21 / 53
三章
その21 文芸部室に封印された魔竜 ★
しおりを挟む
掃除を開始してから、しばらく経過していた。
アメやナツキがホコリを集めて、その後を俺やハルが雑巾がけをしていく。文芸部室の床は木目なので、流れに沿ってしっかりと雑巾がけをしていく。ちなみにフユカは、本棚の整理中。
普段、俺達が授業を受けている教室よりも一回り小さい部室は、過去の部員達の物も乱雑に置かれていたために、それなりに掃除に時間がかかった。それでも、五人でちゃんと協力すれば早いもので昼前には、片付けることができていた。
「いやー随分とキレイになったじゃん」
「そうだな。溜まっていたホコリも全部掃除できたんじゃないか」
労働終わりの清々しい気分。俺やアメは額に汗を浮かべてはいたが、それは決して気持ち悪いものではなかった。二人して窓際に寄りかかり、夏の風を浴びながらキレイになった文芸部室を眺める。すると、先程まで雑巾を洗っていたハルとナツキも帰ってきた。
俺達二人の様子を見て、ナツキがクスリと笑う。
「いいねーなんだか青春って感じだよー」
「そうか?あんまりわからないんだが」
「結構良いと思うわよ。写真撮ってあげる」
そう言ってハルは制服のポケットからスマホを取り出して、俺達二人に向けた。小さなシャッター音が鳴る。アメはピースをしたが、俺は特に何のポーズも取らない。それでもハルは満足したのか「うん」と軽く頷いて、スマホを再びポケットに直した。
ふと、ハルの髪に視線が動いた。掃除の時は、邪魔になるからと長い茶髪を後ろで一つに結っている。ナツキよりは位置の高いポニーテール。普段のおしとやか?な感じではなく、活発なスポーツ少女に今は見える。髪型が変わるだけで、こんなに印象が変わるものなんだと不思議に思う。
掃除も一段落ついたので、そろそろ休憩をしようということになった。夏休み期間中の文芸部の活動は午前中のみとなっている。おそらく今日の文芸部の活動はこれで終わりだろう。各々、部室の真ん中に設置された長机にパイプ椅子を持ってきて腰掛ける。しかし、その中にはフユカの姿がなかった。
どこに行ったのかと思って視線を巡らせると、いた。部室の隅っこで未だに本の山と格闘している。
「だぁー!駄目です!一体なんなんですかコレは!」
するといきなり声を上げた。
「どうしたのさフユカ。本じゃない物でも紛れてた?」
「いいえいいえ!本です、本なんですが……!」
とりあえず見て下さい、と言ったフユカが本の山を抱えてこちらに来た。ドスンという音と共に長机に置かれた本の山。少し大きめの置物サイズくらいはあるのだが、フユカが抱えていたところを見るにそこまで重量はないらしい。しかしそれより気になったのが、それが奇妙な積まれ方をしていたことだ。
その山は、そこにある全ての本を横にしてブロックみたいに積まれている。山の途中では穴が空いていたりしており、不自然な印象を受けた。なんと表現すればいいのだろう。絵で表現される様な、横に細長い棒が積み重なってできている雲みたいな感じ。そんな奇妙な山をフユカは持ってきた。
「おいフユカ。なんでこんな積み方するんだよ。本で遊ぶなって」
「私が積んだわけじゃありませんよ。なんでわざわざこんな不可思議な積み方をするんですか」
「それならさっさと解体すればいいだろ………って」
何気なく一番上の本に手を伸ばした。だが、その本を持ち上げることはできなかった。本の下に滑らせようとした手が入らなかったのだ。がっちりと隙間が存在しないように本どうしがくっついてしまっている。そうしてこの奇妙な積まれ方の理由を察する。
「まさかこれって………」
確認の為にフユカへと視線を向けた。そしてフユカはパイプ椅子に腰を下ろしながらコクリと頷く。
「はい。全部固定されていますね。先程持ち上げた時も、一切崩れる様子はありませんでした」
「意図的にこんな積み方をした、ってことなのかなー?」
ナツキも興味深そうに、しげしげと本の山を見やる。一番上に置かれている本の表紙に手を伸ばしてみたが、どうやら本の中身も固定されているらしく、表紙すらもめくることはできなかった。こうなってしまえば、本の役割は果たすことは出来ない。もはや置物として使う他ないだろう。あまり趣味のいいデザインとは言えないのが欠点ではあるが。
