膝に爆弾を抱えている。【一話完結、ショート】

岡崎

文字の大きさ
1 / 1

膝に爆弾を抱えている。【一話完結、ショート】

しおりを挟む


生活習慣病はご存知だろうか。
メタボリックシンドロームや関節痛などといった類の生活習慣からくる病気だ。
昔から多くの人を蝕み、苦しめてきた。



「速……です。生……習……に関……法律が国会で可……さ……した。~~~…………


4月15日、時刻は午前1時。
しょうもないニュースを聞き流す。

なんか今日はずっと同じニュースをやってるような気がする。
まぁ、ニュース番組なんてそんなものだ。


「さて、今日も友達と朝までゲームしてから寝るか…。」


大学2年生の私は朝まで起き、昼まで寝る自堕落な生活をしている。

親からは、
そんな生活してると生活習慣病になるぞ。
と脅されるがそんなの迷信だ。

実際、私の周りには生活習慣病のやつは見たことない。


「やっぱりこの時間のポテチは最高だな。」


時刻は午前3時を刺す。
3時のおやつとはよく言ったものだ。


「もうこんな時間か、寝るか。」


かれこれこんな生活をもう三ヶ月は続けている。
べつに体に不調はないし関節も痛くない。自堕落な生活は最高だ。
強いていうならば昼間眠いくらいだ。
そう思い眠りについた。


プルルルル、プルルルル


「…なんだ……?んぅ……眠いなぁ…」


午前9時。電話の着信で目が覚める。
母親からだ。


「…あんた何したのよ!!!警察から連絡があったわよ!!!」


怒っているような泣いているような悲痛な叫びで私に母が問いかける。


「何って…なんもしてないけど…?間違いじゃないの…?」


本当に心当たりがない。詐欺か?母は騙されてるんじゃないか?
そんな考えが頭をよぎる。

ちょうどその時だった。


ピンポーン


「警察です。開けていただけますか。」


玄関のチャイムが鳴り、声が聞こえる。
私は焦って玄関を開ける。


「なんですか一体?心当たりはありませんよ…?」


そう警察に答える。
すると警察は


「生活習慣病防止法違反で逮捕します。」


と答えた。


「生活習慣病防止法…?なんですかそのふざけた法律。」


とさらに問いかけると


「法律を知らない?ニュースを見てないのですか?とりあえず御同行お願いします。任意ではなく強制です。」


と手錠をかけられる。

理解が追いつかないまま、そそくさと連れていかれることとなった。

連れて行かれながらふと前日の深夜のことを思い出す。




20XX年、4月15日、時刻は午前1時を刺す。
しょうもないニュースは 


「速報です。生活習慣に関する法律が国会で可決されました。午後11時就寝、午前9時までの起床を守れない国民や食事の時間、間食などに対して罰則を規定する予定です。」

と述べていた。



政府は生活習慣病を指定疾患症に認定し国民に対して、生活習慣の改善を義務化した。

その際、生活習慣の改善が見られなかった場合の罰則を与える為、生活習慣の改善が見られない者の膝には小さな爆弾を埋め込む措置を取り行った。


生活習慣が原因で私は膝に爆弾を抱えて生きている。

                  完









しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

身体交換

廣瀬純七
SF
大富豪の老人の男性と若い女性が身体を交換する話

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

真面目な女性教師が眼鏡を掛けて誘惑してきた

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
仲良くしていた女性達が俺にだけ見せてくれた最も可愛い瞬間のほっこり実話です

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

卒業パーティーのその後は

あんど もあ
ファンタジー
乙女ゲームの世界で、ヒロインのサンディに転生してくる人たちをいじめて幸せなエンディングへと導いてきた悪役令嬢のアルテミス。  だが、今回転生してきたサンディには匙を投げた。わがままで身勝手で享楽的、そんな人に私にいじめられる資格は無い。   そんなアルテミスだが、卒業パーティで断罪シーンがやってきて…。

リアルフェイスマスク

廣瀬純七
ファンタジー
リアルなフェイスマスクで女性に変身する男の話

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

処理中です...