修羅の道

おくん血•タケル

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第四話「名声と蜜の罠」

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ギルドと衛兵の連合を打ち倒した“流れ者”武流――
その名は瞬く間に街から街へと広がっていた。

「……最近、妙に視線を感じるな。」

街を歩くだけで、美女たちの熱い眼差しを感じる武流。
特に、耳の長いエルフの女性たちが彼を見つめては、頬を赤らめている。

「なんでエルフばっかりなんだよ……。」

ギスケが肩の上で、クックッと笑う。

だがその日、武流宛てに一通の手紙が届いた。

『武流様、もしよろしければ、私たちと一緒にお茶でもいかがでしょうか?
――武流ファンクラブより』

「ファンクラブ……だと……?」

軽い気持ちで指定された広場へ向かうと、そこには
エルフ、ヒューマン、猫耳族、様々な美女たちが彼を待ち受けていた。

「きゃああ! 本物の武流様!」
「あなたの戦い、最高でした!」
「ギスケちゃんも可愛い~!!」

――え?

ギスケが一瞬、固まった。

「ギスケちゃん! 羽がふわふわ~♡」
「おとなしくてお利口さん♡ ぎゅーってしていい?」

ギスケ、まさかの大人気。
しかも武流以上に取り囲まれ、頭や羽を撫でられ、膝の上に乗せられ、しまいにはおやつまで差し出される始末。

「……ギャ、ギャア……♡」
(まんざらでもない……!)

武流が苦笑する。

「おいおい……お前までモテ期かよ。」

ギスケはもう完全にデレデレで、ペタッとファンクラブの少女の腕に身体を預けている。

「ギャア……♡」

こうして、武流もギスケも、少しずつ“甘い時間”に身を委ねていった。

昼はファンクラブの美女たちと賑やかに過ごし、夜はこっそり二人きりの甘い逢瀬。

ギスケも、すっかりファンクラブの癒しキャラとして定着していた。

けれど――その裏で、ユリシアは微笑んでいた。

「女遊びに、仲間のペットまでデレデレ……ふふ、油断してくれるのは好都合。」

「でも、それでいい。」
「私たちが彼を必要とする時は、必ず来る。」

ユリシアの瞳は静かに、そして確かに武流を捉えていた。

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