超人的なレベルの魔法を使えるようになった人の話

ぼらわん

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最初の試練

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「はぁーめんどくせぇ」
「後一回やれば休憩にしたるけ」
「終わりにしろよクソジジイ!」
全く聞き入れずにまた稽古は始まる。
こんな日々が続いてきた一ヶ月。遊ぶこともできずに最悪や…

 こうなってしまったのはあのジジイが俺に突然目をつけて無理やり謎の武術を学ばせてきたからだ。

 確かに周りの同じ歳くらいのやつらよりかは力には自信がある。とはいえここまで本気でやる気じゃなかったのになぁ~。

 一ヶ月でまあまあ師匠とも戦えるようにはなった。というか力の出しどころが分かってきた。


 しかし師匠は強い。殴る蹴るだけではない不思議なチカラを使える。

「行くぞ力(りき)」
「うぉ、マジかよ」
大きな音と冷たい塊が俺の身体を押す。 これ結構痛いから嫌なんだよな。
  一瞬で道場の壁に打ち付けられる。
 ここしかない。隠し玉だ
「だがなジジイ。俺がこの一ヶ月やられっぱなしってのも気に入らねーんだよ」

「おら、くらえやジジイ!」
 
拳に熱いチカラが宿り、そのモノで師匠の腹を捉える。
 
 その瞬間いつもよりはるかに大きく師匠が吹っ飛んだ。

「俺のコソ練の結果見たか!」

 しかし師匠は倒れたまま立ち上がらない。それどころか反応がない。

 すかさず倒れた顔の上で手を振ってみるがなにも起こらない。顔を叩いても肩をさすっても返事をしない。

  さすがに心配になった俺は医者でもある父親を呼んだ。
  そこで驚くことに師匠はとっくに死亡しているという。
 突然のことで何も動けない。まだ学ぶことも、知りたいこともたくさんあった。でもあの俺の一発の拳だけで命を奪ってしまった。


 もう此処にはいられない。子供の俺でもそんなことくらいは分かる。
 今夜にもう出よう。誰も知らないところに出かけよう。葬儀が始まって後悔してしまう前に、

「おい力」
突然声をかけられた。この声はガキの頃よく遊んでもらった柿の木の家のじいちゃんだ。
「これ勇道から預かってたんじゃよ」
勇道は師匠の名前だ。
手紙と袋?とりあえず手紙を読んでみると、新しそうなピンと張った紙にこう書いてあった。
「力へ
 
 これを読んでいるということは、     私はもう逝ったのか。
 まあ、力に殺されるならいいと思っている。どうせ何もなくてもこの後すぐ死ぬわけだしな。
 力。私がお前を最初に見た時、一瞬で分かった。お前は魔法を使える。しかも使える人の中でも一握り、いやひとつまみの存在くらいとても強いチカラを持っている。
 しかし力、お前はまだ扱い方は愚か、制御すらできない。私ももちろんできない。
 だから私の知り合いのヤツにお前の世話をもう任してある。
 別紙に地図をつけてあるからそれを頼りに行け。
 お前なら世界を変えるチカラがある。まあ頑張ってくれや。
        
              勇道 」 

「なんて書いてあるか知らんが、行ってこい。勇道からは邪魔すんなと言われてるんでね」
笑顔で爺さんは言う。
「分かった。今までありがとう。行ってくる。」
自然とその声は震えていた。
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