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9.七月三十一日
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八月一日。
私が箱詰めにされて、松永医院の前に捨てられた日。
産んだ人はいま、どうしているんだろう。
青空だった空は流れてきた積乱雲によって半分灰色に陰り始めた。
目を閉じた暗闇のなかの風景は、真夏というよりも真冬のように暗くて冷たく、しんとしている。
きっと怖かったろう、と私を産んだ人に想いを馳せる。
――怖くなっちゃんたんじゃないかな。
母は私が物心ついたころ、たった一度だけ私が家にやってきたときのことを聞かせてくれた。
――ひよりを産んだ人が誰なのかは誰もしらないの。
私が見つかった日、仕事を終えた松永医院の二代目、松永美佳はエアコンで冷えた体をさすりながら、松永医院の表玄関から出てきた。
すると、玄関の前に、『あやしい段ボール箱』が置かれているのに気が付いた。
警察を呼ぼう、と言った看護師さんたちを押しとどめ、美佳は一秒も迷わずに蓋を開けた。
――開けてみたら、なんとびっくり。そのなかには、真っ白な布にくるまれたひよりがいたんだよ。
母は小さな私に気を使ってそう語ってくれたけれど、きっと箱のなかは、血と汚物の匂いがしていたのではないかと思う。
なにせ、大人たちが開けるのをためらうほどの『あやしい段ボール箱』だったのだから。
赤ん坊を見つけた母は、心配になって、私の健康状態を調べるために、松永医院の検査室に舞い戻り、私の胸に聴診器を当てた。
それから、夫へ電話をかけた。
珠月の妹を連れて帰ることになった、と。
そう、そのとき母――松永美佳には頼れる人間がいたのだ。夫である松永充が。
仕事は忙しかったけれど、夫と協力すればきっと子供たちを育てられると思った。
夫も医者だったから、松永医院は夫婦で経営することができた。
でも、あろうことか、最良のパートナーである夫は子供たちがまだ小さなうちに――私が一歳、珠月が三歳のときに、交通事故で他界してしまった。
ぐるぐると記憶を漁るのにも疲れ、私は仕方なく立ち上がる。
「やっぱ図書室しかないかあ」
橋川町の図書館ではなく、高校の図書室に向かうことにした。
夏休みの間、自習室として開放されているはずだ。
残り少なくなったスポーツドリンクのボトルをチャポチャポ言わせながら学校に戻り、閉門時間まで勉強をして過ごすことにした。
自習しているのはみんな三年生ばかりで気が引けたけれど、隅の目立たない席につくとやっと心が落ち着いた。
長文読解の本を読んでいると、あまり読み進まないうちに、チャイムが鳴った。
閉門の前に図書室自体が閉まるらしい。
時計を見ると五時四十五分だった。しぶしぶ本を片付けていると、後ろから声がかかった。
「ねえねえ」
三年生の女子が面白いものを見つけた、というように声を弾ませながら囁く。
「松永くんの妹さんだよね」
髪をクリップできれいにまとめた、大人っぽい雰囲気の人だ。薄化粧を施した華やかな顔は、埃っぽい図書室の本棚から浮いている。
「はい……兄に御用ですか」
「ううん、用ってわけじゃないんだ。でも珠月くん、夏祭りとか行くのかなあって。聞いてない?」
夏祭りとは、龍神を祀る橋川神社の例大祭のことだ。
季穂にも誘われて、私は行こうと思っていたけれど珠月は確か、進学先のオープンキャンパスと重なっていたと思う。
「行かないと思います」
私が答えると、相手は肩を落とした。
「そっかあ……わかった、ありがとうね」
彼女に続いて、私も図書室を出る。
お祭りにみっちゃんが行かないのは、もしかすると初めてかもしれない。
