覚悟はありますか?

翔王(とわ)

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代わってください

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「あたし、王太子妃になりたいんですぅ。だから代わってくださいぃ。」

王家主催の夜会時、王族席で休憩していた私は令嬢に言われたことに驚いてしまった。
隣に座っていた王妃様や国王陛下までもが一瞬固まってしまっていた。

ちょうどダンスの曲が終わった所を狙ってきたのか分からないけど、他の人達に聞こえてしまいました。
会場が水を打ったように静かになり、こちらを注目しています。

「あたしなら王太子妃に向いていますぅ!疲れた王太子様を癒してあげられますよぉ!!だから私を王太子妃にしてくださいぃ。」

注目されているに関わらずまだ話してる令嬢に皆さん引き攣っておられます。

「そなたの名前は何と言うんだ?教えてくれぬか?」
「あたしはぁユール侯爵家のリリスですぅ。」
「そうか、皆が注目しておるから別室で話すとするか」

国王陛下夫妻に王太子様と私とリリス様は移動しました。

「まず聞くが、なぜあの場で話したんだ?」
「たくさんの人に聞いて欲しかったしぃ、一目惚れした王太子様に会えたからぁでぇす。」
「そうか、この水晶に手を当ててくれないか?」
「分かりましたぁ」

ふむ、赤か……まだ処女か……頭の中身はともかく資格だけはあるのか。
仕方ないか……一応チェスター王国の最高峰の学園で勉強してもらうとするか。

「リリスとやら、王太子妃になりたいのは分かったが、今すぐなれるわけではないからな、とりあえずチェスター王国に行って3年ほど留学して来て欲しいんだが……」
「え~、リリスはぁ今すぐ王太子妃になりたいんですぅ。なのに留学ってなんでですかぁ?」

「王太子妃教育を受ける資格があるか確かめるためだからな、チェスター王国の最高峰の学園で3年頑張って10位以内をキープして帰国ができたら、王太子妃教育を受ける決まりだからな。」
「そうなんですかぁ~、じゃあぁ、アリス様も受けられたんですかぁ?」
「あぁ、アリス嬢は3年間2位で王太子は首席だったな。ちなみに儂も5位だったし王妃は3位だったな。」
「そうなんですかぁ~ならリリスは賢いから首席ですねぇ」
え?自分で言うのかよ?首席て……ありえないだろうに、チェスター王国には迷惑かけるかもだけど、とりあえずは行ってもらうか……。
まぁ現実見て来ればいいだろ……。

「チェスター王国との調整があるし日数かかるから、しばらくは自宅で待っていてくれるか?」
「はぁい、リリス頑張りますぅ。」

近衛騎士に自宅まで送るように頼み退室させた。

「はぁ……なんか変わった令嬢だな。見た感じは可愛らしいけど、相手にしたくないな。」
「父上、どうするんですか?あのリリス嬢は諦め悪そうな感じがしますけど……アリスと変われるなんて本気なんでしょうか?」
「さぁな、お花畑だから現実見せるのが手っ取り早いかと思ったんだけどな、チェスター王国には迷惑かけるだろうが、現実見て心を折られるだろうな。」

「ユール侯爵家か……愛人から後妻に収まった女の娘だよな……。確かあの令嬢の義姉が跡継ぎだよな。」
「そうですね……跡継ぎの方も何とかしないといけませんね。」

はぁ……あの令嬢のせいでまた忙しくなるな……。


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