「ねぇ。私ちょっと思ったんだけど、これが七不思議に関連していたりしないわよね?」
「………………否定は出来ないね」
ハルの問いに、アメが苦笑しながら答えた。
文芸部室に置いてあった、意味不明な本の山。これが他の教室に置かれていた場合なら、誰かのイタズラで片付けられるのだが、そうもいかない。なんせ文芸部室は三つ目の不思議である『文芸部室に封印された魔竜』のその当該地だ。そこから見つかったコレが、七不思議と無関係だと割り切ることは出来ない。
「だけどさーこれは一体何の為に作られたんだろうねー」
ナツキが首を傾げながら、そう言葉を発した。
「これだけあからさまに奇妙な形をしているなら、何か目的を持ってこの形にされたってのは想像つくんだけどねー」
「ふーん、まぁ私にはさっぱりわからないけど」
「相変わらずだなハルは」
「わからないものは仕方がないでしょ。まぁ、今日部室を掃除して、これが見つかっただけでも進歩じゃない?」
それは確かに。今まで手付かずだったこの奇妙な本の山は、文芸部室の隅っこに放置され、その上を更に普通の本で囲まれていたため、今日までこの存在に気がつくことはなかった。もしこれが七不思議に関係していたのなら、今まで何をしても解明に至らなかったことにも納得がいく。木を隠すなら森の中、とはよく言ったものだ。
「見つかったのはいいのですが、結局用途がわからなければ解明出来ないのも同じですよ」
「これだけ特徴的過ぎると逆にわからないからね」
もはやこれの存在自体が七不思議ではないかと疑うレベル。
しばらく皆でうんうん唸っていると、ハルが急に立ち上がった。その後、本の山を持ち上げて窓際まで運んで行った。そして両手を頭上に伸ばして本の山を掲げだした。まるでその奇妙な本の山を崇めているようにも見える。………………一体何をしているんだアイツ。
「ハル、もしかして疲れているんですか」
「そんなわけないでしょ。ただ光に当てたらどうなるのかなって思っただけよ」
「あー影絵だねー」
「そう!それが言いたかったの!」
「なるほどな……その発想はなかったな」
俺も思わず感心してしまった。
たまにハルは俺達の思いもよらない考えを口に出すことがある。それは俺やフユカにいじられて終わるだけのものもあれば、まともなものもある。どうやら今回は後者であったようだ。でもまぁ自分で本の山を持つ必要はないとは思う。机やら本棚やら、それこそ本を積み上げてその上にでも置けばいいと思ったのだが、ハルのその格好が面白いので黙っておくことにする。
ちょうど日差しは、文芸部室の窓側から降り注いでいた。映し出される影が見やすいように、俺やアメで長机を部室の端っこまで運ぶ。これで木目の床に影がバッチリと映る様になった。
果たしてそこに映っていた影は━━━━
「まじか……」
「うわおー」
「まさか、ですね」
「これはびっくりだね」
「ね!ね!私の言った通りでしょ!?」
声だけでもわかるくらい、ハルが喜んでいた。本の山を床に下ろしてガッツポーズをしている。それもそのはずだろう。今はもう見えなくなってしまったが、夏の日差しは先程までくっきりとその影を映し出していた。
奇妙な本の山に空いた部分は、そのまま光が差し込んで眼に。本が山から突き出た部分は、翼や爪や角といった感じに表現されていた。ソレをなんと表現すればいいのか、俺達は初めから答えを知っていた。
その姿は、紛うことなき『魔竜』。
文芸部室に封印されていた魔竜は、夏の日差しを浴びて、その姿を俺達の前に現したのだった。
アメやナツキがホコリを集めて、その後を俺やハルが雑巾がけをしていく。文芸部室の床は木目なので、流れに沿ってしっかりと雑巾がけをしていく。ちなみにフユカは、本棚の整理中。
普段、俺達が授業を受けている教室よりも一回り小さい部室は、過去の部員達の物も乱雑に置かれていたために、それなりに掃除に時間がかかった。それでも、五人でちゃんと協力すれば早いもので昼前には、片付けることができていた。
「いやー随分とキレイになったじゃん」
「そうだな。溜まっていたホコリも全部掃除できたんじゃないか」
労働終わりの清々しい気分。俺やアメは額に汗を浮かべてはいたが、それは決して気持ち悪いものではなかった。二人して窓際に寄りかかり、夏の風を浴びながらキレイになった文芸部室を眺める。すると、先程まで雑巾を洗っていたハルとナツキも帰ってきた。