私が中学生になってからは、恥ずかしくて一緒に行こうとは言わなかったけれど、小さな祭り会場で必ずすれ違い、いつも私のお小遣いが足りているか心配してくれた。
みっちゃんがいない季節が来る。
まだ家にはみっちゃんがいるのに、そのことばかりが、私を苛む。
「ああ……疲れた」
自転車を漕ぐ足に力が入らず、川の手前で降りて押して歩いた。
いつの間にか息が切れて、汗で張り付いたブラウスはもう熱いのか冷たいのかわからない。
厚い雲の向こうから溶けるような夕陽のオレンジがあふれ出している。
蜩が遠く、カナカナと高く切なく、途切れることなく歌っていた。
橋に差し掛かると、ぱっと欄干のライトが灯った。
「あれ、今……」
視界の隅の葦原に、ちらちらと白い光が瞬いた気がして、私は足を止める。
ゆらりと人影が、草の間に揺れている。
「待って待って」
ハンドルを切るのももどかしく、自転車の向きを変えてUターンする。
橋のたもとで、踝をしたたかにぶつけながらもスタンドを蹴って自転車を置くと、河原へ続く階段を駆け下りた。
『幽霊』の人だ。
この前と同じく、葦原の岬を回り込むべく、靴を脱ぎ捨てる。
川の水に足を濡らしながら進んでいくと、
「……その先は、危ないよ」
低いけれど鋭い声が飛んできた。
前回、暗闇で聞いた声とは少し違う気がするけれど、記憶はすでにあいまいだ。
私は忠告を聞き入れて、足を近くの岩に載せ、それ以上進むのをやめる。
「あの……この前も、ここにいたよね。終業式の日」
葦原越しに目をこらすと、黒髪の男子のシルエットが夕闇に浮かび上がっていた。
その姿はすでに日陰になっており、辺りはすっかり薄墨を流したような闇なのに、顔かたちは白っぽく浮かび上がっていた。
葦の草影を透かしているせいでよく見えないけれど、二重が印象的なつぶらな瞳をしている。
「キミもだね」
短い言葉が返ってくる。ふわっと温かみのある声音に、緊張が少しずつほぐれていく。
「ひよりです。松永ひより」
私が名乗ると、相手が軽く肯くのが見えた。
「ひよりさん。俺は向井です、ムカイ、マサトシ」
「向井くん。一年って言ってたよね」
「うん」
向井くんはまた肯いた。風もないのにふわっと前髪が揺れる。
「何組なの?」
「内緒。探してよ。夏休みが終わったら」
「ええ?」
ふふっと笑われて、なんだか面映ゆいような、妙な気持ちになった。
川の水音が、少し気まずい間を埋めてくれる。
「ひよりさん……」
ふと、向井くんの視線が、草影越しに私に注がれる。
「変なこときくけど、この前、泣いてなかった?」
私は、えっ、と胸の前で手を握りしめた。
「泣いてない泣いてない」
あのとき、涙は流していなかった。どうして誤解されたんだろう。しょぼくれていたから見透かされたのだろうか。
「そうか」
向井くんは考え込むように言葉を切った。そして心配そうに続けた。
「今日は? 大丈夫?」
ざわっと遠くから夕風が吹きつけ、葦原を大きく揺すった。
大丈夫、と答えようとして、口を『だ』の形にした瞬間、いろんな気持ちが一斉にフラッシュバックした。
鳴田の自転車。
季穂の横顔。
開きかけた扉。
お母さんの顔。
だいじょうぶ、
じゃない。
目頭が一気に熱くなり、涙が零れ落ちていた。
「何か……嫌なこと、あった?」
どうしてだろう。
広い河原を前にしているせいだろうか。
向井くんの言葉が、胸に染みていく。
「ううん」
気づかれないように、涙を拭う。
「話してみたら? 俺、誰にも言わないよ」
私は答えることができなかった。泣いているのがばれるのも嫌だったし、どうしてそんなに優しい言葉をかけてくれるのか、わからなくて戸惑う。
向井くんは、それ以上無理に話させようとはせず、ひとりごとのように小さく呟いた。
「俺も嫌なことがあるよ」
「え?」
「聞いてくれる?」
私が箱詰めにされて、松永医院の前に捨てられた日。
産んだ人はいま、どうしているんだろう。
青空だった空は流れてきた積乱雲によって半分灰色に陰り始めた。
目を閉じた暗闇のなかの風景は、真夏というよりも真冬のように暗くて冷たく、しんとしている。
きっと怖かったろう、と私を産んだ人に想いを馳せる。
――怖くなっちゃんたんじゃないかな。
母は私が物心ついたころ、たった一度だけ私が家にやってきたときのことを聞かせてくれた。
――ひよりを産んだ人が誰なのかは誰もしらないの。
私が見つかった日、仕事を終えた松永医院の二代目、松永美佳はエアコンで冷えた体をさすりながら、松永医院の表玄関から出てきた。
すると、玄関の前に、『あやしい段ボール箱』が置かれているのに気が付いた。
警察を呼ぼう、と言った看護師さんたちを押しとどめ、美佳は一秒も迷わずに蓋を開けた。
――開けてみたら、なんとびっくり。そのなかには、真っ白な布にくるまれたひよりがいたんだよ。
母は小さな私に気を使ってそう語ってくれたけれど、きっと箱のなかは、血と汚物の匂いがしていたのではないかと思う。
なにせ、大人たちが開けるのをためらうほどの『あやしい段ボール箱』だったのだから。
赤ん坊を見つけた母は、心配になって、私の健康状態を調べるために、松永医院の検査室に舞い戻り、私の胸に聴診器を当てた。
それから、夫へ電話をかけた。
珠月の妹を連れて帰ることになった、と。
そう、そのとき母――松永美佳には頼れる人間がいたのだ。夫である松永充が。
仕事は忙しかったけれど、夫と協力すればきっと子供たちを育てられると思った。
夫も医者だったから、松永医院は夫婦で経営することができた。
でも、あろうことか、最良のパートナーである夫は子供たちがまだ小さなうちに――私が一歳、珠月が三歳のときに、交通事故で他界してしまった。
ぐるぐると記憶を漁るのにも疲れ、私は仕方なく立ち上がる。
「やっぱ図書室しかないかあ」
橋川町の図書館ではなく、高校の図書室に向かうことにした。
夏休みの間、自習室として開放されているはずだ。
残り少なくなったスポーツドリンクのボトルをチャポチャポ言わせながら学校に戻り、閉門時間まで勉強をして過ごすことにした。
自習しているのはみんな三年生ばかりで気が引けたけれど、隅の目立たない席につくとやっと心が落ち着いた。
長文読解の本を読んでいると、あまり読み進まないうちに、チャイムが鳴った。
閉門の前に図書室自体が閉まるらしい。
時計を見ると五時四十五分だった。しぶしぶ本を片付けていると、後ろから声がかかった。
「ねえねえ」
三年生の女子が面白いものを見つけた、というように声を弾ませながら囁く。
「松永くんの妹さんだよね」
髪をクリップできれいにまとめた、大人っぽい雰囲気の人だ。薄化粧を施した華やかな顔は、埃っぽい図書室の本棚から浮いている。
「はい……兄に御用ですか」
「ううん、用ってわけじゃないんだ。でも珠月くん、夏祭りとか行くのかなあって。聞いてない?」
夏祭りとは、龍神を祀る橋川神社の例大祭のことだ。
季穂にも誘われて、私は行こうと思っていたけれど珠月は確か、進学先のオープンキャンパスと重なっていたと思う。
「行かないと思います」
私が答えると、相手は肩を落とした。
「そっかあ……わかった、ありがとうね」
彼女に続いて、私も図書室を出る。
お祭りにみっちゃんが行かないのは、もしかすると初めてかもしれない。
私が中学生になってからは、恥ずかしくて一緒に行こうとは言わなかったけれど、小さな祭り会場で必ずすれ違い、いつも私のお小遣いが足りているか心配してくれた。
みっちゃんがいない季節が来る。
まだ家にはみっちゃんがいるのに、そのことばかりが、私を苛む。
「ああ……疲れた」
自転車を漕ぐ足に力が入らず、川の手前で降りて押して歩いた。
いつの間にか息が切れて、汗で張り付いたブラウスはもう熱いのか冷たいのかわからない。
厚い雲の向こうから溶けるような夕陽のオレンジがあふれ出している。
蜩が遠く、カナカナと高く切なく、途切れることなく歌っていた。
橋に差し掛かると、ぱっと欄干のライトが灯った。
「あれ、今……」
視界の隅の葦原に、ちらちらと白い光が瞬いた気がして、私は足を止める。
ゆらりと人影が、草の間に揺れている。
「待って待って」
ハンドルを切るのももどかしく、自転車の向きを変えてUターンする。
橋のたもとで、踝をしたたかにぶつけながらもスタンドを蹴って自転車を置くと、河原へ続く階段を駆け下りた。
『幽霊』の人だ。
この前と同じく、葦原の岬を回り込むべく、靴を脱ぎ捨てる。
川の水に足を濡らしながら進んでいくと、
「……その先は、危ないよ」
低いけれど鋭い声が飛んできた。
前回、暗闇で聞いた声とは少し違う気がするけれど、記憶はすでにあいまいだ。
私は忠告を聞き入れて、足を近くの岩に載せ、それ以上進むのをやめる。
「あの……この前も、ここにいたよね。終業式の日」
葦原越しに目をこらすと、黒髪の男子のシルエットが夕闇に浮かび上がっていた。
その姿はすでに日陰になっており、辺りはすっかり薄墨を流したような闇なのに、顔かたちは白っぽく浮かび上がっていた。
葦の草影を透かしているせいでよく見えないけれど、二重が印象的なつぶらな瞳をしている。
「キミもだね」
短い言葉が返ってくる。ふわっと温かみのある声音に、緊張が少しずつほぐれていく。
「ひよりです。松永ひより」
私が名乗ると、相手が軽く肯くのが見えた。
「ひよりさん。俺は向井です、ムカイ、マサトシ」
「向井くん。一年って言ってたよね」
「うん」
向井くんはまた肯いた。風もないのにふわっと前髪が揺れる。
「何組なの?」
「内緒。探してよ。夏休みが終わったら」
「ええ?」
ふふっと笑われて、なんだか面映ゆいような、妙な気持ちになった。
川の水音が、少し気まずい間を埋めてくれる。
「ひよりさん……」
ふと、向井くんの視線が、草影越しに私に注がれる。
「変なこときくけど、この前、泣いてなかった?」
私は、えっ、と胸の前で手を握りしめた。
「泣いてない泣いてない」
あのとき、涙は流していなかった。どうして誤解されたんだろう。しょぼくれていたから見透かされたのだろうか。
「そうか」
向井くんは考え込むように言葉を切った。そして心配そうに続けた。
「今日は? 大丈夫?」
ざわっと遠くから夕風が吹きつけ、葦原を大きく揺すった。
大丈夫、と答えようとして、口を『だ』の形にした瞬間、いろんな気持ちが一斉にフラッシュバックした。
鳴田の自転車。
季穂の横顔。
開きかけた扉。
お母さんの顔。
だいじょうぶ、
じゃない。
目頭が一気に熱くなり、涙が零れ落ちていた。
「何か……嫌なこと、あった?」
どうしてだろう。
広い河原を前にしているせいだろうか。
向井くんの言葉が、胸に染みていく。
「ううん」
気づかれないように、涙を拭う。
「話してみたら? 俺、誰にも言わないよ」
私は答えることができなかった。泣いているのがばれるのも嫌だったし、どうしてそんなに優しい言葉をかけてくれるのか、わからなくて戸惑う。
向井くんは、それ以上無理に話させようとはせず、ひとりごとのように小さく呟いた。
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「え?」
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