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第4章 記憶と思惑のフィアンツ帝国
特別編 大切な貴方を祝う(後編)
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カトレアがダリアからドレスについて、一方的に指定された数日後。
ペトロート王国の王城では、創造神アリアの生誕を祝う夜会が行われていた。
これでもかと着飾った貴族達が、煌びやか会場でダンスや談笑に興じている中、王都の貴族街にある高級レストランで、若いカップルが美味しい料理に舌鼓を打っていた。
「ん~! 美味しいわ! ラピス、こんな素敵なレストランを知っていたのね!」
「あっ、あぁ……ここら辺を巡回していた時に偶然見つけたんだ」
「ふ~ん」
(言えない。本当はこの前の休みに実家に帰って、母親に土下座して教えてもらったなんて)
上品ながらも美味しそうに料理を食べるカトレアに、苦笑いを浮かべたラピスはふと、カトレアの着ている瑠璃色のドレスに目がいった。
「それよりも良かったのか?」
「何が?」
「『何が?』って夜会のことだ。一応お前、『稀代の天才魔法師』じゃねぇか」
(そう、こいつは『稀代の天才魔法師』として、毎年夜会に参加していた。もちろん俺も、婚約者としてエスコートをしていた)
心配そうに眉を顰めたラピスに、ワインを飲んでいたカトレアがそっとグラスを置いた。
そして、ラピスを見て小さく笑みを零す。
「良いのよ。婚約者の色が着ることが許されない夜会なんて行く意味ないわ」
「それは、そうかもしれないが」
ダリアが立ち去った後、抑えていた怒りを爆発させたカトレアは、ラピスに今年の夜会には行かず、2人きりになる返事をした。
「そもそも、あんたが言ったじゃない。『夜会は、強制参加じゃない』って」
「たっ、確かにそうだが……」
「それに」
笑みを浮かべまま、カトレアは持ってきたバッグから綺麗に包装された箱を取り出すと、そのままテーブルの上に置いた。
「『大切な人の誕生日に2人になりたい』って思っているの、あんただけじゃないんだからね」
「っ?! カトレア、これって……」
「あんたへのプレゼントよ。ほら、開けてみて」
楽しそうに笑うカトレアに言われるがまま、丁寧に包装を外したラピスは箱を開けた瞬間、思わず言葉を失う。
「ウフフッ、驚いたでしょ。この日のために、わざわざ刺繡したのよ」
したり顔のカトレアから贈られたプレゼント……それは、黄色の糸で剣と盾が刺繡された瑠璃色のハンカチだった。
(宮廷魔法師としての仕事で俺以上に忙しいのに、俺のためにこんな素晴らしい物を用意してくれたのか)
「ラピス? どうしたの?」
突然黙ったラピスに、カトレアが不思議そうに小首を傾げると、ラピスは貰ったハンカチに皺につかないよう綺麗に畳んだ。
そして、静かに立ち上がるとカトレアの後ろに立ち、小首を傾げたままのカトレアをそっと抱き締めた。
「ラッ、ラピス!?」
「ありがとう、カトレア。本当は、このレストランを貸し切って、お前と2人だけの時間を過ごすだけで良かった。でも……」
少しだけ強く抱きしめたラピスは、耳元に唇を寄せた。
「こんな素晴らしい物を用意してくれていたなんて……やっぱり、お前が俺の婚約者で良かった」
「っ!!」
(なっ、何よ! きゅっ、急にらしくないこと言っちゃって!!)
