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第三話「懸賞金と漆黒の刃」
しおりを挟む第三話「懸賞金と漆黒の刃」
「――見つけたぞ、武流。」
森の奥、武流は周囲を完全に包囲されていた。
「へえ、よくここがわかったな。」
ギルドの刺客、衛兵たち――
彼に懸賞金がかけられたという情報は本当だった。
「お前、俺たちのギルドの誘いを断った上に、衛兵まで狩り続けやがって……」
「ただの流れ者だと思ってたが……これ以上、好き勝手はさせねぇ。」
武流は軽く肩をすくめ、ギスケを見上げた。
「……なぁ、ギスケ。今日は、ちょっと厳しいかもしれん。」
「ギャア!」
ギスケが鋭く鳴き、上空を舞う。
数十人の刺客と衛兵の連合。
逃げ道は限られている。
「ふん……だが、俺は逃げるのも、戦うのも好きなんだ。」
⚔️
武流は森の中を駆け抜ける。
背後から矢が飛び、前方から槍兵が迫る。
一撃で斬り抜け、すぐに回避。
時にはギスケが鋭いくちばしで敵の目を潰し、武流の隙を埋めた。
「おもしれぇ、来いよ、もっと!!」
だが、少しずつ囲いが狭まっていく。
「……クソ、ここで終わりかよ。」
その時――
森に響く、不気味な笑い声。
「まだ、生きる意志があるみたいだね。」
黒いローブを纏った集団が、森の影から現れた。
「漆黒連……!?」
その先頭に立つのは、かつて武流が一度だけ心を奪われた女――ユリシアだった。
「アンタに興味があるのさ、武流。せっかくだから、私たちが助けてあげる。」
ユリシアが手を挙げると、漆黒連の暗殺者たちが一斉に動き出す。
闇のように滑らかで、刃のように鋭いその動き――
瞬く間に、ギルドと衛兵たちを切り裂いていく。
「なんだ、あいつら……!?」
武流もすかさず加勢し、逃げながら反撃に転じる。
「おい、ユリシア……なんで俺を?」
「興味、って言ったでしょ。」
妖艶な笑みを浮かべながら、彼女は短剣を血に濡らす。
「ねぇ、武流。
もし、アンタがこの先も“私たち”と一緒に生きたいなら――」
「――もっと、強くなりな。」
その言葉を残し、ユリシアは漆黒連と共に霧のように姿を消す。
残された武流は、肩で息をしながらギスケを見上げた。
「……なんだよ、ギスケ。お前も、あの女について行きたそうな顔してんな。」
「ギャア!」
「わかってるよ。オレはまだ、足りねぇってことだろ。」
ギスケとともに空を仰ぎ、武流は静かに拳を握る。
修羅の道は、まだ続く。
⸻
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