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1.1 露璃恨・序
露璃恨・序:2
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俺の順調な生活は、本当に何も起こらなかった。その日までは。
しかし、この時の俺は既にロリコンを拗らせていた。
でもまだこの時は、周りの同年代の女性が苦手で、純粋な小さな子の方が好きと言うレベルのものだった。
少なくとも性的な目では見いなかったし、たまに街中で見る子供を可愛いなと思うくらいだ。純粋で無垢な女の子を自分の手で穢したい等これっぽっちも思ってはいなかった。
あんな過去があったからか、俺は人と関わるのが本当に苦手になっていた。
そんな俺がある少女と出逢うことになる。
社会人4年目。
その日は金曜で、次の土日が休みだった。
残業はあったが、残りは殆ど無く月曜まで休めそうだった。
俺は仕事からの帰り道に、たまたまコンビニで今晩の夕食、と言うか時間的に夜食の様な晩飯を買いにコンビニに寄った帰りで、普段通らない裏道を通っていた。
普通に女子高生が道でたむろをしていて、通りづらかっただけなのだが。
だが、それが出逢いの切っ掛けになった。
その少女は、俺の家の近く、コンビニの裏の通りの道端に座り込んでいた。
彼女は酷く汚れた格好で、痩せ細った身体で、虚ろな眼をしていた。
俺はそんな少女を哀れに思い、つい話しかけてしまう。
「どうしたの?大丈夫?」
最初は優しく話し掛けた。
つい話し掛けてしまったなんて言う程何も考えて居なかった訳でも無くて、かと言ってすごく考えていた訳でも無いのだけれど。
人通りの少ない路地、誰も周りに居ない場所。
そんな所でこんな女の子が何の手助けもなしにそこにいていつまで持つか分からない。
そんなのが嫌で俺はその少女に話し掛けた。
それにしても幾ら人が少ない道と言えども、全く通らない訳ではなかろう。誰も手を差し伸べてくれなかったのだろうか。
俺の質問に対して、その少女は涙を浮かべた顔をあげて、顔を横に数回動かす。
俺は衰弱した少女を前にいたたまれなくなる。
「俺の家、来る?」
すぐそこの自分の家に連れて行けばこの子を救えるかも知れない。
そう思ってしまった俺は、少女を家へと誘ってみる。
少女は顔を縦に動かした。
「歩け……ないか。歩けたとしてもそんなんじゃ無理しない方がいいよな。」
少女の小さな体を腕に抱え、俺は数十メートル先の自宅へと足を進める。
さっきは誰も通らないのが不憫に思えたのだが、今はとても有難かった。
絵面が完全に誘拐犯になりそうな俺を通報する様な目撃者が居なくてよかった。
階段を上り、ドアノブに手をかけた。
しかし、この時の俺は既にロリコンを拗らせていた。
でもまだこの時は、周りの同年代の女性が苦手で、純粋な小さな子の方が好きと言うレベルのものだった。
少なくとも性的な目では見いなかったし、たまに街中で見る子供を可愛いなと思うくらいだ。純粋で無垢な女の子を自分の手で穢したい等これっぽっちも思ってはいなかった。
あんな過去があったからか、俺は人と関わるのが本当に苦手になっていた。
そんな俺がある少女と出逢うことになる。
社会人4年目。
その日は金曜で、次の土日が休みだった。
残業はあったが、残りは殆ど無く月曜まで休めそうだった。
俺は仕事からの帰り道に、たまたまコンビニで今晩の夕食、と言うか時間的に夜食の様な晩飯を買いにコンビニに寄った帰りで、普段通らない裏道を通っていた。
普通に女子高生が道でたむろをしていて、通りづらかっただけなのだが。
だが、それが出逢いの切っ掛けになった。
その少女は、俺の家の近く、コンビニの裏の通りの道端に座り込んでいた。
彼女は酷く汚れた格好で、痩せ細った身体で、虚ろな眼をしていた。
俺はそんな少女を哀れに思い、つい話しかけてしまう。
「どうしたの?大丈夫?」
最初は優しく話し掛けた。
つい話し掛けてしまったなんて言う程何も考えて居なかった訳でも無くて、かと言ってすごく考えていた訳でも無いのだけれど。
人通りの少ない路地、誰も周りに居ない場所。
そんな所でこんな女の子が何の手助けもなしにそこにいていつまで持つか分からない。
そんなのが嫌で俺はその少女に話し掛けた。
それにしても幾ら人が少ない道と言えども、全く通らない訳ではなかろう。誰も手を差し伸べてくれなかったのだろうか。
俺の質問に対して、その少女は涙を浮かべた顔をあげて、顔を横に数回動かす。
俺は衰弱した少女を前にいたたまれなくなる。
「俺の家、来る?」
すぐそこの自分の家に連れて行けばこの子を救えるかも知れない。
そう思ってしまった俺は、少女を家へと誘ってみる。
少女は顔を縦に動かした。
「歩け……ないか。歩けたとしてもそんなんじゃ無理しない方がいいよな。」
少女の小さな体を腕に抱え、俺は数十メートル先の自宅へと足を進める。
さっきは誰も通らないのが不憫に思えたのだが、今はとても有難かった。
絵面が完全に誘拐犯になりそうな俺を通報する様な目撃者が居なくてよかった。
階段を上り、ドアノブに手をかけた。
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