耳を真っ赤にするカトレアに、小さく微笑んだラピスはそのまま耳に口づけた。
「っ!?!?」
「そう言えば、今度はお前の誕生日だったな。何が欲しい?」
至近距離で甘く微笑まれたカトレアは頬を真っ赤にした。
その時、ラピスが食事に誘ってきた時のことを思い出し、カトレアは蕩けるような笑みを浮かべた。
「じゃあ、あなたと2人きりになる時間を私にくれない?」
その数日後、自分の誕生日に貴族御用達の高級レストランを貸し切ったカトレアは、ラピスと2人きりの時間を楽しんだ。
そして、ラピスから色とりどりの花束を貰った。
ペトロート王国の王城では、創造神アリアの生誕を祝う夜会が行われていた。
これでもかと着飾った貴族達が、煌びやか会場でダンスや談笑に興じている中、王都の貴族街にある高級レストランで、若いカップルが美味しい料理に舌鼓を打っていた。
「ん~! 美味しいわ! ラピス、こんな素敵なレストランを知っていたのね!」
「あっ、あぁ……ここら辺を巡回していた時に偶然見つけたんだ」
「ふ~ん」
(言えない。本当はこの前の休みに実家に帰って、母親に土下座して教えてもらったなんて)
上品ながらも美味しそうに料理を食べるカトレアに、苦笑いを浮かべたラピスはふと、カトレアの着ている瑠璃色のドレスに目がいった。
「それよりも良かったのか?」
「何が?」
「『何が?』って夜会のことだ。一応お前、『稀代の天才魔法師』じゃねぇか」
(そう、こいつは『稀代の天才魔法師』として、毎年夜会に参加していた。もちろん俺も、婚約者としてエスコートをしていた)
心配そうに眉を顰めたラピスに、ワインを飲んでいたカトレアがそっとグラスを置いた。
そして、ラピスを見て小さく笑みを零す。
「良いのよ。婚約者の色が着ることが許されない夜会なんて行く意味ないわ」
「それは、そうかもしれないが」
ダリアが立ち去った後、抑えていた怒りを爆発させたカトレアは、ラピスに今年の夜会には行かず、2人きりになる返事をした。
「そもそも、あんたが言ったじゃない。『夜会は、強制参加じゃない』って」
「たっ、確かにそうだが……」
「それに」
笑みを浮かべまま、カトレアは持ってきたバッグから綺麗に包装された箱を取り出すと、そのままテーブルの上に置いた。
「『大切な人の誕生日に2人になりたい』って思っているの、あんただけじゃないんだからね」
「っ?! カトレア、これって……」
「あんたへのプレゼントよ。ほら、開けてみて」
楽しそうに笑うカトレアに言われるがまま、丁寧に包装を外したラピスは箱を開けた瞬間、思わず言葉を失う。
「ウフフッ、驚いたでしょ。この日のために、わざわざ刺繡したのよ」
したり顔のカトレアから贈られたプレゼント……それは、黄色の糸で剣と盾が刺繡された瑠璃色のハンカチだった。
(宮廷魔法師としての仕事で俺以上に忙しいのに、俺のためにこんな素晴らしい物を用意してくれたのか)
「ラピス? どうしたの?」
突然黙ったラピスに、カトレアが不思議そうに小首を傾げると、ラピスは貰ったハンカチに皺につかないよう綺麗に畳んだ。
そして、静かに立ち上がるとカトレアの後ろに立ち、小首を傾げたままのカトレアをそっと抱き締めた。
「ラッ、ラピス!?」
「ありがとう、カトレア。本当は、このレストランを貸し切って、お前と2人だけの時間を過ごすだけで良かった。でも……」
少しだけ強く抱きしめたラピスは、耳元に唇を寄せた。
「こんな素晴らしい物を用意してくれていたなんて……やっぱり、お前が俺の婚約者で良かった」
「っ!!」
(なっ、何よ! きゅっ、急にらしくないこと言っちゃって!!)
耳を真っ赤にするカトレアに、小さく微笑んだラピスはそのまま耳に口づけた。
「っ!?!?」
「そう言えば、今度はお前の誕生日だったな。何が欲しい?」
至近距離で甘く微笑まれたカトレアは頬を真っ赤にした。
その時、ラピスが食事に誘ってきた時のことを思い出し、カトレアは蕩けるような笑みを浮かべた。
「じゃあ、あなたと2人きりになる時間を私にくれない?」
その数日後、自分の誕生日に貴族御用達の高級レストランを貸し切ったカトレアは、ラピスと2人きりの時間を楽しんだ。
そして、ラピスから色とりどりの花束を貰った。
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