アセンブラカウボーイ ~ わしらは、高齢プログラマー! ~

ムロ蘭丸

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第四章:終活

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 この一年、我々はアセンブラという「古い」ものへの対応、一方のDXチームは、DXという「最先端」なものへの対応を行ってきた。
 ITは、その時代、時代で最先端な「流行り」がある。その流行りは、旬が過ぎるとすぐに陳腐化していく。それは、IT産業における、さながら蜃気楼のような幻である。流行りに乗ってもまた、新たな流行りが出てくる。常に同じことの繰り返しだ。
 DXというものもいずれは古くなっていく。何十年か後には、アセンブラと同じような末路をたどっているのかもしれない。
 そういう意味では、ITというのは、その時点での最先端なものであっても、結局は、未来への負の遺産を、次々と残していくしくみに過ぎない、という感じもする。
 
 しかしともかく、このプロジェクトは成功だったと思う。
朝比を社長にしたのは、やはり正解だったのだ。
 今は本当にそう思い、感謝している。
 
 私はこの一年を振り返りつつ、朝比の“遺影”に手を合わせた。
 
* * *
 
 「今日はわざわざありがとうございました」
 朝比の家の玄関先で、朝比の奥さん、日菜子さんが見送ってくれる。
 
 すでに秋も深まっていた。星空がきれいだ。
朝比は、あの星の一つになっているのかもしれないな、と、少々感傷的になってしまう。

Fly me to the Moon...
私はいつも朝比が鼻歌で歌っていた曲を口ずさみながら、家路についた。

 
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