俺達二人の様子を見て、ナツキがクスリと笑う。
「いいねーなんだか青春って感じだよー」
「そうか?あんまりわからないんだが」
「結構良いと思うわよ。写真撮ってあげる」
そう言ってハルは制服のポケットからスマホを取り出して、俺達二人に向けた。小さなシャッター音が鳴る。アメはピースをしたが、俺は特に何のポーズも取らない。それでもハルは満足したのか「うん」と軽く頷いて、スマホを再びポケットに直した。
ふと、ハルの髪に視線が動いた。掃除の時は、邪魔になるからと長い茶髪を後ろで一つに結っている。ナツキよりは位置の高いポニーテール。普段のおしとやか?な感じではなく、活発なスポーツ少女に今は見える。髪型が変わるだけで、こんなに印象が変わるものなんだと不思議に思う。
掃除も一段落ついたので、そろそろ休憩をしようということになった。夏休み期間中の文芸部の活動は午前中のみとなっている。おそらく今日の文芸部の活動はこれで終わりだろう。各々、部室の真ん中に設置された長机にパイプ椅子を持ってきて腰掛ける。しかし、その中にはフユカの姿がなかった。
どこに行ったのかと思って視線を巡らせると、いた。部室の隅っこで未だに本の山と格闘している。
「だぁー!駄目です!一体なんなんですかコレは!」
するといきなり声を上げた。
「どうしたのさフユカ。本じゃない物でも紛れてた?」
「いいえいいえ!本です、本なんですが……!」
とりあえず見て下さい、と言ったフユカが本の山を抱えてこちらに来た。ドスンという音と共に長机に置かれた本の山。少し大きめの置物サイズくらいはあるのだが、フユカが抱えていたところを見るにそこまで重量はないらしい。しかしそれより気になったのが、それが奇妙な積まれ方をしていたことだ。
その山は、そこにある全ての本を横にしてブロックみたいに積まれている。山の途中では穴が空いていたりしており、不自然な印象を受けた。なんと表現すればいいのだろう。絵で表現される様な、横に細長い棒が積み重なってできている雲みたいな感じ。そんな奇妙な山をフユカは持ってきた。
「おいフユカ。なんでこんな積み方するんだよ。本で遊ぶなって」
「私が積んだわけじゃありませんよ。なんでわざわざこんな不可思議な積み方をするんですか」
「それならさっさと解体すればいいだろ………って」
何気なく一番上の本に手を伸ばした。だが、その本を持ち上げることはできなかった。本の下に滑らせようとした手が入らなかったのだ。がっちりと隙間が存在しないように本どうしがくっついてしまっている。そうしてこの奇妙な積まれ方の理由を察する。
「まさかこれって………」
確認の為にフユカへと視線を向けた。そしてフユカはパイプ椅子に腰を下ろしながらコクリと頷く。
「はい。全部固定されていますね。先程持ち上げた時も、一切崩れる様子はありませんでした」
「意図的にこんな積み方をした、ってことなのかなー?」
ナツキも興味深そうに、しげしげと本の山を見やる。一番上に置かれている本の表紙に手を伸ばしてみたが、どうやら本の中身も固定されているらしく、表紙すらもめくることはできなかった。こうなってしまえば、本の役割は果たすことは出来ない。もはや置物として使う他ないだろう。あまり趣味のいいデザインとは言えないのが欠点ではあるが。
「ねぇ。私ちょっと思ったんだけど、これが七不思議に関連していたりしないわよね?」
「………………否定は出来ないね」
ハルの問いに、アメが苦笑しながら答えた。
文芸部室に置いてあった、意味不明な本の山。これが他の教室に置かれていた場合なら、誰かのイタズラで片付けられるのだが、そうもいかない。なんせ文芸部室は三つ目の不思議である『文芸部室に封印された魔竜』のその当該地だ。そこから見つかったコレが、七不思議と無関係だと割り切ることは出来ない。
「だけどさーこれは一体何の為に作られたんだろうねー」
ナツキが首を傾げながら、そう言葉を発した。
「これだけあからさまに奇妙な形をしているなら、何か目的を持ってこの形にされたってのは想像つくんだけどねー」
「ふーん、まぁ私にはさっぱりわからないけど」
「相変わらずだなハルは」
「わからないものは仕方がないでしょ。まぁ、今日部室を掃除して、これが見つかっただけでも進歩じゃない?」
