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吸血鬼
第23話「女の子って怖いわー。あ、私もだった」
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あれから数十分後
ついに決着がついた
「勝者!天災狼!」
長老が高らかに宣言する
それと同時に歓声が湧き、ウルフは周りにもみくちゃにされていた
「こればっかりは仕方がないな、ウルフの粘り勝ちだ」
そう、あれからウルフは攻撃を仕掛けてはすぐに引くという作戦に出た
元々有利であったのはウルフだ、急いで勝負を決める必要はない
ブタさんも負けじと反撃しようとしたが逃げに徹したウルフに追いつくのは無理だ
そんなこんなで決着がついたわけだ
「確実に勝ちを取りに行ったね、どんだけ名前が欲しいのやら…」
一体どんな名前つける気なんだろ?
それからいろんな出場者が出たが、数が多いので印象に残った試合の結果だけここに書き記そう
ゴブリン村から10歳くらいの少女同士が戦う事になったのだが…
まあなんというか、女の子って怖いね
としか言えない試合内容だった
それはそれで盛り上がったのだが、この村の女の子には逆らわないようにしようと心に決めた
だってさー
女の子同士が鬼気迫る表情でお互いの頰だったり服だったりを引っ張り合い、しまいには髪の毛の掴み合いよ?
執念のようなものを感じたね
一体何がそこまで駆り立てていたのか
あとで聞いた話だと好きな男の子に名前をプレゼントしたかったのだそうだ
頰を赤らめて話す様子は青春真っ只中といった感じだが、あの試合を見た後では微妙な顔しかできなかった
恋する乙女は強いね、怖いけど
こうして大会も大盛り上がりを見せ
最終的に優勝したのはウルフだった
決勝戦ではウルフと私が戦ったオーガの長だ
まあ実力じゃオーガさんが上だったんだが、何度やっても立ち上がるウルフの執念に根負けし降参した
傷だらけでしなしなになった毛並みではあったがそれでもブンブンと振られる尻尾を見て私も少し笑った
本人は澄ました顔でなんともないような風だったが、尻尾は隠せなかったみたい
「我がつけて欲しい名は『アル』という」
「ではこれからお前の名はアルだ、よろしく頼むよ」
そう言って撫でる
これにて大会は終わり
ちなみにこれ以降、村に貢献する活躍をしたものには名前などの褒美が出ることになった
それからというもの、皆が競うように働くようになった
昼は村の拡張やらで働き、夜は泥のように眠る日々が続く
私?いつも通り空を見上げてボーッとしてる。
たまに思いついたことを提案するくらいか
今も深夜、皆が寝に入り寝息を立てている中。私は一人で月を見上げている
この世界にきて、実は私は寝ていない
きっと羨ましいと思う人もいるだろう
けど、私はあまり嬉しいとは思う事が出来なかった
だって、それって否が応でも自分が人間ではないって分かってしまうから
私は人間のつもりだ
考え方も言動も
でも体は?
皮膚の色も髪の毛も瞳の色も
全て人間ではない
では人間とはなんだろう?
何をもって人とするんだろうか
って私は何を考えてるんだ
そんな事考えたところで答えなんてないだろう?
でもね、人間と違うところが出てくるたびに私は寂しい気持ちになる
「よっ、嬢ちゃん。横座るぜ」
そんな思考を断ち切るように声を掛けられた
見上げていた顔を横に向ければカノンが居た、月明かりに照らされて浮かび上がる顔は何処か遠い景色のようだ
「どうしたの?」
そう声を掛ければ何故だか笑われた
「不意に目が覚めてね、眠れそうもないからな。暇つぶしだ」
そうか
「ひでぇ顔してるな」
そう言われた
はて、私は今どんな顔をしてるのか
そういや前の世界でも誰かに言われたなぁ、その死んだ目を止めろ。だったか
ついに決着がついた
「勝者!天災狼!」
長老が高らかに宣言する
それと同時に歓声が湧き、ウルフは周りにもみくちゃにされていた
「こればっかりは仕方がないな、ウルフの粘り勝ちだ」
そう、あれからウルフは攻撃を仕掛けてはすぐに引くという作戦に出た
元々有利であったのはウルフだ、急いで勝負を決める必要はない
ブタさんも負けじと反撃しようとしたが逃げに徹したウルフに追いつくのは無理だ
そんなこんなで決着がついたわけだ
「確実に勝ちを取りに行ったね、どんだけ名前が欲しいのやら…」
一体どんな名前つける気なんだろ?
それからいろんな出場者が出たが、数が多いので印象に残った試合の結果だけここに書き記そう
ゴブリン村から10歳くらいの少女同士が戦う事になったのだが…
まあなんというか、女の子って怖いね
としか言えない試合内容だった
それはそれで盛り上がったのだが、この村の女の子には逆らわないようにしようと心に決めた
だってさー
女の子同士が鬼気迫る表情でお互いの頰だったり服だったりを引っ張り合い、しまいには髪の毛の掴み合いよ?
執念のようなものを感じたね
一体何がそこまで駆り立てていたのか
あとで聞いた話だと好きな男の子に名前をプレゼントしたかったのだそうだ
頰を赤らめて話す様子は青春真っ只中といった感じだが、あの試合を見た後では微妙な顔しかできなかった
恋する乙女は強いね、怖いけど
こうして大会も大盛り上がりを見せ
最終的に優勝したのはウルフだった
決勝戦ではウルフと私が戦ったオーガの長だ
まあ実力じゃオーガさんが上だったんだが、何度やっても立ち上がるウルフの執念に根負けし降参した
傷だらけでしなしなになった毛並みではあったがそれでもブンブンと振られる尻尾を見て私も少し笑った
本人は澄ました顔でなんともないような風だったが、尻尾は隠せなかったみたい
「我がつけて欲しい名は『アル』という」
「ではこれからお前の名はアルだ、よろしく頼むよ」
そう言って撫でる
これにて大会は終わり
ちなみにこれ以降、村に貢献する活躍をしたものには名前などの褒美が出ることになった
それからというもの、皆が競うように働くようになった
昼は村の拡張やらで働き、夜は泥のように眠る日々が続く
私?いつも通り空を見上げてボーッとしてる。
たまに思いついたことを提案するくらいか
今も深夜、皆が寝に入り寝息を立てている中。私は一人で月を見上げている
この世界にきて、実は私は寝ていない
きっと羨ましいと思う人もいるだろう
けど、私はあまり嬉しいとは思う事が出来なかった
だって、それって否が応でも自分が人間ではないって分かってしまうから
私は人間のつもりだ
考え方も言動も
でも体は?
皮膚の色も髪の毛も瞳の色も
全て人間ではない
では人間とはなんだろう?
何をもって人とするんだろうか
って私は何を考えてるんだ
そんな事考えたところで答えなんてないだろう?
でもね、人間と違うところが出てくるたびに私は寂しい気持ちになる
「よっ、嬢ちゃん。横座るぜ」
そんな思考を断ち切るように声を掛けられた
見上げていた顔を横に向ければカノンが居た、月明かりに照らされて浮かび上がる顔は何処か遠い景色のようだ
「どうしたの?」
そう声を掛ければ何故だか笑われた
「不意に目が覚めてね、眠れそうもないからな。暇つぶしだ」
そうか
「ひでぇ顔してるな」
そう言われた
はて、私は今どんな顔をしてるのか
そういや前の世界でも誰かに言われたなぁ、その死んだ目を止めろ。だったか
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