構築まで、あらゆる先端技術が集約されている。そしてここで作られたものも貿易都市アクアベルタの施した物流網によって、一部を除く国中へ分配される。中央には壁一面に液晶画面を取り付け、ひときわ眩く電子情報を垂れ流しているセントラルウォールが鎮座している。
そして最後に中央都市フェニスガルド。ノックスアエウムはこの街から始まった。人口は一番多く、国で一番大きな発電所を構えている。国中のインフラ設備の優先権限を有し、国の法治システムもここで作られてきた。また、軍事力も国最大であり、両都市を相手にしても拮抗できるほどの力を有している。中央都市ということもあり、居住区には巨大な商業施設も構えており、大きな盛り上がりを見せている。この都市が流行の最先端でもあり、メディア事業の中核を担っているため、国中に発信できる電波からさまざまな媒体で日々情報を発信している。この3都市がそれぞれの役割を担うことでお互いを補い、均衡を保っている。
「時間のこと?まあそうね、1日が24時間っていうのも何でなのかしらね」
「なんか昔からずっとそうだったらしい、人類がここにくる前は明るい時間帯から暗い時間を24時間に分けてその区切りを1日としんだとか・・・よく分からんけど」
エレベーターに乗りながら再度人工的な光に包まれた街を見下ろす。この街で生まれ育つ教育課程で、何度もこの街のものは全て人工的なもので、自然のものはもう一つもないと言われたが、人工的だと言われても僕にはピンと来ない。わざわざいう必要があるのだろうか。地上の世界への憧れを駆り立てるだけではないか、と子供ながらに思った記憶がある。
この街に生きる者は5歳から基本的な教育を受けることになり、その過程でこの街の歴史を学ぶことになる。歴史書によるとこの地下都市が出来たのはおよそ150年ほど前のことで、それ以前、人類は地上で豊かに暮らしていた。大陸にはいくつもの国があり、国々はそれぞれの特色を活かし、争いの無い友好関係を保っていたという。
ところが突如大陸全体が未曾有の天災に襲われ、地上の国々は次々と滅んでいった。神の怒りが地上に届いたと言われるほどに甚大な被害が出たことから「アースアクト」と呼ばれている。しかし幸運なことにアースアクトは一度に全ての国に襲いかかることはなく、数年に一度というペースで各地に起こったため、猶予のあった生き残りたちが時間をかけて避難場所として確保できたのが地下シェルター、この地下都市の前身だった。
それからおよそ150年で地上にいた時と大差ないほどの都市国家を築くに至った。国名をノックスアエウムと名付け、先人たちが復興に心血を注いできた。避難してきた当初はただの地下シェルターだったが、今では当時換算にして、地上の国3つ分ほどの国土面積を誇る一大国家にまで成長している。国は大きく3つの都市に分かれている。
国の南東に位置する貿易都市アクアベルタ。人口は二番目に多い。ここは滅びる前の地上の国々の国立公園や自然保護区などの環境を参考に、人工的に作った農場での農業や人工海水を使った水産業など、国のあらゆる生活基盤に関わる産業を担っている。街の至るこ場所に人工水路がひかれ、街の景観を美しく保っている。また、この都市で作られたものは国の物流網を通り、一部を除く全ての都市へ配分されている。地下都市には海は無いため、移動手段は車や電車が主であり、近年、航空路にも着手し始め、現在整備中である。この物流網の整備、管理を取り仕切ってるのもここアクアベルタであり街の中央部には貿易セントラルビルが立ち並ぶ。
続いて、国の南西に位置している工業都市ネオメタリウス。人口は一番少ないが、ここでは武器や機械製品など、あらゆるモノづくりがなされている。効率的に基幹産業の発展を推し進めた結果、動力の大きな建物が多く建設され、休むことなく稼働させている。また街のあらゆるところに液晶モニターが設置され、中央都市と提携して国中の情報が発信されている。さらに、国でも随一のサイバー都市として栄えており、いわゆる電子機器や生活用家電、国のインフラ設備の設計から構築まで、あらゆる先端技術が集約されている。そしてここで作られたものも貿易都市アクアベルタの施した物流網によって、一部を除く国中へ分配される。中央には壁一面に液晶画面を取り付け、ひときわ眩く電子情報を垂れ流しているセントラルウォールが鎮座している。
そして最後に中央都市フェニスガルド。ノックスアエウムはこの街から始まった。人口は一番多く、国で一番大きな発電所を構えている。国中のインフラ設備の優先権限を有し、国の法治システムもここで作られてきた。また、軍事力も国最大であり、両都市を相手にしても拮抗できるほどの力を有している。中央都市ということもあり、居住区には巨大な商業施設も構えており、大きな盛り上がりを見せている。この都市が流行の最先端でもあり、メディア事業の中核を担っているため、国中に発信できる電波からさまざまな媒体で日々情報を発信している。この3都市がそれぞれの役割を担うことでお互いを補い、均衡を保っている。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
影武者の天下盗り
井上シオ
歴史・時代
「影武者が、本物を超えてしまった——」
百姓の男が“信長”を演じ続けた。
やがて彼は、歴史さえ書き換える“もう一人の信長”になる。
貧しい百姓・十兵衛は、織田信長の影武者として拾われた。
戦場で命を賭け、演じ続けた先に待っていたのは――本能寺の変。
炎の中、信長は死に、十兵衛だけが生き残った。
家臣たちは彼を“信長”と信じ、十兵衛もまた“信長として生きる”ことを選ぶ。
偽物だった男が、やがて本物を凌ぐ采配で天下を動かしていく。
「俺が、信長だ」
虚構と真実が交差するとき、“天下を盗る”のは誰か。
時は戦国。
貧しい百姓の青年・十兵衛は、戦火に焼かれた村で家も家族も失い、彷徨っていた。
そんな彼を拾ったのは、天下人・織田信長の家臣団だった。
その驚くべき理由は——「あまりにも、信長様に似ている」から。
歴史そのものを塗り替える——“影武者が本物を超える”成り上がり戦国譚。
(このドラマは史実を基にしたフィクションです)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる