腐女子が源氏物語的な世界に転生したので光源氏を受けにしてみた。

kanade

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7 打倒!光源氏

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光源氏 M 雌化プロジェクト
その名の通り、憎き天敵・光源氏を受けにしてしまおうという荒唐無稽な計画だ。
けど、私は成功率はかなり高いと思ってる。
「ちょっと待ってください、姫様。いくらなんでもノンケはそう簡単におとせないでしょう。」
「簡単ではないかもしれないけれど……三年もあるのよ、ゆっくりやっていけばどうにかなるわ。」
それに、私の知っている源氏物語の主人公は、明らかに受け体質だった。
大量のBl漫画に浸っていたあの時間は確実に私の血肉となっていて、私は好みの外見の男二人が並んでいる光景を見れば、BL変換してカップリングせずにはいられないし、時には単体でもタチネコ分類をしてしまう。
コンビニに置いてあるアニメキャラのグッズとか、結構いいネタなんだよね。
その経験を活かせば、右固定の光源氏のお相手を探すことなんてどうってことない、はず。
詩歌が露骨に顔を引き攣らせるものだから、流石の私も少し不安になってきた。御簾に歩み寄って、垣間見してみる。
シンとケイが、若い男と話しているところだった。 
あれ?早速、逸材発見……かもしれない。
ほとんど金に近い髪色のかなりチャラついた外見の男は、シンのような体育会系ではなかったが、上背もあってなかなか良い体格をしていた。
ひとまず、体型は合格っと。
肝心の顔は、シンの背に隠れてなかなか見えない。
食い入るように見つめていると、いつの間にか詩歌が隣に立っていた。
「……なるほど。確かに、創麿そうま様ならぴったりかもしれません。」
「そうま、様?もしかして、彼、私の親戚かしら?」
「はい、お兄様です。」
雅姫の、お兄さん……
この世界には流石に鏡はないから、この姿はぼんやりとしか見たことがない。
けれど、かなりの美人な印象だった。
それは、期待できる!
と一瞬思ったけれど、すぐに満月のような房麿の顔が思い浮かんで、私は顔をしかめてしまった。
「そうなの。お母様は?」
「姫様は正室である薫の上の御腹ですが、創麿様のお母様は第三夫人です。」
んー、どうだろ、微妙。
正妻の政略結婚の姫君なら顔の造形があまり整っていないかもしれないけれど、そうじゃないのなら、美しさに惹かれて娶ったという話も多そうだ。だが、政略結婚は正妻だけに留まらない可能性だってある。 
あれこれ考えていると、シンが頭部を動かし、創麿の顔が見えるようになった。 
「っ!?」
合格! 
と思わず叫びそうになり、私は慌てて口を覆ってうずくまる。
創麿の顔は、多少軽薄感を漂わせつつもかなり整っていた。
くっきりとした二重瞼の垂れ目と右の目元の泣きぼくろ、すっと通った鼻梁、それに、微笑みを湛えた唇……
耳にはどうやったのか、シルバーのピアスまでついていた。
この遊んでる感、最高すぎん!?
詩歌は突然しゃがみ込んだ私を気にする素振りを一切見せず、顎に指を当ててブツブツと呟いていた。
すっかりHMPに乗り気になってくれたようだ。
「創麿様遊び人攻めの源氏の君の黒髪美人受け……悪くないですね。」
そう、悪くは、ない。
「正直、すごく好みってわけじゃないのですけれど……源氏の君ほどのお方なら、創麿様くらい手慣れているのに自尊心を木っ端微塵にされるくらいが適当ですね。」
詩歌が至って真面目な顔で言い放った。
私も、全くの同感だ。
悪くはないし、十分萌えるんだけど、シン×ケイのように骨の髄まで好みで悶えずにはいられない、ってほどではないと思う。
今後の光源氏の変貌次第だけど。
可愛くなった姿を一瞬想像しそうになって、慌ててかき消す。
違う違う、今気になるのはそこじゃなくて。
「創麿様……いえ、お兄様は見た目こそ完璧だけれど、中身が本当に伴っているのかが問題ね。詩歌、何か知らない?」
「大抵のことは存じ上げてると思います。姫様に最も近しい人物の一人ですから、詳細まで調べました。」
流石詩歌!やっぱりうちの子最高!
称賛の眼差しを送ると、詩歌は少し気まずそうに目を伏せた。詩歌の優秀ぶりは確かにたまに引いてしまうけれど、でもすごく助かるから別に後ろめたく思う必要なんてないのに。
今は創麿の情報が一刻も早くほしいから、それは後で言ってあげようと思いつつ、催促する。
「お兄様はどんな方なの?」
「見た目通り……いえ、それ以上に奔放な方ですね。男でも女でも構わずに抱き潰すそうです。ただ、相手を一人に絞ることはないようでした。いわゆる、『ワンナイト』一晩限りの関係ばかり持っていますね。その割には、評判が悪くなかったのが私的には意外でした。」
男でも女でも……つまり、両性愛者バイ
ワンナイトの割に、評判は悪くない……多分、何がとは言わないが、上手い。
これ以上ないくらいの高物件だった。
こんなに簡単にいっちゃっていいのかな?
房麿からもらった結婚延期期間は、約三年。しかし、この条件だと、一年足らずでH M Pは達成できそうだった。
「評判が悪くない理由はわかったの?」
「はい。数人に話を聞きました。勿論、表現の違いはありますが、皆大体同じようなことを言っていました。」
「同じ?」
「はい。あまりの快感に何もかもがどうでもよくなって、自分でもよくわからないうちに許していた、と。」
「……すごいわね。」
「私も驚きました。」 
詩歌と苦笑をかわし合う。
うまいなんて次元じゃない、それは。
いや体験した記憶はないからわからないけれど。
一人なら相性がとても良かっただけと言えるが、数人となるとそうもいかない。
創麿は、本当にこれ以上ないくらい、HPMのターゲットの1人として適任だ。
「創麿様と源氏の君を引き合わせてしまえば、後は簡単ですが、それまでが難しいですよ。どうしますか?」
確かに。
私は顔をしかめる。
「ごめんなさい、ここまで早く相手側が見つかるとは思っていなかったから、全く考えてないのよ。明後日!明後日までには必ず決めるから……」
詩歌が目を丸くした。
え、明後日じゃ遅い感じ?
そりゃ思いつくときは思いつくけど、明日までって云われたら流石にきついな。
「そんなに早くて大丈夫なんですか?姫様、花嫁修業も始まるのに。」
「大丈夫よ。私、今から体調崩して倒れる予定だから。」
花嫁修業のことなんて完全に忘れてたから、適当に思いつきを言って肩をすくめてみせる。
何故か詩歌のツボに入ったらしく大笑いされた。
仮病って割とオーソドックスな手だと思うんだけど、ここだと違うのかな?
それとも、詩歌のツボがおかしいだけ?
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