それは確かに。今まで手付かずだったこの奇妙な本の山は、文芸部室の隅っこに放置され、その上を更に普通の本で囲まれていたため、今日までこの存在に気がつくことはなかった。もしこれが七不思議に関係していたのなら、今まで何をしても解明に至らなかったことにも納得がいく。木を隠すなら森の中、とはよく言ったものだ。
「見つかったのはいいのですが、結局用途がわからなければ解明出来ないのも同じですよ」
「これだけ特徴的過ぎると逆にわからないからね」
もはやこれの存在自体が七不思議ではないかと疑うレベル。
しばらく皆でうんうん唸っていると、ハルが急に立ち上がった。その後、本の山を持ち上げて窓際まで運んで行った。そして両手を頭上に伸ばして本の山を掲げだした。まるでその奇妙な本の山を崇めているようにも見える。………………一体何をしているんだアイツ。
「ハル、もしかして疲れているんですか」
「そんなわけないでしょ。ただ光に当てたらどうなるのかなって思っただけよ」
「あー影絵だねー」
「そう!それが言いたかったの!」
「なるほどな……その発想はなかったな」
俺も思わず感心してしまった。
たまにハルは俺達の思いもよらない考えを口に出すことがある。それは俺やフユカにいじられて終わるだけのものもあれば、まともなものもある。どうやら今回は後者であったようだ。でもまぁ自分で本の山を持つ必要はないとは思う。机やら本棚やら、それこそ本を積み上げてその上にでも置けばいいと思ったのだが、ハルのその格好が面白いので黙っておくことにする。
ちょうど日差しは、文芸部室の窓側から降り注いでいた。映し出される影が見やすいように、俺やアメで長机を部室の端っこまで運ぶ。これで木目の床に影がバッチリと映る様になった。
果たしてそこに映っていた影は━━━━
「まじか……」
「うわおー」
「まさか、ですね」
「これはびっくりだね」
「ね!ね!私の言った通りでしょ!?」
声だけでもわかるくらい、ハルが喜んでいた。本の山を床に下ろしてガッツポーズをしている。それもそのはずだろう。今はもう見えなくなってしまったが、夏の日差しは先程までくっきりとその影を映し出していた。
奇妙な本の山に空いた部分は、そのまま光が差し込んで眼に。本が山から突き出た部分は、翼や爪や角といった感じに表現されていた。ソレをなんと表現すればいいのか、俺達は初めから答えを知っていた。
その姿は、紛うことなき『魔竜』。
文芸部室に封印されていた魔竜は、夏の日差しを浴びて、その姿を俺達の前に現したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
元暗殺者の俺だけが、クラスの地味系美少女が地下アイドルなことを知っている
甘酢ニノ
恋愛
クラス一の美少女・強羅ひまりには、誰にも言えない秘密がある。
実は“売れない地下アイドル”として活動しているのだ。
偶然その正体を知ってしまったのは、無愛想で怖がられがちな同級生・兎山類。
けれど彼は、泣いていたひまりをそっと励ましたことも忘れていて……。
不器用な彼女の願いを胸に、類はひまりの“支え役”になっていく。
真面目で不器用なアイドルと、寡黙だけど優しい少年が紡ぐ、
少し切なくて甘い青春ラブコメ。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
クラスで3番目に可愛い無口なあの子が実は手話で話しているのを俺だけが知っている
夏見ナイ
恋愛
俺のクラスにいる月宮雫は、誰も寄せ付けないクールな美少女。そのミステリアスな雰囲気から『クラスで3番目に可愛い子』と呼ばれているが、いつも一人で、誰とも話さない。
ある放課後、俺は彼女が指先で言葉を紡ぐ――手話で話している姿を目撃してしまう。好奇心から手話を覚えた俺が、勇気を出して話しかけた瞬間、二人だけの秘密の世界が始まった。
無口でクール? とんでもない。本当の彼女は、よく笑い、よく拗ねる、最高に可愛いおしゃべりな女の子だったのだ。
クールな君の本当の姿と甘える仕草は、俺だけが知っている。これは、世界一甘くて尊い、静かな恋の物語。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる