星の一族

源一刀斎

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第一章・迷い鳥

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 第一章・迷い鳥

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 西暦六八〇年初秋。モンゴル高原以東、南方数百里に松漠地方を望む某地。
 山々に囲まれた草原は、今はすっかりくすんだ銅の天鵞絨ビロードとなっている。吹き付ける乾いた飄風が、貧しい土地に冬の訪れを戒告していた。澄んだ碧天だけが、日一日と彩度を下げる大地を鮮やかに飾っていた。
 その碧天の向こう、夥しい数の渡り鳥が南へと飛んでいく。大漠の砂のような、僅かに黄色味を帯びた灰白色の鳥だ。
 群れは砂嵐の如く天を覆い、陽光を遮った。俄に辺りは暗くなった。
 その晦冥の大地に、ある胡人達の集落があった。冷たく輝く小川の岸辺にユルト(移動式住居)が立ち並び、その間にはちらほらと土と草に覆われた竪穴の住居もあった。辺りには羊や馬、鶏、牛が放牧され、点在する小さな畑には麦やきび等の雑穀、幾つかの野菜が実っていた。
 集落の人々は皆、肌白く毛色淡く、深目高鼻の西胡の相をしている。
「あれは砂漠鳩の群れね。あんな大きな群れで飛んでいくなんて初めて見た。縁起でもないな、まったく」
 麦の穂を刈る女が溜息を吐いた。寒冷な土地では麦は冬を越せぬ為、春に撒き秋に収穫する。収穫した僅かな穀物は、冬越えの為の貴重な保存食だった。
「何で縁起でもないの?」
 傍らの幼児が訊いた。刈り取った穂の束を持たされている。
「あの鳥は山向こうの高原に住んでいる鳥でね。時折、自分達が住んでいる土地が飢えると、ああやって他の豊かな土地を目指して飛んで行くの……という事はね。あの鳥達と同じ場所に暮らす人間達も、砂漠鳩と同じく飢えているって事なの。そしてその人間達はこう考える。あの鳥についていけば、そこに豊かな土地があるに違いない、ってね」
「どういうこと?」
 幼児が眉を寄せて首を傾げた。穂の束が幾つか零れ落ちた。
 二人の話を聞いていた周りの連中が口々に言った。
「山向こうに住む怖い怖い突厥の奴らが、鳥が向かう土地を襲うって事さ」
「ここにも来るかしら」
「まさか」
「でもここらも今年の冬は厳しくなるかもしれない」
 皆は不安を口にしたが、それは畑仕事の合間に交わす何気ない雑談に過ぎない。辺境の更に僻地にあるこの里は、豊かな暮らしは出来ずとも、争いの災禍だけは無縁だった。この地に暮らす者の敵は目下、酷薄な雪と、しばしば不機嫌になる太陽のみだった。
「あの鳥の肉はな、雉に似て美味い。だが奴らは頭が良いんだ。矢よりも高く飛ぶから獲れやしない。こっちまで来て降りてくるってんなら食い放題だってのに、世の中はうまくいかないように出来てるのさ」
 男が麦を刈る手を止め、したり顔で言う。
「こっちまで来るだなんて、滅多なことを言うんじゃない。鳥が来ても食ってる暇なんてないぞ。突厥の連中に殺されるのが先だ」
「突厥なんて怖くないさ。第一、奴らは唐に敗けて以来、すっかりおとなしくしてるって話じゃないか」
 男は鼻を掻きながら、渡り鳥の群れを名残惜しそうに見送った。
 この年、長らく唐の支配下にあった遊牧民国家の突厥は、新たな可汗《カガン》(突厥の王の称号)を立て、唐に対して大規模な反乱を起こした。新唐書に拠ると、突厥が唐を侵掠する折、突厥と接する唐北辺の国境にこの鳥が現れたという。以来この鳥は『突厥雀』と呼ばれ、突厥来襲を知らせる凶兆として唐北辺の兵士達を恐れさせた。
 空を覆う鳥が大国を揺るがす狂乱を告げる合図であるとは、この時誰も知る寄す処もなかった。

 集落の一画、世間話をしながらそれぞれの仕事をこなす人々の中に、小さな子供の姿があった。草原に厚手の氈《フェルト》の敷物を敷いて座り、木製の作業台に置いた刀子に彫金を施している。鏨と鎚を振るう手には一切の迷いもない。みるみる複雑な紋様が刀身に刻まれていった。年端も行かぬ子供の技とは思えない、驚異の精緻さだった。
 その隣に身なりの良い麗人が一人、子供の作業を注意深く見守っている。華奢な身体つきと青白い肌。然し大きな瞳は潤みを帯びて爛々と輝き、ふとした時に少女のようにも見える。
 麗人は息を一つ吐き、鎚を小気味よく振るう子供に微笑んだ。
「アムグンには毎回驚かされるわ。私にこんな美しい意匠は思いつかない。もう母上が教える事はないわね」
 アムグンと呼ばれた子供は、打ち付ける鏨の先から鉄片を散らしながら、ふふ、と鼻を鳴らした。
「蝶と鹿が遊んでいる彫刻をしたんだよ。ほら見て、ここは透かし彫りにしたけど、強度を保たせるように工夫したんだ、それと――」
 アムグンは得意そうに刀子に施した彫刻や工夫を語り続けた。
 麗人は、「あなたは刀の事となるとずっと喋り続ける子ね」と笑った。
 アムグンは照れて鼻を擦った。金属の煤が鼻先を黒くして、麗人はそれを優しく指で拭う。
「この刀子の出来が父上に認められたら、今度こそヒュエン達と一緒に行商に行く。約束だからね」
 集落の人々は概ね農牧の日々を送っていたが、その一方で頻繁に鍛冶、金工も行われていた。集落には幾つか炉があり、至る所に金工の為の作業台が置かれている。農事に立つ者以外は、金属を打つか、磨くか、削るかだった。
 彼らは、先祖代々から鍛冶をその生業とする民だった。
 金、銀、銅、鉄等の鉱物資源を産する幾つかの土地を、彼らは知っている。そこから採取したり、外界から買い付けた金属を様々な製品に加工して売り、食料品をはじめとする物資、貨幣を得ていた。
 彼らの商いの相手は専ら近隣に住む遊牧民達や、唐東辺の国境の街や村落だった。高く取引出来る為に、度々営州城(現在の遼寧省朝陽市。城とは唐における城塞都市を指す)などの都城に赴き商売をする事もあった。
 当時、唐では蛮夷とされた異民族がその領内に入る事を規制され、また、戦略物資と成り得る為に金銀や鉄製品の取引も禁じられていた。然し、それは建前に過ぎない。例えば営州は東夷や北狄と呼ばれた多数の部族集団が雑居する、唐の最東端に位置する地だが、至る所で非公式な互市(唐が国境に設けた他民族や他国との市場)が開かれていた。そこでは当たり前に禁制品が飛び交っており、化外の民が産する様々な物品が、地元の役人や商人の懐をたっぷり潤わせていた。
 アムグンの一族はそういった市場で積極的に商いを繰り広げた。一族が持ち込む金工品や鋼鉄の武具は評判が良く、金持ち達が競って買い求めた。
 鍛冶は専ら農閑期の秋から冬の間までに行われ、春から夏にかけて作り貯めた商品を売りに出掛ける。幽棲の日々を生きる彼らにとって外界に触れる機会は少なく、行商の旅はその限られた機会の一つだった。
 行商の旅では通常、特に頑健で世知に富む者達の中から十人前後集め、小さな商隊を組む。退屈を倦み刺激を求めて止まない一族の若者達にとって、行商の旅は憧れでもあり、旅の仲間に選ばれる事は細やかな名誉でもあった。
 アムグンはその商隊の一員として参加したいのだった。
「この出来なら父上も認めざるを得ないわね。でも、母上だって心配だわ。世の中がどんどん物騒になってるから。外の世界は恐ろしい事でいっぱいよ。何しろあなたは一応、私達の次期王になる身なんだから。もしもの事があったら……」
「大丈夫だよ。ヒュエン達がいれば、盗賊が百人いても負けるなんて考えられない」
 麗人は頷いた。アムグンの言う通り、集落の手練が十人揃えば、少なくとも子供一人の命を守るくらいは造作も無いだろう。
「それに自分の身を自分で守る自信はある」
 麗人はまた頷いた。確かにこの子の武の腕前ならば、力は大人には敵わずとも、槍や弓を握らせれば、暴漢程度には引けを取らないだろう。
「……アムグン、何故、この世が乱れ、人が争うのか知ってる?」
「皆が思うままにありたいけど、全員がそうなる事は出来ないから」
「それはもっともね」
 麗人は肩を竦めた。
「でも、実はもっと凄い真実があるの。神話の一つにこんな話があって……」
「また神話の話?」
「この話は母上がとてもお気に入りの伝説なの。だからあなたも気に入るわ。だってあなたの半分には私の血が入ってるんだものね」
 麗人が歌うように朗々と語った。

 ――――最初の星の神ベルケルが白鳥となってこの世に降り立ち、数代の後に神ティーグが産まれた。ティーグは祖神と同じ、鋼鉄の秘密を知る星の神だった。ある時、ティーグは二振りの剣を鍛えた。どちらも見事な出来だったが、より優れた一振りを龍神デュマに贈った。そしてもう一振りは自らのものとした。二柱の神は、生死を共にすると約束し合った盟友だった。
 二振りの剣の神通力によって、この世の全ての生き物は争いを知らず、死の苦しみも無かった。
 然しある日、土が颶風の精気を得て悪神が産まれた。悪神は軍勢を率いて龍神デュマの国を襲った。そこでティーグは西から星々の軍を、デュマは東から龍の軍を率いて悪神を挟撃しようとした。
 二柱は決戦に向かう前、その戦勝を願い、互いの剣を掲げて天に誓った。
『二振りの剣が再会を果たす時、それは悪神を倒し平和を勝ち取った時』
 やがて戦が始まった。悪神はデュマの軍勢を東方に見つけるや、激しく攻め立てた。ティーグは西から攻めるも、悪神の起こす大風によって進む事が出来なかった。孤軍のデュマの軍勢は悪神に追いやられ東の彼方へ逃げた。ティーグはデュマの敗北を知って悲しみ、西の彼方へと帰っていった。
 かくして龍の軍勢が逃げた道の跡は大河となり、その流れは皆、東へと向かうようになった。そして、天の星々は西へと沈むようになった。
 それ以来、二振りの剣は離れ離れとなり、地上は悪神によって呪いが蔓延り、世界は争いと苦しみ、病、死が訪れるようになった。然し二柱の天への誓いは北辰の輝きとなり、今も誓いが果たされる時を待ち続けている。二振りの剣が再び交わる時、悪神の穢は去り、悪しき者に滅ぼされた者の全ては蘇り、苦しみのない平らかな世が再び齎されるという――――

 美しい母の声音は情感に満ち、アムグンの脳裡に不思議な熱を伴って響いた。その時の母はまるで、巫女が天の託宣を授けるかの如く清冽な神々しさを纏っていた。
 アムグンは思わず鎚を振るう手を止め、我を忘れて聞き入っていた。
「――母上はこの話が好きよ。きっとティーグとデュマは恋人同士だったんじゃないかなと思うの。二人はきっと今でも剣が出会う日を待ってる。きっと剣が彼らの愛の証なのよ。そして、それらが出会った時、世界に争いはなくなり、皆が幸せになる。死んだ人だって生き返っちゃうの。私達の神話には珍しく、希望を感じる物語でしょう? 私達一族の宿願でもあるのよ」
 母は肩を揺らした。この厳しい土地にあって、母は夢見る少女のような気性を保持し続けていた。アムグンはそれが嫌いでは無かった。
「面白いねそれ。だって星神の剣はここにあるんだから、龍神の剣もどこかに実在するかもしれない!」
 アムグンは大人びた笑顔で母に同意した。この子は、いつでも母の味方でいたいのだ。
「そうよ、龍神の剣はきっとどこかにあるわ。だから行商のついでに探してきて……そして……世界を救うの。
 私達一族がこうして今も生きているのだから、きっと龍の末裔も何処かに生きているのかもね。どんな人達なんだろう。素敵な人達だといいな」
 母は少し遠い目をしてアムグンの髪を撫でた。
「……よし、出来た! 父上ぇ!」
 アムグンは彫り終わった刀子を握りしめ、一目散に駆け出していった。その向こうに、農作業に精を出す大きな男の姿が見えた。
 アムグンの背中を、母は微笑みながら見送った。この一族きっての神童は、身体の成長を待たずにどんどん親の手から離れていく。それが頼もしくも寂しいのだった。
「星の神様……どうかこの子をお守り下さい」
 この秋、アムグンは初めて行商の旅に随行した。以来、それは毎年恒例の事となった。

 数年後、アムグンの最愛の母は逝った。
 幼いアムグンが羸弱の母と交わした甘い幻想の約束は、その日からずっと、美しい燈火となってアムグンの道を照らし続けた。
 幼い頃のアムグンは行商の先で、胡乱な商人に促されるまま『伝説の名刀』を何振りか買ってしまった事がある。そして悔恨の果てに、神話を己の目前に召喚する業が、決して一筋縄ではいかない難事であると学んだ。
 古い刀剣を探すなら、その真贋を見極める知識がなければならない。まして神話に語られるほどのものであるなら尚更だった。知性の炉に輪郭をも定まらぬ想像の鉄塊を投じ、教養という鎚を打ち、現実にあるべき刀の姿を成すまで鍛錬し続ける他は無い。この隠れ里に暮らす者達が一切備えぬ『知の鍛冶場』を、アムグンは独力で手に入れなければならなかった。
 アムグンは行商の行く先々で、片っ端から書を買い漁った。あらゆる歴史、地理、言語、風俗、文化の知識を学ぶ必要があり、詩や算術や哲学をも学ばなければ、書いてある内容の理が分からない。一つを知るには十の未知を紐解く必要があり、知の探訪は果てが無い。
 こうして、一族の往古の歴史とも念望ともつかぬ剣の伝説をきっかけとして、アムグンは百般の好奇心を持つようになった。
 里で語られる口伝えの伝承を全て文字に記して整理し、それを行商で買った各地の伝記や、歴史書と照らし合わせていく。そんな研究活動がアムグンの日常に新たに添えられていた。
 今や集落の古老達はアムグンの姿を見つける度にそそくさと隠れるようになった。アムグンが神話の語り部達の喉を悉く枯らせて尚、知識の残滓を搾り取ろうと付き纏うからだ。
「変人」
 アムグンは皆からそう揶揄された。
 アムグンは何も神話が真実を語っていると信じている訳ではなかった。剣が二振り揃うだけで世界が救われるなら誰も苦労はしない。生も死も冗談ではないのだ。
 それでも剣の探求への興味が枯れないのは、それが亡き母への慕情のやり場であり、母との思い出を風化させず今に遺す為の儀式だったからかもしれなかった。
 やがて、アムグンが買い漁った書物の保管の為だけに、集落の片隅に一張のユルトが新たに設えられた。毎夜その天幕の灯りだけは曙まで消える事がなかった。
「こんなにも世は広く、謎に満ちている。もう一振りの神剣が見つかれば、ひょっとしたら本当に、奇跡だって起こるのかもしれない――」
 夜通し書を読み耽るアムグンの瞳は、この世界の全ての叡智を端倪せんという情熱に満ち満ちて、魂の迸りが飛火したかの如く輝いていた。七世紀末を生きる俊邁な若者にとって、この地上は未知と可能性を見出す方が遥かに容易だった事だろう。
「――だとすれば、この夢は一族どころか、全ての人類の夢と言っていいじゃないか。これぞ私の人生を捧げるに足る夢だ! いつか世界中を周り、剣を見つけてやるぞ!」
 いつしか、アムグンは里人達にそう嘯くようになった。それがどれほど本気なのか、里人達には――ひょっとしてアムグン自身さえ――想像だにしなかった。
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